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「取り急ぎ」とは?意味や類語、失礼にならない使い方まで
- 2020年10月30日
- 2020年10月30日
この記事では「取り急ぎ」の意味や正しい使い方、注意すべき点について説明していきます。言い換え表現や例文も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「取り急ぎ」とは?
「取る」は何かを選び出すといった意味合い、「急ぎ」は目的のために早く動くという意味が含まれています。「取り急ぎ」は、「とりあえず急いで」という意味を表しています。本来は手紙が届くのに時間がかかるため、ひとまず連絡しておきます、という意味で使われてきました。そのため、詳しい内容は後から出す次の手紙で伝えることになっていたのです。
「取り急ぎ」には「急なアクシデントのため十分な対応ができない」というニュアンスがあります。現代のビジネスシーンでは、通常は手紙ではなくメールでのやり取りがほとんどです。メールを送信すればすぐに相手に届くので、取り急ぎの意味も微妙に変化してきているといえるでしょう。そのため、十分な説明もなしにメールを送ってきたという点が、丁寧な内容ではないと取られてしまうこともあります。
また、ビジネスメールの「取り急ぎ」は、多くは文末に「取り急ぎ失礼します」といった使い方をします。締めくくりの言葉として使い、文のはじめに使うことはあまりありません。
文末に「取り急ぎ」を使うといっても、いきなり最後に1文だけを記載するとあまり丁寧な印象にはなりません。多くのビジネスメールでは、要件のあとに「詳細につきましては追ってご連絡させて頂きます」「どうぞよろしくお願いいたします」などと続けることで、良い印象を与えるように配慮しています。
ビジネスメールで「取り急ぎ」を使うと、嫌な印象を持つ人とそうでない人がいます。そのため、使用するときには相手についてよく知り、立場や考え方などを総合的に判断しなければいけません。
正しい使い方
そもそも、「取り急ぎ」とは、結論ではなくあくまでも経過報告に過ぎない意味を持つ言葉です。ですから、取り急ぎを使ってしまった場合はそのままにせず、後から詳しい内容を必ず送るようにします。メールを送った相手も、緊急の連絡を受けた後には詳しい返信が来ると思い、待っているはずです。
「取り急ぎ」は至急のレスポンスが必要なシーンでのみ使うようにしましょう。緊急の連絡に使うのは問題ないのですが、今一度「本当に必要なのか」を考えてから使うようにします。その場合は必要な要件のみを入れて、ほかの連絡事項は入れないことも大切です。
本当に緊急なのであれば、多くの情報が入っているのは不自然にとられてしまいます。「取り急ぎ」を使う場合にほかの要件も入れるなら、改めて別に連絡することを伝えておきましょう。
「取り急ぎ~まで」とする短いメールだけを送るよりは「取り急ぎのご連絡にて失礼致します」と入れるほうが丁寧で、ビジネスメールでもよく使われています。いったん要点だけを送ります、という意味になるので、すぐに詳しい内容をメールすれば失礼ではありません。
しかし、上司など目上の人に対して使うときは、敬語を使ってより丁寧にすることを心がける必要があります。「取り急ぎ」を安易に使わず、ほかの表現がないかを確認してから適切に使う方法もおすすめです。そして、速やかに続きの情報をメールで送れば好感度の高いメールになります。
注意点
お礼やお詫びのメールにはなるべく使わない
返信までの期間が空いてしまったメールの返信には使わない
「取り急ぎご報告まで。」などと省略しない
とはいえ、「取り急ぎ~まで」という表現は、上司などに対し礼儀の欠いた印象を与えるため、言い換えたほうがベターです。「取り急ぎ」には類義語がいくつかあるので、知っておくと失礼にならないメールを作成できるでしょう。
◆◆◆
緊急の要件がある場合は、丁寧な言葉を使い「取り急ぎ」を使ってもいいのですが、普段から多用するのは避けたいものです。なぜなら、本当に急を要する内容を相手に伝えたいときに「いつものこと」と捉えられてしまう可能性もあるからです。通常とは異なるニュアンスが伝わる「取り急ぎ」を上手に使うことで、相手にも緊急であることが伝わりやすいでしょう。
言い換え表現と例文
ほかにも「末筆ながら」という言葉などは文末に使うものとして大変丁寧な表現です。ただし、「取り急ぎ」とは違い、急いでいるニュアンスは伝わりにくい表現です。「第一に」なども「何よりも重要」という意味になりますが、急を要する表現にはなりません。
ここでは「取り急ぎ」に近い言い換え表現について、それぞれの使い方や例文を紹介していきます。また、英語で「取り急ぎ」と同じような意味を表す例文も紹介しますので、外国人とのビジネスメールを作成する際の参考にしてください。
まずは
「まずは」は、「最初に」「とりあえず」といった意味の類義語です。「取り急ぎ」よりも急を要する度合いが低くなり、より口語的な印象になります。「取り急ぎ」と同様に、文末を略さないと丁寧に感じられる言い換えなので気持ちが伝わりやすくなるでしょう。この場合もメールの続きを速やかに送ることが大切です。
【例文】
・まずはご報告のみで失礼致します。
・まずは書面にて失礼いたします。
・まずは御礼申し上げます。
一旦
「一旦」も、「まずは」のように「取り急ぎ」よりも口語的になる類義語です。「とりあえず」にすると、「一旦」より砕けた印象になるため、ビジネスメールでは「一旦」のほうがいいでしょう。
【例文】
・一旦書類のみ送付致します。
・一旦ご報告申し上げます。
略儀ながら
「略儀」は、本来行う正式なものよりも省略したやり方のことをいい、「ながら」は「ではあるが」という意味です。そのため「略儀ながら」は「省略したやり方ですが」ということになります。「取り急ぎ」と比べると、急いでいるというよりも「簡単にした」ニュアンスのほうが強くなります。
たとえば、本来であれば会ってお礼を言うべきところを、メールや手紙などの書面で伝える場合に使います。今後会わない相手に対しても使う言葉です。急を要する場合は「略儀ながら」よりも「取り急ぎ」を使うほうがよいでしょう。
【例文】
・略儀ながら書面にて御礼のみを申し上げます。
・略儀ながら書面にてご挨拶申し上げます。
~のみで
急を要する必要な情報だけを伝えたい場合は「~のみで」を使うといいでしょう。ただし、後日の連絡がいつになるのかについても追記するとより丁寧になります。
【例文】
・まずは日時のみで失礼致します。
・要件のみで恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い致します。
英語での表現
「取り急ぎ」を英語で表現する場合には、直訳は難しいのでニュアンスが伝わるような例文を知っておくといいでしょう。英語で「取り急ぎ」は「Just a quick note」と表現されます。また、「in reply to your letter.」と続けると丁寧です。ほかにも「I just want to~」という表現もあります。
同じ英語でも国やエリアごとで表現方法に違いがあるうえに、人によっては異なる表現方法を用いる場合もあります。そのため、ひとつの例文だけではなく相手によって臨機応変に表現を変えることも大切です。
たとえば、「This is a quick note to tell you~.」「I'm writing to let you know~.」は「取り急ぎ~をお伝えします」という意味になります。同じような意味になるように言い換えをする場合は、以下のような表現もできます。
【例文】
・I will let you know when I have more information.
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