まずは、満年齢の数え方の基本や法律上の定義などから説明していきます。
満年齢は現代の日本で最も一般的な年齢の数え方です。生まれた時点での年齢を0歳とし、それから誕生日が来るたびに1歳を加えていく数え方となっています。
たとえば、2000年10月1日が誕生日の人がいた場合、2001年10月1日で1歳、2020年10月1日で20歳という計算です。満年齢は公的な書類を作成するときにも使用される機会の多い数え方で、誕生日前かどうかで計算できます。前述の例でいうと、同じ2020年であっても9月1日であれば19歳、11月1日であれば20歳という具合です。現代では満年齢の数え方に慣れている人も多いので、それほど難しい計算だと感じる人も少ないでしょう。
また、満年齢の使われ方としては、芸能人やプロスポーツ選手などが掲載されている名鑑にも特徴があります。
名鑑に記載されているのは一般的に満年齢ですが、実は年度中に誕生日を迎えた前提で記載されているケースが多い。たとえば、2020年度5月発行の名鑑に記載されているAさんという芸能人の誕生日が2000年6月1日だった場合、満年齢は20歳となっていることがよくあります。これは、名鑑の発行が基本的に1年度ずつであることから、誕生日を迎えた状態の年齢で記載したほうが無難だと考えている発行元が多いからです。このように満年齢は基本的に誕生日の前か後かで判断されますが、名鑑のように発行日の時点での年齢を記載しないケースもあります。 では、履歴書の場合はいつの時点の満年齢を記載すればよいのでしょうか。履歴書には満年齢を書くのがマナーですが、記入する際の起算日は「提出日または記入日」のどちらでも問題ありません。
たとえば、2000年10月1日が誕生日の人で履歴書の提出日が2020年10月2日の場合を考えてみましょう。この場合、履歴書に記載している日が2020年9月30日であれば、19歳でも20歳でもどちらでも問題ないというわけです。どちらでもいいと聞くと就活中の人は不安に思うかもしれませんが、一般的なビジネスマナーなので心配はいりません。
ただし注意点としては、法律上は「誕生日前日の午後12時に年齢が加算される」となっていることです。つまり、厳密にいうと誕生日の前日には年を取っているといえます。ただ、いくら履歴書といえども世間一般的に根付いている「誕生日に年を重ねる」という考え方を否定されるケースはほとんどありません。そのため、基本的には提出日または記入日時点での年齢を記載すれば問題ないでしょう。
また、前述の例で2021年2月ごろに提出する履歴書にもかかわらず、満年齢が19歳となっていると採用担当者に違和感を覚えられる可能性がある点にも気を付けなければいけません。満年齢が19歳になっているということは、2020年9月以前に記載した履歴書であるということがバレてしまいます。すると、履歴書の使い回しを疑われてしまい、良い印象を与えることはできないでしょう。履歴書の年齢は記入日と提出日のどちらの時点でも問題はないものの、基本的には最新の年齢を反映させておくようにしましょう。数え年の年齢の考え方として特徴的なのは「0歳」という概念がないことです。
数え年の数え方は、生まれた時点で1歳と考えることだといえます。満年齢のように最初は0歳から始まるわけではないのです。また、満年齢が誕生日を迎えると年齢が加算されたのに対して、数え年では「1月1日(正月)」が来ると年を取る計算方法になっています。つまり、2000年10月1日に生まれた人がいた場合、2001年1月1日に2歳、2019年1月1日に20歳になるという具合です。満年齢に慣れた現代人からすると、生後3カ月の赤ちゃんが2歳にカウントされるのは違和感があるかもしれませんが、昔の人にしてみればそれが普通の数え方だったのでしょう。数え年で0歳を使わない理由には諸説あり、はっきりとした原因はわかっていませんが、有力なのは「お母さんのお腹の中にいる時点から年齢を数えている」という説です。厳密にいうとお母さんの胎内にいる期間は一般的に「十月十日」ですが、およそ1年として生まれた年を1歳から数えているのではないかというわけです。また、正月に1歳年をとるという考え方は、歳神様が自宅に来るからではないかと言われています。神様から正月に1年分のご利益を得るため、その時点で1歳加算するという説が有力です。
現代の日本では数え年が使われるシーンは少なくなりましたが、まったくないわけではありません。
代表的なのが「厄年」と「早生まれ」です。神社などに行ったときに年齢計算が合わなくておかしいなと感じたことのある人もいるのではないでしょうか。それは厄年の数え方が数え年だからです。厄年のなかでも最も重いのは男性42歳、女性33歳で迎える「大厄」ですが、数え年での計算になっているので、2020年の場合は1979年生まれの男性と1988年生まれの女性が該当します。満年齢で計算するとズレてしまうので気を付けましょう。また、1~3月生まれの人が友人などと年齢の話題をするときによくあるのが「早生まれ」の話題です。早生まれという言葉が生まれたのには、学校の就学時期が関係しています。日本では4月から始まって3月に終わるという学習スケジュールが採用されているため、正月を過ぎてから生まれている子どもは入学時点では数え年で考えると1歳年下です。他の子どもと比べて1歳年下にもかかわらず、早く入学するという観点から早生まれという呼び方が広まったと言われています。
日本では昔、数え年が主流でした。なぜ、満年齢が使われるようになったのでしょうか。経緯についても知っておくと役立つときがあるでしょう。
POINT!
POINT!
西暦 | 和暦 | 満年齢 (誕生日前) | 満年齢 (誕生日後) | 数え年 |
---|---|---|---|---|
2000年 | 平成12年 | 満19歳 | 満20歳 | 21歳 |
1999年 | 平成11年 | 満20歳 | 満21歳 | 22歳 |
1998年 | 平成10年 | 満21歳 | 満22歳 | 23歳 |
1997年 | 平成9年 | 満22歳 | 満23歳 | 24歳 |
1996年 | 平成8年 | 満23歳 | 満24歳 | 25歳 |
1995年 | 平成7年 | 満24歳 | 満25歳 | 26歳 |
1994年 | 平成6年 | 満25歳 | 満26歳 | 27歳 |
1993年 | 平成5年 | 満26歳 | 満27歳 | 28歳 |
1992年 | 平成4年 | 満27歳 | 満28歳 | 29歳 |
1991年 | 平成3年 | 満28歳 | 満29歳 | 30歳 |
1990年 | 平成2年 | 満29歳 | 満30歳 | 31歳 |
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