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懲戒免職とは? 転職や退職金への影響や懲戒処分について解説

公務員の不祥事に関するニュースなどで耳にする「懲戒免職」という言葉。
「クビになることだ」と理解していても、具体的な処分の内容や、懲戒免職になることで再就職やその後の生活にどのような影響があるのかを理解している人は少ないのではないでしょうか。

この記事では、懲戒免職をテーマに、その他の処分や、転職、退職金への影響について説明していきます。

公務員に対する最も重い処分「懲戒免職」

「懲戒免職」とは、国家公務員法や地方公務員法で定められた、公務員に対する懲罰のこと。民間の「懲戒解雇」と同じ処分を意味します。

公務員が罪を犯した場合などに懲戒処分として強制解雇することで、公務員への処分として最も重いものです。国民に対して公務員としての信用を欠くような行為があり、公務執行に著しく支障をきたしたと判断された場合に処分が下されます。

懲戒免職に相当するケース

懲戒免職に相当するケースについては、人事院が指針を出しており、「一般服務関係」「公金官物取扱い関係」「公務外非行関係」「飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係」について具体的な例が挙げられているので、見ていきましょう。

一般服務関係
一般服務関係では、「正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合」や「国家公務員法に反し、違法な職員団体活動を行った場合」「職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合」「悪質なセクハラ、パワハラを行った場合」などが対象です。

公金官物取扱い関係
公金官物取扱い関係では、公金、または官物の横領、窃取、詐取について、免職することを明示しています。

公務外非行関係
犯罪行為を行うと基本的に懲戒免職となりますが、公務外非行関係の項目では具体的に、放火、殺人、横領、窃盗・強盗、詐欺・恐喝、麻薬・覚醒剤等の所持、18歳未満の者に対する淫行が免職の対象になるとしています。

飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係
飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係では、「飲酒運転をした場合」や「飲酒の有無にかかわらず交通事故を起こして人を死亡させたり、重篤な傷害を負わせた場合」が免職の対象です。

懲戒免職となった地方公務員

平成31年4月1日~令和2年3月31日の期間に懲戒免職となった地方公務員は、合計494人で、そのうち最も多いのが公務外非行関係が162人、次に多いのが一般服務違反等関係の136人です。

これらの罪を犯した公務員がすべて免職になるわけではなく、処分の決定にあたっては、関与の程度や動機、社会に与える影響などを加味して判断されます。もちろん、具体例として挙げられていないケースでも、懲戒免職になる可能性はあります。

公務員に対する4つの懲戒処分とは

公務員に対する懲戒処分には4つの種類があります。処分の重い順に、「免職」「停職」「減給」「戒告」です。国家公務員法や地方公務員法に違反した場合や、職務上の義務に違反したり、職務を怠ったりした場合や、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合に下されます。

停職とは、1日以上1年以下の期間で行われるもので、職務に従事することができず、給与は支払われません。
減給は、1年以下の期間で行われ、俸給の月額の5分の1以下に相当する額を給与から減じます。
戒告は、本人の責任を確認し、本人の将来を戒める旨の申し渡しを行う処分です。

懲戒免職と同様に、その他の懲戒処分についても、人事院が指針を出しています。例えば、正当な理由のない21日以上の欠勤は免職または停職の対象ですが、11日以上20日以内であれば、停職または減給、10日以内であれば減給または戒告というように、期間によって処分内容に差があるのが特徴です。

この指針をもとに、行為の動機や様態、社会に与える影響などを総合的に考慮して処分が決定されます。 処分を決定するのは任命権者で、例えば地方公務員の場合は地方公共団体の長がそれにあたります。

懲戒処分を受けたことは原則として公表されるほか、処分の種類に応じて昇給や昇格、期末・勤勉手当、昇任、退職手当などで不利益な影響を受けるとされています。

平成31年4月1日~令和2年3月31日の期間に懲戒停職となったのは829人、減給となったのは1354人、戒告となったのは1567人です。懲戒処分の内容で分類すると、一般服務違反等関係についての処分が最も多く、1903人となっています。

懲戒免職になった後の転職への影響

懲戒免職となり公務員の職を失うと、その後の転職活動にどのような影響があるのでしょうか。公務員の転職には、公務員から公務員への転職と、公務員から民間企業への転職が考えられます。

転職の際には、懲戒免職の処分を受けたことがどのように影響するかと同時に、スキルや経験が次の職場で通用するかという視点からも考える必要があるでしょう。

懲戒免職の影響

懲戒免職処分を受けた日から2年間、国家公務員は国家公務員の職に、地方公務員は同じ地方公共団体の地方公務員の職に就くことができないと国家公務員法、地方公務員法で定められています。偽って転職活動を行い、採用されたとしても、違反していたことが発覚すれば、さかのぼって採用を取り消されるので注意が必要です。

