庶務とはどんな仕事?事務・総務との相違点も詳しく解説

作成日:2023.03.09 更新日:2024.04.19

「庶務」というのは、どのような仕事をするのだろうと気になる人もいるのではないでしょうか。「事務」と「庶務」、あるいは「総務」と「庶務」の違いを知りたいという人もいるでしょう。 そこで、この記事では庶務の仕事がイメージできるように、庶務とは何か、総務との違い、さらには業務内容や求められるスキルについて詳しく解説します。

庶務とは一般事務のこと

庶務の仕事は「一般事務」とも呼ばれ、「事務職」の一つに数えられます。 会社の中のそれぞれの部門や課、事業所に配属され、電話対応や書類の作成・ファイリング、来客対応、さらには清掃やお茶出しなど、仕事の内容は多岐にわたります。 企業によっては、経理などを任されることもあるでしょう。庶務の仕事は会社の売り上げを直接左右する仕事ではありません。 しかし、それぞれの部門や課で社員が効率よく仕事をして成果を上げられるよう、支えていくことが仕事です。そのような意味で「縁の下の力持ち」と例えられることもあります。

庶務と総務の違いは何?

庶務と総務は似ているようですが、所属部署と仕事内容が異なります。 まず、総務は「総務部」や「総務課」に所属するのに対し、庶務の場合、「庶務課」が存在する企業や事業所もありますが、「営業部」や「企画課」など、それぞれの部門や課、あるいは事業所に所属するのが一般的です。 次に、仕事内容も大きく異なります。総務は企業や組織全体をよくするための業務を行うのが一般的です。会社全体の備品の管理や点検、福利厚生制度などの管理・調整・改善などを行います。なかには、人事の仕事を行う企業もあります。 また、社内行事の企画・運営を任されることもあるでしょう。社員が仕事をしやすくするために制度や環境を整えていくのが総務の仕事です。 それに対し、庶務は配属された部署での事務を担います。 同じ企業内でも、配属先によって担当する業務は異なります。一見、仕事内容は似ていても、指示をする上司が異なればやり方も変わってきます。 配属された部門で働く人たちがスムーズに業務できるようにサポートするのが、庶務の仕事の特徴です。

庶務の主な仕事内容とは?

庶務の業務は多岐にわたります。 ここでは、代表的な業務について解説します。なお、ここで紹介した業務以外にも配属先によっては任されることもあります。
  • 電話応対
    取引先や顧客からかかってくる電話に出るのが庶務の仕事の一つです。 電話がかかってきたら、基本的に2コール以内に受話器をとり、対応します。電話をかけてきた相手が誰なのか、部署の誰に取り次げばよいのかを正確に聞き取ります。 担当者が不在のときには、戻り次第電話をかけ直すよう手配することもあります。相手からの伝言を報告することもあります。 そのため、相手の話を随時メモに取り、相手の電話番号や名前などは復唱できるようにしておかなければなりません。 また、顧客からクレームの電話がかかってくる場合もあります。その場合、まず謝罪をして相手の話を聞き取り、必要に応じて担当者につなぎます。 電話応対の方法は、多くの部署でマニュアル化されていて、ルールも決まっています。 しかし、想定外の内容の電話がかかってくる場合もあります。また、どんなにほかの業務が忙しくても、電話がかかってきたら優先して電話に出なければなりません。臨機応変の対応が求められるといえるでしょう。
  • 書類の作成・ファイリング
    会議で使用する資料や、取引先に提出する見積書などの作成を任されることがあります。 資料の作成方法はマニュアル化されていることもありますが、そうでない場合、多くの人が見てわかるように書類をまとめなければなりません。図表を挿入するなど、見やすくする工夫が求められることもあるでしょう。 また、顧客や取引先から受け取った申込書類をパソコンに入力したり、書類の原本をファイリングしたりという作業を任されることもあります。 書類をファイリングするときには、日付や名前など順番を決めて、いつでも必要があれば取り出せるようにしなくてはなりません。書類が破損しないようにファイリングすることも大切です。
  • 備品の管理
    文房具やコピー用紙など、部署内で使用する備品の管理をするのも仕事の一つです。 コピー用紙は、なくなる前に補充しなければなりません。備品が少なくなってきたら、なくなる前に発注し、届いた備品を整理しておかなければなりません。 定期的に備品の数を数え、足りなくなっているものがないかどうかも確認します。コピー用紙のインクが切れたときや、紙がうまく出てこなくなったときには、コピー機の内部を開けて備品の交換や簡単な修復作業を行うこともあります。 社員で直せないような場合には、修理を依頼することもあるでしょう。細々とした備品の管理だけでなく、コピー機のような大きな機械を扱う機会もあります。
  • 小口現金管理
    部内の社員が営業活動で使った交通費の精算など、少額の現金の管理を任されることがあります。 出入金は随時記録し、月末など定期的に経理部門で精算するのが一般的です。企業や事業所によっては、経理全般を庶務がになうこともあります。 場合によっては、現金を持って金融機関に出向く場合もあるでしょう。
  • 来客応対
    取引先や顧客など、部署の担当者を訪ねてきた相手に応接するのも庶務の仕事です。 来客を部屋に案内し、お茶を出すこともあるでしょう。お茶を出す際のマナーについても知っておく必要があります。 また、来客があるのをわかっていれば、あらかじめ応接室や会議室の空調を確認し、部屋が寒すぎたり暑すぎたりしないようにします。大きな企業であれば、応接室や会議室の予定を抑える役割を任されることもあるでしょう。
  • 清掃
    部署や事業所の清掃も庶務の仕事の一つです。始業時間の前に、事務机の上を拭いたり、事業所に掃除機をかけたりするところもあります。 トイレ掃除やトイレの定期的な点検をすることもあります。その場合、単に掃除をするだけでなく、トイレットペーパーなどの備品を管理することも求められるでしょう。 不要になった書類をシュレッダーにかけて捨てるのを任されることもあります。シュレッダーにかけずに書類をごみに出すと、企業機密や個人情報を盗まれることにもつながりかねないため、大切な仕事です。 シュレッダーにたまった紙は定期的に取り除かないと、詰まりのもとになります。粉砕された紙は、ルールに従ってごみに出します。

