外資系企業に憧れを抱いている人もいるでしょう。外資系企業は、日本企業より高年収・実力主義などというイメージを持たれがちです。しかし、外資系企業の特徴を的確に把握していないと、転職後にミスマッチを感じるかもしれません。
ここでは転職を検討中の人に向けて、外資系企業の特徴・メリットなどを紹介します。外資系企業が向いている人の特徴、転職方法についても確認しましょう。
外資系企業とは
経済産業省の「
第53回外資系企業動向調査」によると、外資系企業とは個人または法人の外国投資家が、資本の3分の1を所有する企業と定義されています。外資系企業は、大きく3つのタイプに分かれます。
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- 海外企業の日本法人タイプ
- 多くの人がイメージする外資系企業は、このパターンではないでしょうか。日本に進出する前から知名度が高く、一般の人でも知っている企業が多いです。また、海外から他国に進出している点から、資本力があると考えられます。ここで紹介する3つのタイプのなかでは、最も海外らしさを感じ取れるでしょう。
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- 海外企業と日本企業の共同出資タイプ
- 海外企業の出資割合が高い場合に、外資系企業と呼ばれる傾向にあります。なお、出資割合に明確な線引きはありません。
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- 海外の企業に買収された日本企業
- 経営難の企業などは買収される可能性があるでしょう。技術や商品などが魅力的な場合、赤字経営でもリターンが見込めるためです。たとえば、シャープが買収されたことを覚えている人は多いのではないでしょうか。シャープは液晶テレビなどの電化製品業界で有名で、技術力に定評のある日本企業です。液晶技術などを評価され、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に2016年に買収されました。
このように、外資系企業といっても企業風土はさまざまです。いざ働いてみると、日本企業とほぼ変わらない環境である可能性もあります。業界や職種も大切ですが、企業風土も意識しつつ転職先を選びましょう。
外資系企業の特徴
外資系企業は、日本企業とどういった点が異なるのでしょうか。転職後にミスマッチを感じないように、外資系企業の特徴を把握しましょう。
外資系企業と聞くと、高報酬をイメージする人は多いでしょう。年収・給与水準が高いのは、日本企業と報酬に関する仕組みが異なるためです。まず、外資系企業には退職金がないことに注目してみましょう。日本では、入社から退職するまでひとつの企業に勤めあげるという人が少なくありません。退職時には、勤務年数や役職に応じた退職金を支払う企業がほとんどです。
一方、外資系企業では終身雇用の文化はなく、退職金が用意されている企業は滅多にないのです。退職後の生活を支えるお金は、自分で準備するべきというのが外資系企業の考え方と言えるでしょう。外資系企業では高い報酬を得る代わりに、いくらかを貯蓄・資産運用に回す人が多いです。
また「給与が高いのは成果がともなっている人に限る」という点にも注意しましょう。
すぐれた仕事ぶりを見せれば多くの報酬を得られますが、ポジションに見合わないと判断されれば高収入は見込めません。むしろ、目標を達成できないことで給与カットされる可能性が高いです。
日本企業では、特定の部門やチームが高収入という場合もありますが、外資系企業では個人のパフォーマンスが重視されます。高い収入を得るためには、それなりの結果が求められます。
外資系企業のほとんどは成果主義です。
成果主義とは、勤続年数や年齢にこだわらず、働きに見合った報酬を支払うという仕組みを指します。日本の年功序列制度やチームで協力する体制に慣れていると、成果主義に面食らう人もいるでしょう。外資系企業では、権威あるポストにつけたからといって安心はできません。成果が乏しければ、厳しい査定が待っています。
このように、過酷な印象を与える成果主義ですが、実力がある人にとってはチャンスでもあります。特に、若い人にとってはモチベーションが高まる仕組みではないでしょうか。年功序列という考え方にとらわれず、実績を評価されやすく高収入を得られるためです。
日本企業では、転職が多くなるにつれ再就職が不利になる場合があります。
一方、外資系企業では、転職ありきで働くのが一般的です。キャリアに整合性が見られれば、転職回数はそれほど重視されないでしょう。転職が多い理由は、キャリア形成のためです。外資系企業では即戦力の人材が求められ、新入社員研修のような社員を育てるシステムはありません。
また、日本の企業のようにジョブローテーションのシステムがないところがほとんどです。長く同じ企業・ポジションで仕事をしていても成長が見込めないでしょう。したがって、新たな経験を積みたければ、働く場所を自分で変えていく必要があります。キャリアを積むにつれて年収が増え、重要なポジションを任されるようになるでしょう。
外資系企業に向いている人の特徴
