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フルフレックスを詳しく解説!メリットとデメリットを押さえておこう
- 2022年03月24日
- 2022年03月24日
ただし、メリットだけでなく、デメリットも理解しておかなければなりません。それらの知識を得られるように、本記事ではフルフレックスについて詳しく紹介していきます。
フルフレックスはどのような制度?
1カ月のように1日より長いスパンを清算期間と定め、それを基本単位として総労働時間を設定しておくのが一般的です。通常のフレックスタイム制度と違ってコアタイムが存在しません。
コアタイムとは就業規則によって勤務が義務付けられている時間帯を指します。会議のように複数の従業員が参加する業務もあるので、それらを滞りなく実施できるようにすることが目的です。
10~12時のように短いですが、少なくともその時間帯だけは有給休暇を取得する従業員などを除き、全員が出社している状態になります。
なお、コアタイム以外の時間帯はフレキシブルタイムと呼ばれています。フレキシブルタイムが短すぎると、定時勤務制度と大差がなくなり、フレックスタイム制度とは認められません。
逆にコアタイムがまったく存在しないことにより、従業員は勤務時間の設定に関して、完全に自由な裁量を持てるというわけです。なお、フレックスタイム制度が導入され始めたのは、労働基準法が1988年に改正されたタイミングです。
なかなか浸透しない状況が続いていましたが、働き方改革の推進やテレワークの採用によって導入する企業が増えてきました。すでに導入していた企業が、より働きやすくするためにコアタイムを撤廃するケースも少なくありません。
この変化にはIT技術の進歩も大いに関係しています。クラウド型など高性能な勤怠管理システムの登場により、従業員の就業状況を企業側が容易に把握できるようになりました。
出退勤を正確に記録できますし、労働時間の過不足も自動的に判定できるため、各自に裁量を与えやすくなっています。
さらに、リモート会議システムの一般化により、同じ時間帯に全員がオフィスに集まる必要性も低くなりました。そのため、コアタイムがなくても業務に支障が出ていない企業も多いです。
勤務時間の例をチェックすることも大事!
勤務時間の例を知っていると、自分がどのように働けば良いのかイメージしやすくなるでしょう。総労働時間の算出は1日単位の標準労働時間がベースになります。
それに所定労働日数を乗じた値にすることが一般的です。1日あたり8時間を標準労働時間と定めている企業の場合、清算期間が1カ月で所定労働日数が20日なら、その間に必要な総労働時間は160時間になります。
このケースでは月末が終わる時点で、少なくとも160時間の勤務実績が不可欠です。それを下回ってしまうと、欠勤があったという扱いになるので注意しなければなりません。
その分だけ基本給から引かれますし、人事評価もマイナスになってしまうリスクがあります。したがって、日頃から帳尻を合わせる意識を持って働くことが大事です。
「今日は家の雑用が多いので10時から16時まで働こう」と決めて実行した場合、1日単位の標準労働時間は不足した状態になります。それを補うため、「明日はプライベートの予定がないので9時から19時まで頑張ろう」というように、標準労働時間よりも長めに働く日を設けます。
あくまでも上記は一例であり、人によって勤務時間を調整する方法はさまざまです。たとえば、1週間というスパンで帳尻を合わせている人もいます。
月曜日から木曜日は9時から16時30分というように勤務時間を少しだけ短くして、金曜日は8時から18時というように長めに働くといった具合です。
もちろん、常に標準労働時間分だけ勤務することも可能ですし、月の前半と後半という区切りで調整するようなケースもあります。いずれにせよ、企業が定めている清算期間において、トータルで不足がない状態にしなければなりません。
フルフレックスタイム制度ならではのメリットとは
交通機関の混雑を回避
通勤ラッシュに遭遇しなくて良いことは大きなメリットです。定時勤務制度の場合、交通機関の混雑状況に関係なく、出社しなければなりません。
その結果、職場に到着するまでに疲れてしまい、仕事でパフォーマンスを発揮しにくい場合もあります。自由なタイミングで出社できるという特徴により、このようなリスクの回避が容易です。
電車やバスがすいている時間帯を狙えば、座って読書やネットサーフィンなどを楽しみながら職場に向うことも可能になります。帰宅ラッシュについても同様であり、混雑のピークを避けて退社すれば疲労が増すことを防げるでしょう。
また、いずれに関しても、人身事故などによる交通機関の乱れにも対応しやすくなります。
柔軟な体調管理
働き方を体のコンディションに合わせやすくなります。