懲戒免職を受けて2年以内に公務員に転職したいと考えるなら、元国家公務員の場合は地方公務員などに、元地方公務員の場合は、他の地方公共団体や国家公務員に転職する選択肢があります。懲戒免職となって2年間を経過すれば、元の職位に再就職することも、制度上は可能です。

公務員は、条件を満たして採用試験に合格すれば転職することができます。しかし、懲戒免職になったことは原則として公表されるため、調べれば誰でも、懲戒免職になった人の氏名や処分となった理由について知ることができます。

また、前職の退職理由には事実を書く義務があるため、採用担当者の目をごまかすことは不可能でしょう。懲戒免職になったことが公務員としてふさわしくないと判断されれば、公務員に転職することは難しくなります。

公務員から民間企業へ転職する場合は、応募に際して期間の定めなどはありません。しかし、懲戒免職により前職を失ったことが分かれば希望の職に就くことは難しいでしょう。

元々、公務員は民間企業に必要なスピード感やチャレンジ精神に乏しいと思われることが多く、民間企業への転職には壁があるといわれています。

民間企業では、転職者に専門的なスキルや経験を求める傾向にありますが、公務員は数年おきにさまざまな部署で働くことが多く、専門性を高めるのにも不向きです。懲戒免職によるマイナスの評価を覆して民間企業に転職するには、高い専門性が求められるでしょう。

懲戒免職以外の場合

懲戒免職以外の、停職、減給、戒告処分を受けて自主的に退職した場合、再び公務員の職位に転職するために期間の定めはありません。懲戒処分は原則的に公表されますが、処分の程度が低いものは公表されなかったり、目立たなかったりするため、採用担当者に知られないケースもあるでしょう。

しかし、履歴書の賞罰の欄には、懲戒処分を受けたことを明記しなければならないため、結果的には知られることになります。ちなみに、面接時に自ら申告する必要はありません。

懲戒免職以外の場合、転職活動に影響するかどうかは処罰の内容や程度、理由などにもよるでしょう。

懲戒免職になったら退職金はもらえる?

懲戒免職になった場合、退職金の全部または一部が支給されない場合があることは「国家公務員退職手当法」によって定められています。

退職後であっても、在職期間中の非違行為が発覚し、それが懲戒免職等処分相当の行為であると認められた場合や、非違行為が原因で退職後に禁錮以上の刑に処せられた場合は、退職金の返納を求めることが可能です。

該当する元職員が死亡している場合は、相続人や遺族に返納を求めることができます。なお、地方公務員の退職金に関する規定は、国家公務員退職手当法に準じて、各地方公共団体の条例で定められています。

公務員の退職金は、通常、基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)に調整額を足したもので計算されますが、懲戒免職による退職理由は「自己都合」として算出されます。

地方公務員の場合、勤続年数1年の人に対する退職手当の支給率は自己都合が0.6カ月、定年・勧奨(早期退職募集)が1カ月、整理退職(リストラ)が1.5カ月です。自己都合による退職者は支給割合が低く定められていることが分かります。

一方で、退職金の減額や不支給が決まった場合でも、失業手当相当額を退職金として受け取れる場合があります。公務員は雇用保険に加入できず、失業手当を受け取れないためです。

退職金の額が、雇用保険法の失業給付相当額に満たない場合で、かつ、退職後に一定の期間、求職活動をしている場合は、差額分を求職者の退職金として受給できます。

懲戒免職になる前に依願退職した場合

退職金を受け取るために、懲戒免職の処分が下される前に、自ら依願退職する方法もあります。依願退職が認められると、退職手当が支給されますが、刑事手続きが始まっている場合などは依願退職が認められないことが多いです。

また、仮に依願退職が認められたとしても、退職後に禁固以上の刑に処せられた場合などは退職手当の返納が求められます。

懲戒免職処分に納得できない場合

懲戒免職処分に納得できない場合、行政処分、もしくは、著しく不利益な処分についてのみ、異議申し立てを行うことができます。国家公務員の場合、審査請求を行う先は人事院、地方公務員の場合は、人事委員会か公平委員会です。

審査請求書の提出期限は、原則として処分説明書を受領した日の翌日から3カ月以内で、処分説明書を受領しなかった場合は1年以内と定められています。この期間を過ぎると申し立てをすることができなくなるので注意しましょう。

審査請求を行ったものの結果が覆らず、不満がある場合は、処分の取り消しを求めて裁判所に訴訟を起こすことも可能です。異議申し立てが認められ、懲戒免職処分が撤回されれば退職金を受け取ることができます。

懲戒免職による影響はその後の人生設計にも大きく影響

懲戒免職は、公務員に対する4つの懲戒処分の中で最も重いものです。

一旦、懲戒免職の処分を下されてしまうと職を失うだけでなく、退職金の満額支給が望めないほか、退職後の転職活動に支障をきたし、その後の人生に大きな影響を与えます。

懲戒免職処分に納得できない場合は、定められた期間内に異議申し立てを行い、処分の取り消しを求めましょう。

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