ビジネスに役立つ時候の挨拶と結び文

作成日:2023.03.09 更新日:2024.02.14

社会人になると、ビジネス文書を書く機会は増えます。取引先やクライアントへの文書には形式的な表現が多く使われますが、文頭や文末に季節に合わせた時候の挨拶を入れると相手への気遣いや礼節を示すことができ、好印象を得られやすくなります。 しかし、それぞれの季節に合った適切な表現を使いこなすのは難しいでしょう。この記事では、すぐに使える各月の例文つきで、ビジネス文書向けの時候の挨拶・結び文をご紹介します。

時候の挨拶(季節の挨拶)とは?

時候の挨拶とは、手紙の文頭や結び文に使う、季節を取り入れた表現を指します。 時候の挨拶は大きく2種類に分けられ、1~12月の各月で使い分けるものと、通年使うことのできる「時下」があります。請求書の添え状等、毎月送る事務的な書状であれば「時下」を利用しても構いません。 ただし、礼状や詫び状、挨拶メールなど気持ちを伝える内容であれば各月ごとの時候の挨拶を用いましょう。暑さや寒さが厳しい時期の時候の挨拶には、相手の健康を気遣う意味合いもあります。 そのため、読み手にとっては好感度が高い文章になる上、礼儀正しさや誠実さもアピールできるでしょう。 同じ月であっても時候の挨拶にはいくつかバリエーションがあるので、送り先に合わせて選びましょう。ビジネス文書でよく見かけるのは、「新春の候」などの少し堅めで格調の高いイメージがあるものです。 一方、個人の顧客に送る文章であれば、「厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」などのような少し柔らかい表現が向いています。

時候の挨拶の基本の書き方

挨拶状は構成が決まっており、「前文」「主文」「末文」「後付」という流れで書くのが基本です。 前文は「拝啓」などの頭語から始まり、続いて時候の挨拶、相手の健康を気遣う言葉という内容になります。 主文は本文のことで、挨拶状を送った理由、特に話題にしたいことについて書きます。ちなみに、主文は「このたびは」「さて」などのおこし言葉から書き出すのが一般的なマナーです。 末文は、相手の健康や発展を祈る言葉、そして「敬具」などの結語で構成されます。なお、頭語と結語には正しい組み合わせがあり、好きな言葉を使っていいわけではないので注意しましょう。後付に書くのは、日付と宛名、そして差出人名です。 メールの場合、手紙とは違って宛名を最初に入れます。構成自体は基本的に同じなので、前文から始まる流れを踏襲して書けばよいでしょう。 また、カジュアルな挨拶では頭語と結語を省略することができます。頭語と結語を付けることで、必要以上に堅苦しい印象を与えてしまう恐れがあるので注意しましょう。

ビジネスシーンにおける挨拶状のタイミング

ビジネスシーンでは、挨拶状を送るタイミングにも気を付ける必要があります。 例えば、暑中見舞いなら梅雨明けから8月初旬まで、残暑見舞いなら立秋頃から8月末までに届くように出すのがマナーです。また、お祝いやお詫びなどの挨拶状であれば当日中に出すようにしましょう。 挨拶状は届くのが早くても遅くてもよくありません。届くのが早すぎると送ったこと自体を忘れられてしまうリスクがあり、反対に遅すぎると失礼に当たるためです。挨拶状を送るときは、定められた期間内に届くように十分配慮しなくてはなりません。 その他、イベントへの招待であれば開催日の1週間前までに、事務所の移転であれば1カ月前までに、転勤であれば異動の1週間前までに届くように出すとよいでしょう。

すぐに使える時候の挨拶の例文【各月ごと】

ここでは、1月から12月まで、各月ごとに使える時候の挨拶を書き出し文・結び文の例文つきでご紹介します。
  • ◯1月の時候の挨拶

    1月は年が明け、おめでたい雰囲気に満ちた季節です。新年を祝う表現や、寒い気候の中で健康をねぎらう文章を用いましょう。

    書き出し文 新春の候/初春の候/寒冷の候/厳冬の候 よいお年をお迎えになったことと存じます。 松の内のにぎわいも過ぎましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 新春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 新年早々、お忙しい日々をお過ごしかと存じます。 結び文 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。 寒さの厳しい折、ご自愛ください。 幸多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

