車載機器や家電製品に使用されるコイルの開発・製造・販売を手がけるサガミエレク株式会社様。同社では、その事業の特性から終身雇用を前提とし、長期的なキャリア形成が図れる若年層を中心に採用しています。採用活動では複数の人材紹介サービスを活用しており、マイナビジョブ20’sは24年からご利用いただいています。同社の採用方針やマイナビジョブ20’sを利用した感想などについて、総務部長の鈴木様、同じく総務部の木津様にお話を伺いました。
サガミエレク事業モデルと採用方針について
腰を落ち着けて働ける環境を整備し、長いスパンで社員を育成
サガミエレクの事業内容について教えてください。
鈴木氏: 当社は1946年創業のコイル専業メーカーです。ラジオ用コイルの製造からスタートし、時代の流れに応じて家電製品や自動車などへ事業領域を拡大してきました。現在では電気自動車、AI、IoT、産業用ロボットといった次世代技術分野にもコイルを提供し、幅広い分野のものづくりに貢献しています。 近年は車載機器向けコイルの比重が高まっていますが、もともとラジオ用コイルから始まったこともあって音響機器も得意分野です。ハイエンドなコンポや高級車のサウンドシステムなどに当社のコイルが使われています。
事業上の特徴・強みはどんなところにありますか。
鈴木氏: グローバルな体制を築いている点は大きな強みです。研究開発から製造、販売まで一貫して行なっていますが、日本、中国、インドネシア、シンガポールに拠点を置いています。ISO9001やIATF16949といった認証を取得し、各拠点でグローバル基準の品質管理体制を確立しており、品質とコスト競争力を両立させた事業運営が可能です。カスタム設計や小ロット・短納期にも柔軟に対応できる生産体制となっており、国内外のお客様から高い評価をいただいています。
貴社では終身雇用を前提とした採用をされています。
鈴木氏: 全職種で長期の雇用を前提としています。というのも、当社が手がけるコイルはニッチで専門性の高い技術領域です。即戦力となる人材の中途採用は容易ではありませんし、必要となる知識・スキルの習得にも時間を要します。長く活躍していただける人材を迎え、時間をかけて育成していくことが必要です。 また、当社はお客様の研究開発段階から一緒にものづくりをしており、開発した製品が実用化されるまでには、家電製品で半年~1年、車載機器では2~5年という長い時間を要します。メインの開発担当になるまでにも時間がかかりますし、自分の仕事の成果を見届け、そのやりがいを実感するには腰を据えて取り組んでもらう必要があるのです。
実際に3年定着率は83.1%、平均勤続年数は15.3年と、高い定着率を維持されています。その要因はどういったところにあるのでしょう。
鈴木氏: マラソンではきつい上り坂など、さまざまな困難を乗り越えてゴールを目指します。仕事も同じで、結婚や出産、育児、介護、傷病など、思うように働けない時期が誰にでも訪れるものです。そんなときに一人ひとりに寄り添ってあげられる温かい風土が当社にはあり、それが高い定着率につながっているのかな、と。「困った時はお互いさま」という助け合いの精神のもと、周囲のサポートを受けながら安心して働き続けることができます。
木津氏: 例えば、産休育休については過去に4回取得した社員もおり、男性社員の育休取得も増えてきています。私自身も2度の産休育休を経て復職し、現在は短時間勤務制度を活用中です。短時間勤務制度は介護や病気の治療のために活用している社員もいます。そのほか、在宅勤務や時差出勤、時間単位で取得できる有休など、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける制度があります。残業に関しても月あたり1時間未満となっていて、ワークライフバランスの取れた働き方ができる環境です。
若年層を採用し、さまざまな研修で継続的に成長をサポート
採用活動ではどのような人材をターゲットにしていますか。
木津氏: 長期の雇用を前提としていますので、基本的に若手人材が対象です。技術職には理工系の知識を活かし、ものづくりへの情熱を持って新製品の開発に挑戦していける方、営業職には高いコミュニケーション力を持ってお客様の課題解決に取り組める方、事務職には周囲への配慮を持ちながら会社全体の運営を支えていける方を求めています。いずれの職種でも誠実さや責任感、協調性、柔軟性といった資質を重視しています。
若手人材を時間をかけて育てるとのことですが、具体的にどのような教育・研修を行なっているのでしょうか。
木津氏: 新入社員は最初に社内の基本的なルールや制度についてのオリエンテーションを受け、続けて各部門の業務内容について説明を受けます。その後は外部講師による座学研修でビジネスマナーや基本的な業務スキルについて学び、社会人としての基礎力を養います。配属後は各部署でのOJTにて知識やスキルを身につけてもらうかたちです。技術職の場合には、さらに約1ヶ月間の技術研修を実施しているほか、入社1年後にも海外工場で1ヶ月間の研修を受けてもらっています。 これら以外に定期的な勉強会で実践的なスキルの習得や技術継承を行なっているほか、中堅社員やベテラン社員に対してもそれぞれのキャリアに応じた研修を実施しており、継続的に成長していける環境です。
