実は多様な職種がある?エンジニアの種類と仕事内容をわかりやすく解説

作成日:2021.12.16 更新日:2024.02.14

近年の急速なIT技術の発展に伴って、エンジニアに対する需要は常に高い状態が続いています。ただ、エンジニアには「システムエンジニア」や「Webエンジニア」など多様な種類が存在し、それぞれ異なる役割を担っています。 仕事内容にも違いがあるため、これからエンジニアを目指すなら、詳しい違いをぜひとも知っておきたいところ。そこで今回は、エンジニアの種類と詳しい仕事内容についてわかりやすく解説します。

IT系・機械系・電気電子系エンジニアの違い

エンジニアとは技術者という意味を持つ単語で、その語源は工学を意味する英語の「エンジニアリング」です。IT全盛の現代社会においては、エンジニアというとIT系エンジニアを想起しがちですが、実は機械系や電気系、また土木や建築関連の技術者などもエンジニアと呼ばれます。 この中で、IT系エンジニアと機械系エンジニア、そして電気電子系エンジニアは、同じ技術系の専門家ですが、それぞれに求められる技術や役割、また仕事内容は大きく異なります。 たとえば、IT系エンジニアは主にシステムの開発や設計を担当する技術者です。しかし、いくら優れたシステムを作ったとしても、それを搭載する機械本体がなければシステムを活かすことができません。 その機械本体の開発や設計を請け負うのが、機械系エンジニアや電気電子系エンジニアです。つまり、ソフトを担当するのがIT系エンジニア、ハードを担当するのが機械系エンジニアや電気電子系エンジニアだということです。 一方、ハードを担当する機械系エンジニアと電気電子系エンジニアにも違いがあります。機械系エンジニアは、要するに「機械を作る人」のことです。ロボットのボディやアームを作ったり、自動車のエンジン開発、メカニクス部分の設計などを主に担当します。 一方、電気電子系エンジニアも、「機械を作る人」という部分は同じですが、エンジニアとして設計・開発するのは主に電子回路などです。ロボットでいえば、駆動用のモーターやセンサーなどの開発を主として手掛けます。 つまり、同じ機械を作る人でも、機械系エンジニアと電気電子系エンジニアでは役割に違いがあるのです。

IT技術の担い手、IT系エンジニアの種類と仕事内容

IT系エンジニアとは、主に情報関連技術の開発・設計に携わる技術者の総称です。情報関連技術の総称である「IT」分野に特化した技術者ということで、IT系エンジニアと呼ばれます。要するに、コンピュータを扱う専門的な技術者のことです。 インターネット関連の技術が目覚ましく進歩した現代社会において、情報技術や情報処理関連のシステムを開発するIT系エンジニアの力は欠かせません。IT関連の技術は分野が細分化され、同じIT系エンジニアでも多数の種類に分かれています。 主な種類は、システムエンジニア(SE)、プログラマー、ネットワークエンジニア、Webエンジニアなどです。

システムエンジニア(SE)の仕事内容

システムエンジニア(SE)は、主にシステム開発の上流工程を担当するIT系エンジニアです。

上流工程とは、情報システム開発において最初の段階を請け負うポジションのことです。クライアントとのヒアリングを通じて、システムの仕様決定や開発に携わる人員管理などを担当します。 クライアントの要望を反映しながら、開発期間や予算を勘案し、システムの土台となる部分を設計するのがシステムエンジニアの仕事です。また、開発したシステムがしっかり機能するかどうか、最終的なチェックをするのも業務に含まれます。 要するに、システム開発の責任者であり、監督者がシステムエンジニアです。

プログラマーの仕事内容

プログラマーはシステム開発の下流工程を担う役職です。SEによって設計された仕様に基づき、詳細なプログラミングをしていきます。プログラミングとは、コンピュータが命令通りに動くよう指定する作業のことです。

人に命令するときも言葉を使うように、コンピュータを指定通りに動かすためにも言葉が必要です。このコンピュータを命令通りに動かす言葉のことをプログラミング言語といいます。プログラマーは、このプログラミング言語を駆使することで、システムの主要な機能が適切に動くように仕向けるのが主な仕事です。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアとは、主にネットワーク面に特化したIT系エンジニアのことです。