    ◯2月の時候の挨拶

    2月は寒さが厳しくなる時期ですが、「春の訪れが近い」などポジティブなフレーズを使うと好印象です。

    書き出し文 立春の候/晩冬の候/雪解の候/梅花の候 立春とは名ばかりで厳しい寒さが続いておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 余寒厳しい毎日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。 梅のつぼみもそろそろほころび始め、春の訪れが近いことを感じます。 春の訪れが待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。 結び文 まだまだ寒い日が続きますが、くれぐれもご自愛ください。 日脚は伸びても、寒さは厳しい今日この頃。くれぐれもお身体を大切になさってください。

    ◯3月の時候の挨拶

    本格的に冬から春へ移り変わる3月は、春に関する表現を取り入れるのがおすすめです。

    書き出し文 春分の候/早春の候/春色の候/弥生の候 寒さのなかにも、春の気配を感じる頃となりました。 花の便りも聞かれるようになりましたが、変わらずお過ごしでしょうか。 桜前線が待ち遠しいこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。 旅立ちの春を迎え、お忙しい日々をお過ごしかと存じます。 結び文 新年度前のお忙しい時期かと存じますが、引き続き何卒よろしくお願い致します。 季節の変わり目ですので、くれぐれもお身体にお気を付けください。

    ◯4月の時候の挨拶

    入社、人事異動が多い4月は、挨拶メールが頻繁に行きかう時期です。桜の開花など、本格的な春を感じさせる表現を用いましょう。

    書き出し文 桜花の候/麗春の候/陽春の候/春日の候 ようやく春めいてまいりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 春の日差しが暖かいこの頃、いかがお過ごしでしょうか。 桜の便りが次々聞かれるようになりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。 春風に誘われて、外出の機会も多くなりました。 結び文 新年度を迎え、お忙しい日々が続くかとは存じますが、どうぞお身体ご自愛下さい。 季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。

    ◯5月の時候の挨拶

    5月は初夏を感じさせる季節です。爽やかな気候や、植物の成長などを表現に取り入れましょう。

    書き出し文 青葉の候/立夏の候/残春の候/初夏の候 すがすがしい青空が気持ち良い季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。 風薫るさわやかな季節となりました。 青葉が美しいこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 穏やかで過ごしやすい季節となりましたが、皆様お変わりありませんか。 結び文 寒暖の差が激しい時節柄、くれぐれもご自愛ください。 季節の変わり目ですので、くれぐれもお身体お気を付けください。

    ◯6月の時候の挨拶

    梅雨時の6月は気候に悩まされる方も多いので、相手の健康をねぎらう表現を入れてみてはいかがでしょうか。

    書き出し文 入梅の候/梅雨の候/長雨の候/初夏の候 長雨で肌寒さを感じる日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。 雨の日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃となりました。 雨に濡れた紫陽花が美しい季節となりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。 結び文 梅雨明けまで今しばらくの辛抱です。くれぐれもご自愛ください。 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、お体に気を付けてお過ごしください。

    ◯7月の時候の挨拶

    7月は本格的に夏が始まる季節です。梅雨明けや夏本番を迎えることを取り入れた表現を使いましょう。

    書き出し文 梅雨明けの候/盛夏の候/酷暑の候/大暑の候 梅雨が明け、夏本番も迫ってまいりました。 蝉の声に夏を感じるこの頃、お変わりなくお過ごしでしょうか。 厳しい暑さが続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。 例年にない猛暑が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 結び文 しばらくは厳しい暑さが続きますが、くれぐれもご自愛ください。 暑い日が続きますが、お身体に気を付けてお過ごしください。

