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会社設立の資本金とは
- 2022年01月18日
- 2022年01月18日
そのため、事前に資本金額設定時の注意点について確認しておくとよいでしょう。この記事では、資本金とは何かという基本的な解説や、金額の大小によるメリット・デメリットについて紹介します。
資本金ってそもそも何だろう
そのため、金額が大きければ資金繰りが楽になり、金融機関から借入れをする必要がなくなり財務上の余力がある会社だといえます。使うために存在するお金なので、事業運営の経費として使い切ってしまっても法律に反することはありません。
金額に法律的な制約はないため、極端に言えば1円からでも設立が可能です。ただし、金額は法人の登記簿謄本に記載されるため、他人からも見られます。
そのため、あまりに少額を設定してしまうと、企業としての信用度に影響してしまうリスクがあるため、金額の設定は重要です。 資金が不十分な場合、金融機関から資金を借入れることもあるかもしれません。
しかし、この借入金は資本金として計算することができません。なぜなら、借入金には返済義務が発生するからです。含まれるのは、自己資金や出資金といった返済義務のないもののみです。
事業開始までに集めた資金は、平成18年に施行された法令によって、設立後すぐにでも引き出して使用することができるようになりました。ただし、登記が完了してからというのが前提です。
登記前に使用してしまうと、法的に問題になるケースがあるため注意が必要です。運営に関することであれば、基本的に何に対して使っても問題ありませんが、事務所の賃貸料や光熱費、在庫の仕入れ費、宣伝費など会社設立の準備に使うことが多いです。
さらに、事業が軌道に乗るまで3~6カ月分の運転資金として使用することも少なくありません。事業をスタートしてすぐにスムーズに進んでいくとは限りません。
知名度や信用度が不安定な状態のため、売り上げが安定しない、得意先がつかないといったことも珍しくないでしょう。この期間にかかるであろう経費を細かい部分まで踏まえたうえで設定している企業も多いです。
資本金額から読み取れること
なぜなら、高額なほど事業規模が大きく経営が安定しているため、取引が安心だという印象を与えやすいからです。資本金は、株式を発行することで投資家から調達します。
実績のある企業であれば金融機関からの借り入れも可能ですが、事業を立ち上げたばかりだと難しく、未上場企業の多くはこの方法でお金を集めています。そのため、未上場企業でも高額を概要欄に記載している企業も少なくないのです。
上場企業の場合は、調達先の株主名や企業名も公開しているため、関係の深い企業を読み取ることもできます。 ただし、気を付けたいのは金額だけでその企業の長期的な安定性や将来性を判断することができないという点です。
資本金は、企業を設立した当初の規模であり、業績ではないからです。そのため、高額であっても新規事業を失敗して大きな損失を抱えていたり、反対に少額であっても大きな利益をあげて業績が伸びていたりといったケースもあります。
企業を見極めるには、どこから利益をあげているか、ビジネスモデルは何で今後もそれが通用するのか、経常利益や売上、負債額といった視点からも検討することが重要です。
資本金額の大小によるメリット・デメリットは?
資本額が多いことによるメリット
金額に比例して信用力が高まるといっても過言ではありません。初めての取引先の場合、資本額や決算書、登記簿謄本などによって相手企業の信用度を確認する与信という手続きを行います。
そのため、資本額が多いほど企業の資金力があり信用度が高いと判断されるのです。さらに、取引先のみならず金融機関からの信用度も高まります。
金融機関からの信用度が高まれば、融資の基準がクリアできるようになり、融資が受けやすくなるのです。その結果、余裕をもった事業経営をしたり、新たに事業展開をしたりといったことができるようになり、より一層の経営安定が期待できます。
ただし、この効果が続くのは設立当初のみです。事業が始まると、その後の信用力は利益や売上、負債額などから判断されるようになります。
また、人材採用の後押しというメリットも挙げられます。生産年齢人口が減少していることもあり、資本額の少ない企業は採用難になりやすい傾向です。
資本額を基準に、企業を選択している転職者や就活生も少なくありません。そのため、資本額が多いと人材採用を後押しすることにつながるのです。
資本額が多いことによるデメリット
起業する際には、法務局に登録免許税を収める必要があります。登録免許税は、15万円と資本額の0.7%もしくは6万円と資本額の0.7%を比較して小さい額です。