外資系企業に転職するメリットとして、実力しだいで高収入が得られる、計画的にキャリア形成できるといった点が挙げられるでしょう。しかし、すべての人に外資系企業が向いているとは言えません。外資系企業への適性を、3つのポイントからチェックしてみましょう。
英語が必要不可欠な訳ではありませんが、できるに越したことはないでしょう。日本企業より外国人の比率が高く、取引先が海外ということも珍しくはないためです。上司が外国人であれば、指示が英語という場合もあります。ある程度英語ができないと、スムーズなやり取りは難しいでしょう。また、会議やプレゼンテーションに英語を求められることも。したがって、ビジネスレベルの英語を使いこなせる人は、重宝される傾向にあります。
外資系に興味があるものの英語力に不安がある人は、仕事内容を選ぶとよいでしょう。たとえば、接客業の場合は日本人を相手にすることが多いと考えられます。ビジネスレベルの英語ができなくても、日常レベルの会話ができれば務まる可能性があります。もちろん、外資系でキャリアアップしたいなら、語学力をないがしろにしてはいけません。仕事をしながらスキルアップに励みましょう。
日本企業では、上司に忖度して自分の意見を言わない人もいます。一方、外資系企業では自分の意見を言わないと評価されにくく、ときには損をすることもあります。伝え方も大切です。日本のように「きっと察してもらえるだろう」という期待は通用しません。匂わせる言い方はやめ、はっきり自己主張するように努めましょう。
また、伝える手段は口頭だけではありません。生産性を求められる外資系企業では、膨大な仕事に向き合うこともあるでしょう。効率を高めるには、簡潔でわかりやすいメッセージが好まれます。会話だけでなく、メールやチャットなどのツールも活用しましょう。
外資系企業では、限られた時間で高い成果を上げられるように努力し続けないといけません。日本企業では、効率が悪くても一生懸命取り組む姿勢が評価される場合があります。ときには、上司に付き合って残業をしたり、同僚の仕事が終わらなければ引き受けたりという配慮が求められることもありますが、外資系では個人の力が評価されます。自分のスキルを磨き、限られた時間で仕事を終わらせないと評価されません。
キャリアを高めるには、成長意欲が重要です。なお、絶えず努力し続けることは大変かもしれませんが、メリットもあります。効率よく仕事を進められるとワークライフバランスを取りやすくなるでしょう。成果さえあげれば長期休暇も許されるので、プライベートを犠牲にせず働けます。
外資系企業に転職するには
外資系企業への転職を検討する際に、未経験でも大丈夫か気になる人もいるでしょう。結論から言うと、未経験でも外資系企業に転職できます。実際、未経験応募可能な求人は豊富です。まずは、これまでのキャリアを棚卸して、自信の強みを見つけましょう。なぜなら、外資系企業ではオールマイティーな人材よりも、何かに特化した人材が求められるからです。
たとえば、ITエンジニア希望ならば、これまで培ったプログラミングスキルや実績をアピールしましょう。スキルが評価されれば採用されやすくなります。また、採用されやすい業界を選ぶという手もあります。たとえば、製薬業界・コンサル業界・保険業界などが挙げられるでしょう。製薬業界は市場規模が大きく、特にMRは採用のタイミングが多いです。日本企業での勤務経験や、しかるべき学歴があればチャレンジできるでしょう。
また、コンサル業界は社会経験が重視されるので、あらゆる業界から転職成功者が生まれています。コンサルでは経営に関するアドバイスを求められます。マーケティングや企画・業務効率改善などに携わった経験をアピールできるでしょう。
また、保険業界は、コミュニケーションスキルが求められます。もちろん、保険商品や業界に関する知識は必要ですが、高額な保険商品は信用できる人と契約したいでしょう。したがって、コミュニケーションスキル・営業力が重視されるのです。製薬業界・コンサル業界と異なり、知識や経験がなくても受け入れられるところも保険業界のポイントと言えるでしょう。
◆転職が不安な方は
異業種への転職・外資系未経験などの理由で、転職が不安な人もいるでしょう。そのような場合は、マイナビジョブ20’sへの登録がおすすめです。マイナビジョブ20’に登録すると、専任のキャリアアドバイザーに相談できます。キャリアアドバイザーは転職活動の強い味方です。経歴を見て、スキルの棚卸を手伝ってもらえます。自分では気がつけなかった強みを発掘できるかもしれません。また、豊富な求人情報のなかから、おすすめのものを紹介してもらえるのもメリットと言えるでしょう。転職先を選ぶ際にキャリアアドバイザーからのアドバイスは大いに役立ちます。
また、応募する企業に合わせた対策にも注目しましょう。外資系企業への転職活動は、日本企業への活動とは注力する点が異なります。履歴書のチェック、面接対策をしてもらうことで採用される可能性が高まります。外資系企業への転職を検討する際は、ぜひマイナビジョブ20’に登録しキャリアアドバイザーに相談しましょう。
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