    ◯8月の時候の挨拶

    最も暑さが際立つ8月は、相手の体調が酷暑で崩れていないかとねぎらう表現を入れると好印象です。

    書き出し文 残暑の候/納涼の候/暮夏の候/晩夏の候 残暑が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 連日暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか。 暑さもひと段落したこの頃となりました。皆様お元気にお過ごしでしょうか。 夏休みはいかがお過ごしでしたか。 結び文 暑い日々が続きますが、くれぐれもご自愛ください。 猛暑厳しき折、お身体を大切にお過ごしください。

    ◯9月の時候の挨拶

    暑さは続くものの、徐々に秋の気配も感じる9月。時候の挨拶では秋の訪れを表現しましょう。

    書き出し文 初秋の候/秋分の候/秋晴の候/秋冷の候 爽やかな秋風を感じる頃となりました。 厳しかった夏の日差しも、秋風とともに和らいできました。お変わりなくお過ごしでしょうか。 コスモスが美しい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 秋らしく過ごしやすい季節となってまいりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。 結び文: 季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。 朝夕の冷え込みが厳しくなってまいりましたので、くれぐれもお身体にはお気を付けください。

    ◯10月の時候の挨拶

    10月は秋が本格的に訪れます。色づいた紅葉など、秋に関する表現を用いましょう。

    書き出し文 仲秋の候/秋冷の候/紅葉の候/初霜の候 秋の訪れを感じる季節となりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。 木々の葉もすっかり赤く染まってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 秋が日増しに深まってまいりましたが、お元気でお過ごしのことと思います。 秋の深まりを感じる季節となりました。 結び文 秋が深まりゆく季節、お身体にお気を付けてお過ごしください。 朝夕の冷え込みがますます激しくなりますので、お風邪など召されぬようご自愛ください。

    ◯11月の時候の挨拶

    11月は秋から冬へと移り変わる時期です。寒さも厳しくなるため、相手の健康をねぎらう文章を取り入れましょう。

    書き出し文 紅葉の候/晩秋の候/初冬の候/氷雨の候 冬の兆しを感じる季節になりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 過ぎ行く秋を感じる時期となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。 落ち葉散りゆく季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。 日増しに寒さが増してきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 結び文 冬の寒さが迫ってきておりますので、くれぐれもご自愛ください。 朝夕の冷え込みが厳しくなりました。どうか体調を崩さないようにお気を付けください。

    ◯12月の時候の挨拶

    本格的な冬が訪れ、「師走」の名の通り忙しなさを感じさせる12月。この年にお世話になったという感謝の気持ちや、相手がよい新年を迎えられるよう祈る言葉を使うのがおすすめです。

    書き出し文 師走の候/霜寒の候/歳末の候/歳晩の候 早いものでもう師走となりました。忙しい日々をお送りのことと存じます。 何かと気ぜわしい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 本年も残すところあとわずかとなりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。 寒さが肌にしみる頃、お変わりございませんでしょうか。 結び文 寒さが徐々に厳しくなりますが、くれぐれもお風邪を召されませんようご自愛ください。 本年も大変お世話になりました。新年もどうぞよいお年をお迎えくださいませ。

時候の挨拶をビジネス文書で使いこなそう

時候の挨拶をビジネス文書に取り入れると、礼儀正しさや相手への気遣いを示せるため、取引先や顧客に好印象を残せます。 この記事で紹介した時候の挨拶を、ぜひメールや手紙の書き出し・結び文に入れてみてください。どの挨拶を使おうか迷った場合は、相手との関係性を考慮して決めましょう。 例えば、取引先企業にフォーマルなメールを送る際は「○○の候」などのような堅めの表現が一般的に使われます。一方、立場の近い上司や個人の顧客に送る際は口語調の砕けた表現を用いてもよいでしょう。 コミュニケーションを円滑にし、よりよい関係を築いていくために、時候の挨拶を使いこなせるビジネスパーソンを目指しましょう。

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