最終学歴とは?履歴書の書き方や注意点をパターン別に徹底解説

作成日:2022.05.25 更新日:2024.02.14

就職活動や転職活動で提出が求められる履歴書には、学歴を記入するスペースがあります。新卒や職歴の浅い第二新卒の採用にあたっては、最終学歴が重視されるケースも珍しくありません。 ところが、就活生や転職希望者のなかには、最終学歴の定義を誤解している人が少なくありません。そこで、この記事では、最終学歴の定義や履歴書の正しい書き方、注意点などについて解説します。 

そもそも最終学歴とは?

最終学歴とは「その人の学歴のなかでもっとも高い教育機関」のことです。一般的な教育機関の序列は、上から「大学院」「大学」「短期大学」「専門学校」「高等専門学校」「高等学校」「中学校」となります。 ただし、採用にあたっては、短期大学・専門学校・高等専門学校は同じような水準として扱われることが多いです。なお、中退した場合は学歴として認められません。 在学中もしくは卒業した教育機関が対象です。○○大学に在学中であれば最終学歴は「○○大学在学中」であり、卒業している場合は「○○大学卒業」となります。 誤解している人がいますが、最終学歴は「最後に学び、卒業した教育機関」ではありません。 一般には最後に卒業した大学がもっとも高い教育機関になることが多いですが、なかには大学を卒業後に専門学校に入学して学び直し、卒業する人もいます。 このようなケースでは、最終学歴となるのは「専門学校卒業」ではなく「大学卒業」です。この点を間違うことが多いため、注意しましょう。 短大・専門学校・高等専門学校は同じ水準とみなされるため、短大を卒業後に専門学校で学んだ場合などは、最後に卒業した学校を最終学歴としても問題ありません。

履歴書に最終学歴を書くときの注意点

履歴書に最終学歴を書くときは、いくつか注意すべきポイントがあります。企業の採用担当者は応募書類に正しく書けているかも見ているため、十分に注意しましょう。

入学年・卒業年は西暦か和暦に統一する

学歴を書くときは、入学年と卒業年を記入します。年号は西暦でも和暦でも構いません。 ただし、どちらか一方に統一して書き、1枚の履歴書上に西暦と和暦が混在するような書き方はしないようにしましょう。

学歴は時系列で高校卒業から書く

履歴書に学歴を書くときは、基本的に入学と卒業をセットにして古いものから順番に記入します。ただし、小学校の入学から書く必要はありません。高校から書くと良いでしょう。 これは、通常は小学校や中学校で留年することはなく、規定の年齢に達すれば入学し、順当に卒業するものと考えられるからです。 とはいえ、高校卒業から書くことは絶対的なルールではありません。小学校や中学校から書いても減点対象になることはないでしょう。

正式名称で記入する

履歴書はビジネス文書です。用語はすべて正確に、正式名称で書かなければなりません。学校や大学の学部、学科名などすべて略称ではなく正しく書くようにしましょう。 また、高校の場合は国立・県立(都立・府立)や市立・私立も忘れず書く必要があります。大学は国立や私立などをつける必要はありません。

大学は学科や専攻まで書く

大学や大学院について書く場合は、学校名だけではなく、学部・学科・専攻まで書きます。これは、学部や学科、専攻によって学んできた内容が大きく異なるためです。 企業の採用担当者に、大学や大学院で何を学びどのような知識があるのかを知ってもらうことが大切なため、省かず記載しましょう。

在学中は「卒業見込み」

大学や大学院に在籍したまま行う就職活動では、「○○大学卒業」「大学院修了」とは書けません。 就活では、「卒業見込み」としておきましょう。「在学中」「卒業予定」としても間違いではありませんが、この書き方ではいつ卒業できるのか不明瞭です。 卒業見込みとすることで、このまま順当にいけば確実に卒業できることが示せます。 なお、大学院は「卒業」ではなく「修了」です。在学中であれば、「修了見込み」としましょう。「修士課程修了」か「博士課程修了」かまで書きます。