そのため、資本額が約2140万円以上もしくは約860万円以上になると、登録免許税が高くなってしまいます。さらに、法人税にも関わってきます。資本額が1億円以上であれば、中小法人に対する軽減税率が適用されなくなるのです。
起業から1期目と2期目であれば、資本額が1000万円未満の場合、消費税の納税義務免除の対象となるケースがあります。つまり、資本額が1000万円以上であれば、最初から消費税を納税しなくてはいけないのです。
さらに、資本額が5億円以上となれば中小企業の優遇措置が適用されなくなり、組織ぐるみで不祥事を起こさないよう経営を監視するコーポレートガバナンスに関わる制約も課せられます。
資本額が少ないことによるメリット
1500万円を出資した場合、一部を資本準備金に組み入れることで資本額を1000万円未満にするなど工夫することができます。資本額が3000万円以下で青色申告であれば、特定中小企業者等に区分されるため、中小企業投資促進税の控除対象です。
対象資産の購入金額の7%を免除してもらえ、リース資産も対象となります。機械装置は160万円以上、ソフトウェアは70万円以上、事務機器は120万円以上が対象です。 資本額が1億円以下であれば、中小法人か中小企業者等に区分され、それぞれが税制上の優遇を受けています。
中小法人であれば、年800万円以下の所得金額に対する軽減税率が適用されます。基本的に所得金額の23.2%が法人税率ですが、所得金額のうち、年800万円以下の部分は19%の税率が適用されるのです。
さらに、交際費等のうち年800万円までは全額経費で落とすことも可能です。そのほか、留保金課税の対象外、貸倒引当金の繰り入れ、外形標準課税の対象外といった優遇が受けられます。
中小法人のうち、青色申告をしている中小事業者等は青色申告欠損金の全額控除となります。年度の赤字額を、次年度以降10年間にわたり最大各年度の所得金額の50%が控除されるのが一般的です。
しかし、中小事業者等は赤字額を全額控除できるため、税金対策がしやすいというメリットもあります。さらに、赤字だった年度の確定申告において、過去に納付した法人税の全額もしくは一部の還付を受けることもできます。
そのほか、30万円未満の固定資産を全額経費で落としたり、対象資産の購入金額の30%を経費として追加計上したりすることが可能です。
資本額が少ないことによるデメリット
増資をするには、払い込み先として法人口座を開設しなくてはなりません。しかし、資本額が少ないとその法人口座を作れないのです。その結果、手詰まりとなってしまう可能性があります。
また、資本額を最低限に設定していると、売上金回収までのタイムラグやキャッシュフローの悪化によって利益が出ていても黒字倒産してしまうケースもあります。
さらに、宣伝や営業、広告によって売り上げを効率よくアップさせたくても、そこにかける資金がないためにできず、結果、ビジネスの効率が下がってしまうということも考えられるでしょう。
これらのことから、ある程度余裕をもった金額を設定しておくと安心です。
資本金は増やしたり減らしたりできる
業種によっては職業紹介事業は500万円以上、第1種旅行業は3000万円以上といったように、特定商工業者の登録基準や許認可の取得条件として最低金額が決まっているケースもあります。
このような一般的な金額をもとに設定しても、その後金額を増やしたり減らしたりすることができるのです。
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金額を増やす方法
金額を増やすためには、さらに株を発行し、第三者や株主から出資を受ける必要があり、大きく3つの方法から選択できます。
「公募増資」は、新たに株式を発行し、一般投資家に出資をお願いする方法です。株式が分散し株主層が拡大することで、株式市場での流通向上効果が期待できます。
「株主割当増資」は、全体の利益から税金を支払った金額を資本金に割当てる方法です。ただし、黒字の企業に限ります。
既存株主に割当てることで、買取の可能性が高まったり、株主の持ち分に応じて割当てることで株主公開可決や株主の不満を避けたりといった効果が期待できます。
「現物出資」は、車や土地、機械などお金以外のモノを出資する方法です。500万円の土地を出資してもらい、売却すればその金額を上乗せすることができます。
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金額を減らす方法
金額を減らすには、基本的に株主総会で減少する金額などについて決議をしなくてはなりません。
「有償減資」によって、一時的に株主へ財産の払い戻しをするか「無償減資」によって企業の財産は減らさずに帳簿上で手続きを踏むことで、減資が可能です。
どちらの場合も、欠損填補や税金対策、企業の規模拡大防止といった理由から行われます。
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