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譴責処分は転職に影響してしまう?

勤務先で「譴責(けんせき)処分」という言葉を聞いたことがある人はいませんか。一般的に、この言葉を聞く機会はめったにありませんが、会社に勤めている以上は他人事ではありません。

本記事では、「譴責処分」とはどのような処分を指すのか、この処分を受けたあとに転職を考えた場合、影響が出てしまうのかなどについて解説します。

譴責処分とは懲戒処分の一つ

譴責(けんせき)とは、懲戒処分の一つで「悪い行いを戒めて責める」という意味があります。

簡単にいえば、始末書を提出することです。自分が行ったことを反省し、同じ間違いを繰り返さないために始末書を書いて提出します。

懲戒処分のなかでは、比較的軽い処分のため、譴責処分になったからといって減給されたり、解雇になったりすることはありません。

ただし、会社に懲戒処分の記録は残されてしまうため、キャリアアップを望んでいる場合は難しくなる可能性があります。

譴責は就業規則に記載がある事柄について処分できる

譴責は、就業規則に記載されている場合に限って行えるものです。もし、就業規則に記載されていない場合は処分を行えず、その場合、懲戒処分ではなく厳重注意のように口頭や書面で厳しく注意を受けることになります。

譴責処分で始末書の提出をしなかった場合

譴責処分を受けた際に始末書の提出を命令され、それに従わなかった場合は会社が本人に強制することはできません。また、始末書の不提出を理由として、さらに重い懲戒処分にすることも不可能です。

そういった命令は「二重処罰」となり、日本憲法第39条における「一事不再理の原則」違反となってしまいます。

始末書の提出を強制はできませんが、その代わりに顛末書・報告書を提出するように命じられる可能性もゼロとはいえません。なぜなら、顛末書や報告書の提出は、業務命令として命じることができるからです。

譴責処分が下されるまでの流れ

まずは、自社の就業規則の確認が行われ、対象の従業員の言動が譴責処分に該当するかをチェックします。次に、処分対象となる証拠を具体的に確認しなければなりません。

なぜなら、具体的な証拠がなければ譴責処分にしたとしても、裁判などで無効にされてしまう可能性があるからです。証拠が見つかった場合は、対象の従業員に弁明の場が設けられ、会社側で処分をするかどうかの最終的な話し合いが行われます。

処分決定後は、対象の従業員に対して通知書が交付されるのが一般的な流れです。

社内で公表される可能性がある

企業によっても異なりますが、懲戒処分を受けたことが社内で公表される可能性があります。

ただし、譴責処分を受けたことを社内公示されたことが名誉棄損にあたるとして従業員が訴えれば、損害賠償命令をされるケースもあるため、必ず決まりに従ったうえで行わなければなりません。

懲戒処分は大きく分けて6種類

懲戒処分には、さまざまなものがあり、軽いものから重いものまであります。ここでは、主な6つの懲戒処分について確認していきましょう。

  • 訓告・訓戒・戒告
    譴責と同程度のレベルにあるのが、訓告や訓戒です。

    こちらの2種類は、ほぼ同じで「戒め告げる」「教え告げる」といった意味があります。戒告は、譴責と同じものです。法律上では、譴責のことを戒告と呼んでいます。

    懲戒処分のなかでも最も軽いのが訓告・訓戒・戒告(譴責)の処分です。企業によって呼び方が異なるだけで、訓告や訓戒は書類上で厳重注意をされます。
  • 減給
    一般的には、訓告や訓戒の次に重い処分が減給です。期間を決めて、処分対象者の給料を減らすことを指します。

    減給処分の金額は、法律で決められており1回の問題行動につき1回の減給処分、1回の減給処分は1日分の給料の半分程度までが上限です。

    例えば、月給30万円の従業員ならば単純計算で1日の給料が1万円となるため、その半分となる5,000円が減給できる上限となります。
  • 出勤停止・停職
    期間を決めて出勤しないようにと命じ、出勤停止期間中は無給とする処分です。