語学学校は学歴に含まれない

大学卒業後、語学学校やプログラミングスクールなどに通ってから就活する人もいるでしょう。 しかし、残念ながら、学校法人ではないスクールは学歴として認められません。履歴書の学歴欄に書けるのは、国公立の学校か学校法人として認定された私立学校のみです。 学んだことが志望職種に役立つものであれば、良いアピールになるので自己PR欄などに書くと良いでしょう。なお、国や自治体が運営する職業訓練校に通った場合は、学歴ではなく職歴として記載可能です。

中退した場合

入学したものの中退した場合は、学歴として認められません。 仮に、大学に進学したものの退学し、専門学校に入りなおして卒業したとしましょう。この場合は、専門学校が最終学歴です。 とはいえ、履歴書の学歴欄では中退した大学も省かずに記載し、卒業ではなく「○○大学中退」とします。 これは、中退についても書かなければ、高校卒業後から専門学校に入るまでの間に不自然な空白期間が存在することになるからです。

留学した場合

留学した場合、学歴として認められるのは学位を取得したケースに限られます。3カ月などの短期留学や1年間現地にある民間の語学学校に通った場合などは学歴とはみなされません。

シチュエーション別の記載例

人によって、中学校卒業以降の進路はさまざまです。そこで、ここでは高卒や大卒などのシチュエーション別に履歴書の記載例を示します。
 

高校卒業の場合

高校を卒業した場合は、以下のように書きます。 ・○○年○○県立○○高等学校○○科入学 ・○○年○○県立○○高等学校○○科卒業 国立や県立、私立なども忘れず記入しましょう。 情報技術科や音楽家など普通科以外の学科を卒業した場合は、学科名まで記載します。
 

専門学校卒業の場合

高校を卒業後、専門学校で学んで卒業した場合の書き方を紹介します。 ・○○年○○専門学校○○コース入学 ・○○年○○専門学校○○コース卒業 専門学校で何を学んだのかが大事です。コースや学科までもれなく記入しましょう。
 

短大卒業の場合

短大を卒業した場合は、以下のように書きます。 ・○○年○○短期大学○○学科○○専攻入学 ・○○年○○短期大学○○学科○○専攻卒業 短大ではなく「短期大学」と書き、学科や専攻まで正しく書くことが大切です。
 

大学卒業の場合

大学を卒業した場合の書き方例を挙げます。 ・○○年○○大学○○学部○○学科○○専攻入学 ・○○年○○大学○○学部○○学科○○専攻卒業 大学の場合も、学部や学科、専攻まで正しい名称で書きます。 大学によって学科制の代わりに課程制を導入していたり、コースという呼称を使っていたりすることもあります。正式名称を調べておくと安心です。 なお、なかには途中で学部や学科を変更する人もいるでしょう。 そのよう場合は以下のように書きます。 ・○○年○○大学○○学部○○学科○○専攻入学 ・○○年○○大学××学部××学科××専攻転学部 ・○○年○○大学××学部××学科××専攻卒業 学部や学科を変更した理由まで記載する必要はありません。
 

大学院修了の場合

大学院を修了した場合の書き方の例です。 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻修士課程入学 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻修士課程修了 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻博士課程入学 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻博士課程修了 博士課程まで進んだものの、博士号を取得しなかった場合は以下のように書きます。 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻修士課程入学 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻修士課程修了 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻博士課程入学 ・○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻博士課程単位取得後退学 学歴欄のスペースがないときは、シンプルに「退学」と書いてもかまいません。
 

中退した場合

入学した学校を卒業する前にやめてしまった場合は、以下のように書きます。 ・○○年○○大学○○学部○○学科○○専攻入学 ・○○年○○大学○○学部○○学科○○専攻留学のため中途退学 中途退学の場合、最終学歴とは認められません。とはいえ、書かなければ空白期間ができてしまうため、上記のように書くことが一般的です。中退した理由も併せて書くと良いでしょう。