マイナビジョブ20'sの導入背景と効果
利用開始約1年で7職種7名の採用に成功
マイナビジョブ20'の導入前は、若手の採用を進める上でどのような採用手法を活用していましたか。
鈴木氏: マイナビジョブ20'の導入以前から複数の人材紹介会社を活用しています。若手人材の採用においては自社だけで母集団を形成することが難しく、人材紹介会社のネットワークを頼りに候補者を探すかたちでした。しかし、紹介してもらえる候補者の数が少なく、紹介してもらった候補者も当社が求める人物像に合致していないなど、紹介数やマッチングの精度に難があり、採用活動に多くの時間と労力を費やさざるをえない状況が続いていました。
マイナビジョブ20'sを導入しようと思われた理由について教えてください。
鈴木氏: コロナ禍には当社も一時的に採用活動を抑制していたのですが、その間にも事業は着実に拡大を続け、複数の部署から人材拡充の要望が寄せられるようになっていました。とくに今後の成長を担う若手人材の確保は急務であり、技術職・営業職・事務職のいずれにおいても、計画的かつ安定的な採用が求められていました。そんなときに声をかけてくれたのが、マイナビジョブ20'sの担当者の方です。当社がターゲットとしている第二新卒層に特化したサービスということで、活用してみることにしました。
使い始めてからこれまでにどのような成果が出ていますか。
鈴木氏: 24年の5月から活用していますが、現在(25年9月)までに7名を採用できています。これは当社にとって近年にない成果です。7名とも異なる職種で採用しており、法人営業、海外営業、営業事務、ISO事務(ISO9001・ISO14001・IATF16949認証取得後の維持管理などに携わる事務職)、開発、生産技術、品質管理の7職種です。複数の部署で若手人材を採用することができ、人手不足で業務量が増えていた各部署において業務負荷の低減が図れています。
実際にマイナビジョブ20’sを利用してみて、どのような点が良いと感じられましたか。
鈴木氏: 以前の採用手法では紹介数とマッチング精度に課題を感じていましたが、マイナビジョブ20’sではそこが解消されました。1名の枠に2~3名の候補者を紹介してもらっていますし、面接時にミスマッチを感じるようなこともありません。当社の社風や採用方針をしっかりと伝え、候補者に十分納得してもらったうえで紹介してくれていると感じており、1名の枠しかないところに2名採用したくなるほどです。 また、担当者の方の熱意と誠実さが印象的です。当社を担当してくれているのは現在2年目の方で、最初にお声がけいただいたときは入社1ヶ月ほどのときでした。当初は業界や職種についての知識が十分ではありませんでしたが、それを補って余りあるほどに当社のことや求める人物像について真剣に耳を傾け、疑問点を一つずつ確認しながら理解を深めていました。そのような姿勢を見て、「安心して任せられる」と確信しましたね。採用成果そのものに満足しているのはもちろんのこと、信頼できるパートナーと一緒に採用活動を進められているという安心感も非常に大きな価値だと感じています。
事業内容や職種の特性を深く理解してくれているパートナー
マイナビジョブ20's経由で採用された方は、入社後、期待通りに活躍されていますか。
木津氏: マイナビジョブ20’s経由で入った社員はいずれも入社前に当社の社風や仕事内容をしっかり理解していたこともあり、スムーズに業務へ適応しています。ミスマッチによる早期離職などは発生していません。所属部署の管理者に印象を聞いてみたところ、それぞれコミュニケーション力や語学力、高い学習意欲などを発揮して着実に成長しているようです。なかには新卒採用の会社説明会で先輩社員代表として登壇してもらっている方もいます。本人たちも楽しく働けているようで、当社にぴったりの方たちを紹介していただけたと感じています。
複数の採用チャネルのなかで、マイナビジョブ20'sはどのような位置付けになっていますか。
鈴木氏: 若手の採用におけるメインの採用チャネルとなっています。当社では総務部が人事を兼務していて専任の採用担当者を置いていません。そのため、当社だけで十分な量と質の採用を行なっていくのは困難です。私たちだけで各職種の優秀な人材を確保しようとすれば、一人採用するのにもかなりの時間がかかってしまうでしょう。 人材紹介サービスの活用において私たちが最も重視しているのは、登録者の多さではなく、「当社の会社概要や社風、そして各職種の特性を正しく理解したうえで、長期的に活躍できる人材をご紹介いただけるかどうか」という点です。マイナビジョブ20'sの担当者はそこに対して非常に熱心に取り組んでくれています。結果として、マッチング精度の低い候補者の検討に時間を割くことなく、従来よりも効率的に採用活動を進められるようになりました。組織の成長を支えるパートナーとして、今後も引き続きお付き合いしていきたいと考えています。