庶務に求められるスキル

庶務の仕事は多岐にわたります。さまざまな仕事をこなすためにどのようなスキルが必要なのでしょうか。ここでは、庶務に求められるスキルを説明します。

臨機応変に対応する力

庶務の仕事は配属先によって変わります。同じ企業でも、部署が変わればやり方や業務内容が変わってきます。

異動すれば、前の部署でのやり方と全く違うやり方が求められることもあるでしょう。そのため、庶務には臨機応変に対応する力が求められるのです。 電話応対の項目でも説明しましたが、電話がかかってきたときや急な来客があったときには、どんなに忙しくても自分の仕事の手を止めて対応しなければなりません。 急ぎの用事を頼まれたときなども、すぐに気持ちを切り替えて仕事をこなす力が必要となるのです。

コミュニケーション力

庶務はほかの社員と会話する機会が多いです。たとえ同じ部門に所属する社員との会話であっても、相手の頼みごとを正確に聞き取り、仕事に反映させる力が求められます。

ほかの部署の人や別の担当者に仕事をお願いしないといけないことも出てくるでしょう。さまざまな人とのやりとりが多いだけに、コミュニケーション力は欠かせません。 また、電話応対や来客応対で、多くの人と会話するのも庶務の役割です。会社の第一印象を決めてしまうこともあるため、明るくハキハキとした声や笑顔は大切です。 もちろん、電話応対や来客応対に関するマナーを身につけておくことも求められるでしょう。

正確性

資料作成やファイリングなど、庶務は業務の中で数字を扱う機会が多いです。庶務の仕事は売り上げに直結するものではありませんが、数字を間違えて入力した結果、思わぬ損が出てしまうこともあります。

そのため、正確に作業する力が求められます。特に、資料を作成したときには複数人でダブルチェックを行うなど、慎重に作業することが求められるでしょう。

パソコンや機械に関する最低限の知識

資料作成や申込書類をパソコンに入力するときなど、パソコンを使用する機会が多いです。あらかじめシステムが導入されているところも多いですが、パソコン作業に抵抗がないことは大切です。

また、コピー機やプリンターがうまく作動しないときには、原因を探り、自分で直せるときには直さなければなりません。 コピー機の開け方などは、仕事を教えてもらう際に聞けますが、次第に自分自身で判断をして、直していかなければなりません。機械に抵抗がないことも大切なスキルです。

簡単な簿記の知識

庶務では、小口現金管理や備品の管理を任されることがあります。小口現金や備品は、都度記録をしておかなければなりません。

マストの資格ではありませんが、日商簿記検定2級か3級程度の知識があると、仕事がやりやすくなります。 また、転職をするときに簿記の資格を有していることを伝えると、好印象を与えられるかもしれません。なかには、具体的に「日商簿記3級程度があるとよい」などと、求人票に記載しているところもあります。

庶務が得られるやりがい

庶務の仕事を雑用のように捉える人や、誰にでもできる簡単な仕事だと考えてしまう人もいるでしょう。会社の売り上げに直結しないために大事な仕事と考えない人もいます。 しかし、庶務は企業が円滑に活動するために欠かせない仕事です。庶務がしっかり機能するからこそ、ほかの社員は営業活動など自分の仕事に集中し、専念できるのです。 「縁の下の力持ち」と言いますが、まさに力持ちで、企業をよりよくするのに貢献できるというのが庶務のやりがいの一つです。 常にではありませんが、ほかの社員から「ありがとう」と声をかけられることもあるでしょう。 誰かの役に立てていると実感できることが、庶務のやりがいにつながります。また、さまざまな立場の人と会話する中で、人脈が広がることをやりがいと感じる人もいます。 相手と接する中で、自然と任される仕事の幅が増えることもあります。そのようなときにもやりがいを感じられます。

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