    減給処分よりも重い処分方法になります。なぜなら、減給は1回の問題行動につき1回のみですが、出勤停止の場合、期間中は一切収入がありません。

    例えば、20日間の出勤停止処分であれば20日分の給料が入ってこないため、その月の収入が大きく減ってしまいます。

    出勤停止処分の上限は、法律上決められていないため、各企業の就業規則で決められていることが多い傾向です。企業によっては、出勤停止処分を停職と呼ぶことがあります。
  • 降格
    問題行動によって役職を下げる処分です。努力して得たそれまでのキャリアを失う結果になってしまいます。降格されると、収入として入っていた役職手当がつかなくなるため、出勤停止よりも収入面でのダメージが大きいでしょう。

    期間限定となる出勤停止処分に対し、降格による役職手当の喪失は、再び元の役職になることができなければ得られません。
  • 諭旨解雇(論旨免職)
    諭旨解雇は、退職届を出すようにと勧告したうえで本人から退職を申し出た形になる処分です。

    そのため、事実上のクビとなる懲戒解雇よりも1つ軽い処分と考えてもよいでしょう。会社と本人が話し合い、納得したうえで自己退職をします。

    あくまでも自己退職となるため、多くの企業では退職金の全額あるいは全額に近い金額を支払うケースが多い傾向です。
  • 懲戒解雇(懲戒免職)
    懲戒解雇は、懲戒処分のなかで最も重い処分で、本人希望ではなく会社側から解雇を言いわたされるものです。

    いわゆる「クビ」が懲戒解雇になり、一般的に退職金が全額もしくは全額に近い金額が支払われません。(就業規則による)

会社から譴責処分を言いわたされる例

譴責処分になる理由は、多岐にわたります。通常は、就業規則のなかで懲戒処分になる理由について記載されているため、必ず確認をしておきましょう。以降では、譴責処分になる理由の一部を紹介します。

正当な理由なく業務命令に従わなかった

業務に必要として会社側からさまざまな命令が下されることは少なくありません。しかし、その命令に正当な理由もなく従わず、悪質と判断された場合は、譴責処分になることがあります。

社内で暴力沙汰を起こした

社内でケンカをするなど暴力沙汰を起こした場合も譴責処分となります。例えば、殴り合いなどの行為を社内で起こすのは、業務を一時的に止めてしまうケースもあるため、迷惑行為です。

また、もしそのときに取引先の社員などがいれば、会社の評判が落ちる可能性もあるでしょう。

正当な理由がない勤怠不良

勤怠不良とは、勤務しなければならない日に遅刻や早退、欠勤、私用外出などが繰り返されている状態を指します。理由がある場合でも、会社側としてはスムーズな業務の進行に関わるため、困ってしまう行為です。

そのため、正当な理由がなく勤怠不良を起こしているのは、ただの「さぼり」とみなされ、処分理由になります。

経歴詐称をして採用された

企業は、採用をする際に本人の経歴も参考にしています。内容によっては、相当の能力を期待して採用をするため、経歴詐称は会社側にとって損失を与えられたことと同じです。

職場環境を著しく悪くした

パワハラやセクハラなども含めて、職場でほかの従業員を極めて不快にする言動があった場合、譴責処分となることもあります。

従業員は、職場環境が良ければ快適に仕事を進めやすいですが、職場環境の悪化がストレスや体調不良につながるケースは多い傾向です。そのため、処分理由となります。

譴責処分では会社にも守るべきルールがある

従業員に譴責処分を下す際、会社側もいくつかのルールを守らなくてはなりません。

まず挙げられるルールが「罪刑法定主義の原則」です。これは、譴責処分の内容やその対象となる事由について、あらかじめ就業規則で規定していなければ処分はできないというものです。

次に「相当性の原則」というルールもあり、軽い違反行為に対して重い処分を下すことはできません。

「二重処分禁止の原則」では、1つの事由について2回以上の処分を行うことが禁止されています。「適正手続の法則」は、譴責処分は就業規則の定めに従って適正な手続きで行わなければならないというルールです。

その他、譴責処分の開示についてもルールが定められています。ルールの内容は、処分対象者の氏名は開示しない、公表は社内に留める、客観的事実のみを記載するといったものです。