たとえば、不調でも有給休暇をすぐ申請するのではなく、しばらく様子を見てから判断しても大丈夫です。回復したので3時間だけ出社するというように、状況に応じて働けるようになります。
また、本日中に仕上げたい業務がある場合、翌日は昼前まで寝ることを前提として、夜遅くまで仕事を頑張るという選択なども可能です。
このように柔軟な体調管理を行えますし、プロジェクトや納期の遅れを防ぐことにもつながります。別の業界から転職してきた未経験者などは、仕事に慣れようと必死になるあまり、体調を崩すことも珍しくありません。
そのような事態を予防しやすいことも魅力的なメリットです。
プライベートの用事への対応
金融機関や公共施設などを使いやすいこともメリットの一つです。それらは平日の日中しか営業していないことも多いですが、勤務時間の調整によって気兼ねなく利用できるようになります。
銀行で口座開設の手続きをしてから出社したり、早めに退社して役所に書類を出したりすることも可能です。用事を済ませたい時間帯にコアタイムが重なることもないので、予定を自由に組みやすくなっています。
定時勤務制度の場合、簡単な用事しかなくても仕事を休まざるを得ないケースが少なくありません。その必要性がなく、効率的に有給休暇を使えるため、プライベートを充実させやすいこともポイントです。
仕事のモチベーション向上
自分の勤務時間に対する意識が強くなることで、仕事と生活にメリハリを付けられます。
規定の総労働時間を効率的に使いたいと考え、あまりオーバーさせずに働こうとする意欲が芽生えやすいです。家族や恋人、友人などと過ごせる時間が増えて、ワークライフバランスが良くなり、仕事のモチベーションが上がることを期待できます。
また、だらだらと職場に残り続ける従業員が減るため、企業は無駄な残業代を削減できるのです。これらの結果、組織全体の利益がアップして、基本給や福利厚生などの待遇が良くなることを見込めます。
そうなると、仕事への熱意がさらに増すという好循環が生じやすいです。
フルフレックスタイム制度のデメリットも把握しよう
どのようなデメリットがあるのか知ったうえで、対策を考えることも必要になります。以下に挙げるのは直面しやすい事柄なので気を付けましょう。
意思疎通が不便
制度に慣れていない場合に起こりやすい問題として、コミュニケーションを取りづらくなることが挙げられます。
各自の勤務時間の傾向が分からないと、情報を共有することに苦労しがちです。うまくタイミングを合わせられず、何日も連続で顔を合わさないような事態も起こりかねません。
そのリスクを見越してオンラインチャットなどの連絡用ツールを企業が用意しても、従業員が使いこなせるようになるには時間がかかります。
したがって、この働き方に順応できない従業員が多い部署では、不完全な形で制度が運用されることも多いです。コアタイムは存在しませんが、チームごとに当面は勤務時間を合わせるような対策も必要になります。
勤務制度の相違
たいていの企業では、雇用形態の異なる従業員が入り混じって働いています。
そして、雇用形態によって適用される勤務制度が異なることも少なくありません。派遣社員は派遣元の規定に従うなど、正社員以外は定時勤務制度であることもよくあります。
それゆえ、自分とは違う勤務制度の従業員と一緒に仕事を進める場合、そちらにタイミングを合わせて出社せざるを得ないこともあるのです。
この現象は、少数の正社員が多くの派遣社員などを率いている場合に起こりやすくなります。
実質的に定時勤務制度と変わらない働き方になるため、それを防ぐには正社員同士でフォローし合うなどの工夫も必要です。
対外的な苦労
自社の勤務制度は、取引先の営業時間とは関係がありません。そのため、取引先が連絡してきたときに、担当者がいないという事態も起こりやすいです。
それが何度も続くと、軽視されているような不信感を与えかねません。今後のビジネスに影響が生じるため、早期に対策を講じておくことが重要になります。
たとえば、一般的な定時勤務制度の時間帯に不在であることが多くなるなら、当面の出社予定を事前に伝えておくことも一つの手です。
また、電話やメールを携帯電話に転送する設定をしたり、他の従業員に対応を頼んだりするという方法もあります。
このように、取引先との信頼関係を壊さないように配慮しなければなりません。
偏りのない知識を身につけて転職に挑戦!
柔軟に働けるといったメリットがあることは事実ですが、そちらにばかり目を向けるのは良くありません。転職先として検討するなら具体的なデメリットについて把握しておくことも重要です。
十分な知識を付けたうえで、自分の働き方にマッチする企業を選ぶように努めましょう。それらの知識は、入社後に仕事をうまく進めたいときにも役立ちます。
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