内定先から卒業証明書の提出を求められたら

就職や転職が決まったとき、先方から卒業証明書の提出を求められることがあります。 卒業証明書は、卒業式で授与される卒業証書とは別物です。卒業証書は全課程を修了したことを証明する証書であり、原則として再発行はできません。卒業証書の代わりに卒業したことを証明する書類が卒業証明書です。 こちらは、申請手続きを行い既定の手数料を払えば何通でも発行できます。すぐにほしい場合は、学校内の事務所窓口に出向いて手続きすると良いでしょう。 窓口備え付けの交付申請書に必要事項を記入し、身分証明書を提示して手数料を払えば、当日中に発行してもらえます。 遠方にいるなどで卒業した学校に行くことが難しい場合は、郵送で送ってもらうことも可能です。ただし、郵送の場合は数日から1週間ほどかかります。提出日に間に合うよう、早めに申請しましょう。 郵送での申請方法は学校によって異なりますが、公式サイトから交付申請書をダウンロードして印刷し、必要事項を記入のうえ、返信用封筒を同封して送ることが一般的です。 返信用封筒は必要額の切手を貼り、自分の住所や氏名も忘れずに記入するようにしましょう。手数料の支払い方法は「必要な額の切手を同封する」「指定口座に振り込む」など、学校によってまちまちです。 学校の公式サイトに詳しく書かれていることが多いので、よく確かめておきましょう。

学歴の書き方で差を付けるコツ

学歴の書き方ひとつで、採用担当者に与える印象は変わってきます。ここでは、学歴の書き方でライバルに差を付けるコツを紹介します。 1つ目のコツは、大学の研究テーマを書くことです。大学でどのようなことを研究したのかまで記載することで、自分が習熟している専門分野を採用担当者にアピールすることができます。 ただし、研究テーマを書くのは志望している企業や仕事との関連性がある場合に限られます。仕事とまったく関係ないことを研究していた場合、記載することでかえってマイナスの印象を与える恐れもあるので気を付けましょう。 2つ目のコツは、中退や休学については補足することです。中退や休学をしたからといって一概に評価が悪くなるとはいえませんが、正式な理由があれば企業側の納得感が高まります。 経済的な事情や家族の介護など、やむを得ない事情がある場合は一言説明を加えておくとよいでしょう。 3つ目のコツは、企業へのアピールにつながるのであれば、正式な学歴に認められない学校も記載することです。

転職活動において最終学歴以外で評価される要素とは

転職活動に臨む際、最終学歴に引け目を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、学歴ばかりを気にしすぎるのもよくありません。 たしかに選考の初期段階では学歴フィルターがかかり、学歴を理由にふるい落とされてしまうこともあります。だからといって学歴のことを気にしても事情は何も変わりません。 大切なのは、自分に今できることを精一杯やるということです。また、選考が進むほど最終学歴よりも人柄やポテンシャルが重視されるようになります。企業に採用されたらどのような活動がしたいのかを熱意を持って伝えることで、採用担当者の心も動かせるはずです。 このように、転職活動では学歴に引け目を感じて縮こまるのではなく、自身の強みを積極的にアピールすることが重要です。

就職・転職活動全般に関して相談したいことがあるなら

就職や転職活動では、何をどうすべきかわかりづらく、悩むことも多いでしょう。 一人で悩んでいても、なかなか解決にはいたらないものです。誤った決断をしてしまうこともあるでしょう。悩んだときは、一人で抱え込まず、周囲に相談することも大切です。 ただし、相談する相手は慎重に選ぶ必要があります。たとえば、在学中であれば学校内にあるキャリアセンターや就職課で相談する人も多いでしょう。 しかし、キャリアセンターや就職課のスタッフは、就職活動のプロではありません。企業や就活に関する一般的な情報提供はできても、個人の状況に合わせた的確なアドバイスはあまり期待できない可能性が高いです。 そこでおすすめなのが、就活エージェントや転職エージェントの活用です。誰でも無料でキャリアについて相談でき、これまで多くの就活者や転職希望者をサポートがしてきたアドバイザーから的確なアドバイスが得られます。 応募書類の添削や面接練習をしてもらえることも多く、就活や転職を効率よく進めることが可能です。

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