主な仕事内容はシステムエンジニアと変わらず、仕様決定や基本設計などを受け持ちますが、システムエンジニアとの違いはネットワーク機器や通信環境を専門的に扱っているという部分です。 システムエンジニアが、情報関連技術全体を見通す力を持ったジェネラリストなら、ネットワークエンジニアはネットワーク機器の操作や構築スキルに特化したスペシャリストだといえます。その仕事内容も、ネットワーク機器や通信環境の設計や構築、運用・保守といった仕事が中心です。

Webエンジニアの仕事内容

Webエンジニアも、定義としてはシステムエンジニアの同類といえます。ネットワークエンジニアがWebエンジニアも、定義としてはシステムエンジニアの同類といえます。

ネットワークエンジニアがネットワーク関連技術に特化したエンジニアであるように、WebエンジニアはWebサイトやWebアプリケーションの開発・設計に特化したエンジニアです。 Webエンジニアは、Web開発に関連するほとんどの作業を担います。Webデザインのみデザイナーの仕事領域となりますが、それ以外は開発や設計はもちろん、WebサイトやWebアプリケーションの運用や更新にまで携わります。 大規模なプロジェクトに参画することの多いシステムエンジニアと違って、Webエンジニアが得意とするのはアジャイル開発です。 アジャイル開発とは、「迅速な開発」という意味で、システムの計画や実装、テストといった各工程を細分化することによって、サービスインまでの期間を短縮する開発手法のことです。 各工程を細分化する手法においては、特定の分野に強い人材が重宝されます。Webエンジニアやネットワークエンジニアといったスペシャリストは、アジャイル開発の担い手として転職市場でも高いニーズがあります。

機械の専門家!機械系エンジニアにはどんな種類がある?

自動車やロボットなどの機械を作る機械系エンジニアは、機械の設計や開発はもちろん、設置や管理業務までさまざまな仕事を担います。 メカニカルエンジニアとも呼ばれ、宇宙開発や航空機開発、家電や産業用ロボットまで、活躍する場面は多方面に広がっています。同じ機械系の技術者であっても、たとえば航空機エンジニアと自動車エンジニアでは請け負う仕事が異なることも珍しくありません。 以下、機械系エンジニアの種類と仕事内容の違いについて解説します。
  • ◯航空機エンジニアの仕事内容

    航空エンジニアは、航空機やロケットの開発・設計を担うエンジニアのことです。

    安全な航空環境を保全する航空整備士とは違い、航空エンジニアはあくまで航空機やロケットの開発に携わる人材です。航空機に使われているエンジンや翼、コンピュータ制御システムなど、多岐にわたる部品や製品を設計・開発するのが航空機エンジニアの主な仕事となります。 ただし、航空機エンジニアは一人のエンジニアがすべての工程を担当しているわけではありません。たとえば、航空機やロケット本体の設計や開発を担当する人材と、内装部分の設計・開発を担当する人材は異なります。 また、電気・電装設備関連の設計・開発を主に担う電気電子エンジニアも航空機開発には欠かせない人材です。1機の航空機は100万点にも及ぶ部品で構成されているため、それぞれの部分で専門的なエキスパートが必要とされるのです。
  • ◯自動車エンジニアの仕事内容

    自動車エンジニアとは、主に自動車開発に特化した機械系エンジニアです。もちろん、自動車を設計して開発するのが主たる仕事ではありますが、その仕事内容は多岐にわたります。

    特に近年の自動車は、AI技術や最先端科学といった最新技術を組み合わせて作られるため、自動車エンジニアには多様な知識を用いて新しい価値観を創出するような役割が求められます。 新しいコンセプトを持った自動車の企画立案や、レイアウトや空力を考慮したデザインの提案なども自動車エンジニアの仕事です。 もちろん、一人がすべての開発工程を担うわけではなく、部品ごとに開発部門が分けられている場合がほとんどです。自動車のボディを中心に設計開発する部署があれば、室内インテリアやエンジンの開発を中心に業務が進められる部署もあります。 キャリアを積めば、部署を越えて全体を統括する立場になることもあるため、単に自動車を作るだけではないところに自動車エンジニアの魅力があるといっても良いでしょう。