これらのルールが守られなかった場合、企業の開示行為が名誉棄損に当たるとして、当該社員への賠償を命じられる場合があります。

譴責処分を受けたときの注意点

勤め先から譴責処分を受けたときは、一度冷静になり、適切な対処を心がけることが重要です。

まず、軽い処分に対しても弁明をするようにしてください。譴責処分に際しては適正手続の法則が適用され、当該社員には企業の主張に対する弁明の機会が与えられます。

弁明の内容に合理性があり、企業側の主張が不当だと判断された場合、譴責処分が取り消される可能性もあるでしょう。

続いて、処分に客観的な根拠がなければ反対することも大切です。企業が社員に懲戒処分を下す際は、具体的な証拠を用意したうえで、合理的な理由を添えてなぜその処分が必要なのかを説明しなくてはなりません。

企業側の主張が客観的でない、根拠がないと感じられたときは、しっかりと反論することで自分の身を守りましょう。

最後に、社内公示でプライバシーが守られているかどうかを確かめてください。譴責処分の社内公示で氏名が公表されていた場合、訴訟を起こせば名誉棄損が認められる可能性があります。

譴責処分を受けると昇給やボーナスに影響がある?

譴責処分は、懲戒処分のなかでも比較的軽い部類とはいえ、会社から処分の必要があると判断されたのは間違いありません。

そのため、「昇給やボーナスにも影響が出るのでは?」と不安になる人もいるのではないでしょうか。実際に、譴責処分が昇給やボーナスにまで影響するかは、会社によって異なります。

ただ、問題行為があったと考えられるため、本人に対する評価は処分前より下がってしまうことは避けられないでしょう。就業規則に懲戒処分による昇給・ボーナスの項目がある場合は、停止になる可能性もあります。

会社には人事権がある

会社は、雇用した従業員に対して業務内容や配転・出向、昇進・降格などを命令できる権利を持っています。これを人事権といい、この権利によって昇給やボーナスの支給を停止することも可能です。

ただし、昇給やボーナスの停止といっても処分内容に見合ったものにしなければなりません。処分内容に沿っていない場合は、「権利の濫用」という判断になり、停止処分が無効になるケースもあります。

実際、会社から譴責処分をされた従業員が処分を不服として裁判を起こし、無効になった事例もありました。

退職金への影響

譴責処分を受けても、退職金に直接的な影響はありません。譴責処分は、あくまでも同じ間違いを繰り返さないための処分で、「退職金を支給しない」というのは処分内容にそぐわない命令です。

ただ、間接的に退職金が処分前より減る可能性はあります。なぜなら、一般的に退職金は在職時の地位と給与、勤続年数を軸に計算されるからです。

譴責処分によって評価が下がって昇進や昇給に影響が出れば、結果的に退職金の金額にも影響が出てしまいます。

譴責処分で転職しにくくなるのか

なかには、「譴責処分を受けたことが転職をする際に影響するのではないか」と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。転職で履歴書を作成する際は、譴責処分について記載する必要はありません。

また、自分から面接時に伝えることも不要です。ほかにも、以下のような点は押さえておきましょう。

  • 処分が理由で退職した場合は「会社都合による退職」と記載
    譴責処分を受けて勤務先での出世が難しくなったと考え、転職をする人もいます。その場合、履歴書に記載する退職理由は「会社都合により退職」とするケースが多い傾向です。

    ただ、自己都合・会社都合いずれの場合でも、面接時に退職理由を質問されることは多いため、正直に話しておくほうが無難です。会社側は、前職での勤務状況・評価なども参考にして雇用します。

    そのため、譴責処分を受けた事実を故意に言わなかった場合、経歴詐称と判断されて採用後に懲戒処分される可能性もゼロとはいえません。
  • 同業他社への転職では、うわさで前職での処分が知られてしまうケースも
    同業他社へ転職をする際は、うわさで処分内容が知られてしまうケースもあるため、注意しましょう。

    特に、横のつながりが強い業種の場合は、従業員や顧客に関する情報がうわさや、情報として筒抜けになる可能性があります。

    そのため、従業員同士のうわさ話から譴責処分を受けたことが発覚してしまうケースも考慮しておきましょう。

譴責処分後のキャリア戦略を考えよう

譴責処分は、懲戒処分の中では比較的軽い処分の一つです。処分を下すにあたって会社側にも守るべきルールがあり、例えば就業規則に記載がない内容については処分できません。

譴責処分を受けたときは、手続きが適正かどうかなどを確かめ、問題がある場合は忘れずに反論しましょう。

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