高まる需要!転職市場でも重宝される電気電子系エンジニアの仕事内容とは

電気電子系エンジニアとは、現代人が日常的に使っている家電製品や精密機器の開発や修理などを行う専門的な技術者です。 特にスマートフォンやタブレット端末といった電子機器が一般に普及した影響で、その開発や製造に携わる電気電子系エンジニアの需要は大きく高まっています。 精密機器に不可欠な半導体や、さまざまな電化製品に使われるモーターなども、主に電気電子系エンジニアが設計や開発を担当して作られます。
  • ◯電気電子系エンジニアの仕事内容

    電気電子系エンジニアの仕事も、大まかに分ければシステムエンジニアや自動車エンジニアなどと変わりはありません。つまり、まずは顧客の要望をヒアリングして骨子を築き、そこから開発の計画を立てて設計段階に移行していくということです。

    また、電気電子系エンジニアの仕事は、機器の設計だけにはとどまりません。設計ができたら、今度は開発の現場にも携わり、何かトラブルが発生したら現場のエンジニアと協力して解決策を模索します。 大きなプロジェクトであれば、関係するのは電気電子系エンジニアだけではなく、他分野のエンジニアとのかかわりの中で仕事が進むことになるでしょう。 したがって、電気電子系エンジニアは単なる専門的な知識だけではなく、他分野との折衝能力、すなわちコミュニケーション能力も要求される仕事なのです。電気電子系エンジニアの仕事は、そうしたプロジェクト単位で動き、短くても数日、長ければ数カ月というスケジュールの中で作業を進めていくことになります。

電気電子系エンジニアは需要が高い

電気電子系エンジニアは、主に精密機器の設計や開発に携わるエンジニアです。特にスマートフォンやタブレットなどは生活の必需品となっており、世界中で盛んな開発競争が展開されています。 その影響で、そうした精密機器を設計・開発する電気電子系エンジニアの需要も大きく高まっています。中でも、スマホはもちろんのこと、電気自動車や医療用機器にも使われるモーター開発は、電気電子系エンジニアの専門的分野です。 そのため、モーター開発の技術者は各企業から需要が高く、転職市場でも人気の職種です。もちろん、電気電子系エンジニアになるには専門的な知識や技能が必要とされ、特にアナログ回路の知識は不可欠とされます。 電気電子系エンジニアへの転職を考える際は、まずはそうした知識を身に付ける必要があるでしょう。

あなたもエンジニアになれる!戦略を立てて臨もう

エンジニアと聞くと、手に職を持った専門家というイメージを持つ人も多いでしょう。確かに、優秀なエンジニアは深い知識を持ち、技術的にも高度の能力を備えています。 しかし、だからといってそうした知識や能力がなければ、エンジニアになれないわけではありません。特に情報技術や精密機器が一般に普及した現代社会において、IT系や機械系、電気電子系のエンジニアは人材が不足しているといわれます。その分野の市場が伸びる一方で、人材の需要が追い付いていないのです。 もちろん、IT関連の技術者になるのに、プログラミング言語を何も知らないというのでは、いくら人材不足に陥っている企業でも採用を見送ってしまうかもしれません。 しかし、業務未経験であっても、事前の準備次第では企業の目に留まる人材になることも十分に可能です。プログラミング言語は独学でも学ぶことができますし、スクールやセミナーに通って知識を身に付ける手もあるでしょう。 また、機械系エンジニアになりたいなら、技術士などの資格があると転職活動で有利に働きます。既に関連する知識を身に付けているなら、フリーランスエンジニアという道もあるでしょう。 いずれにしても、エンジニアに対する高い需要は、就職や転職を考えている人間にとっては追い風になるといえます。 本気でエンジニアを目指すなら、しっかりした戦略を立てて就職活動や転職活動に臨みましょう。そうすることで、新しい道が開けてくるはずです。

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