第3のニューノーマル時代が到来!デジタル化における変化と注意ポイント

作成日:2021.09.03 更新日:2024.02.14

「ニューノーマル」という言葉を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。時代の変化に伴い、これまでの当たり前が当たり前でなくなっていきます。 変化が激しいニューノーマルな時代だからこそ、どのような働き方が求められているのかを、一人ひとりが理解しておく必要があるのです。 ここでは、デジタル化によってどのように働き方が変化し、何に気を付ければよいのかを解説します。

そもそもニューノーマルって何?

ニューノーマルという言葉を聞いたことはあっても、その詳しい意味はよく知らないという人もいるかもしれません。まずは、ニューノーマルという言葉とその歴史について解説します。

ニューノーマルとは

社会的に大きな影響を与える何かが起こり、社会が変化してこれまでの当たり前が当たり前でなくなり、新たな常識が生まれることを「ニューノーマル」と呼びます。 「New=新しい」と「Normal=普通」を合わせてつくられた言葉です。そして、これまでのやり方が通用しなくなり、大きく常識が変わった後の時代を「ニューノーマル時代」と呼びます。 常識といっても、その内容はさまざまな分野に及びます。そのため、経済活動や生活様式、レジャー、ビジネスなど、あらゆる場面において新しい常識を意識し、行動をアップデートしていく必要があるのです。

ニューノーマルの歴史

コロナ禍によって注目され始めたニューノーマルですが、実は過去にも何度かニューノーマル時代がありました。 最初のニューノーマル時代と呼ばれているのが、1990年代、インターネットが普及し始めた頃です。検索エンジンサービスや携帯電話、電子メールなどの登場により、私たちの生活も働き方も大きく変化しました。 2度目のニューノーマル時代は、2008年のリーマンショックをきっかけに訪れました。 アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、株価が暴落して世界的な金融危機に見舞われたのです。 日本でも株価が暴落しただけでなく、受注が激減したり、プロジェクトが打ち切られたりと、さまざまな影響がありました。さらに、エコノミストであるモハメド・エラリアンが、金融危機が回復しても、根本的に課題解決しなければ元の社会には戻らないと提唱しました。 その結果、国内だけでなく海外にも目を向けた経営へと切り替わっていき、それに伴った法令整備も進んだのです。 3度目のニューノーマル時代は、新型コロナウイルスの世界的蔓延をきっかけに、2020年に訪れました。 ソーシャルディスタンスやマスク着用など、生活環境は大きく変化し、テレワークや在宅勤務といった働き方にも変化が現れました。 2021年1月時点で、東京都の調査によると全体の57.1%と半数以上の企業がテレワークを導入していることが分かっています。

第3のニューノーマル時代の大きな変化はデジタル化

ここでは、いくつかの観点から第3のニューノーマル時代に起きたデジタル化による変化を紹介します。

取引や営業

これまで対面で行ってきた商談や商品説明、サービス提供などもリモートで行われるようになり、デジタルでの契約手続きも新しい常識になると考えられています。 タイムリーなサービス提供が可能となり、活動範囲も全国や世界へと広がっていくでしょう。つまり、企業の大小に関係なく、コンテンツやアイディアの質で勝負することができるのです。

接客

経済産業省によると、2020年の個人消費におけるキャッシュレス決済の割合は、29.7%と過去最高となっています。 5年前の2015年は18.4%であることから、キャッシュレス決済を選択する人が増えていることが分かります。QRコードの読み込みや端末認証など、手間も時間も短縮することができ、会計スピードの上昇による回転率アップ、店舗コストの効率化、人出不足の解消なども期待される変化です。 さらに、消費者は店舗に直接足を運ぶだけでなく、ECサイトでの購買へと変化しています。そのため、ECサイトから選んだ商品を店舗で取り置きしたり、店舗店員がECサイトを活用して販売したりといった取り組みが現れています。 さらに、ECサイトで購入した荷物は、宅配員から直接受け取るのではなく、宅配ボックスや玄関前などに置いておいてもらう置き配というサービスも始まりました。この置き配は、出前の受け取りなどにも活用されています。

人材確保と人材育成

働く場所が多様化したことで、優秀な人材の確保が企業規模や企業の所在地に関係なく可能となりました。 さらに、ウェビナーの使用により、あらゆる場所で研修を受けてもらえるようになり、専門性の高い従業員の育成へとつながるのです。 さらにデジタル化が進むことで、人材はたっぷり確保しつつも、オフィスは縮小というケースが増えるかもしれません。

デジタル化に伴う働き方の変化

働き方の変化の最たるものは、テレワークへの移行です。満員電車やオフィスワークによる密着・密接・密閉の3密を回避すべく、サテライトオフィスや自宅で業務を行える企業が増えています。 ネットワーク環境の整備が充実し、オンライン会議やオンライン研修など場所に関係なく社内勤務していた時と同様に仕事ができるようになりました。地域格差の解消にも役立っており、地方にいながらにして都市部の企業で働くことも可能となり、人材確保にもつながっています。

社会人としての経験と自分に合ったタイミングで転職を決めるのがポイント

オンライン会議やテレワークが日常化すると、ビジネスパーソン一人ひとりにこれまでとは異なるスキルが求められるようになります。
  • セルフマネジメント力
    時間や場所の制限から解放されるテレワークは、自分のペースで業務を遂行できるというメリットがあります。 その一方で、プライベートと仕事の境界線が曖昧になったり、モチベーションの維持が難しかったりという課題もあるのが事実です。 また、テレワークによって普段の働きぶりが見えにくくなると、人事評価をするには成果を重視せざるを得なくなります。 そこで、必要となってくるのがセルフマネジメント力です。セルフマネジメントとは、目標達成に向けて自分自身で行動管理をすることです。 つまり、自分の能力を最大限に発揮して、高パフォーマンスで目標を達成する力といえます。 セルフマネジメントでは、目標をはっきりさせることが重要となってきます。目標を明確にするためにも、常に目標を数値化する癖をつけましょう。目標がはっきりしたら、次は目標達成率を上げるために、いつまでにどれだけ行えばいいのかという小さくてはっきりした目標を考えればよいのです。 テレワークの場合、社内勤務と比較すると誘惑が多いという人も少なくありません。ついつい楽な方へ流されてしまうため、どうすれば誘惑に勝てるのか、自分なりの対処法を見つけておくこともセルフマネジメントを高めることにつながります。 反対に、成果を出そうとするあまり、終業時刻を過ぎても働いてしまうというケースも、テレワークには起こりがちです。体調不良は、パフォーマンスに直接影響するため、体調管理もセルフマネジメントの1つといえます。
  • コミュニケーション力
    対面からオンラインに変化したことで、コミュニケーションの機会がぐっと減る危険性があります。 また、対面だと、相談したいタイミングですぐに声をかけることができました。 そのため、トラブルや緊急案件にもスピーディーに対応できていたのです。ところが、オンラインだとトラブルや緊急案件について報告したり、対処法を相談したりすることに時間がかかってしまい、対応が遅れるかもしれません。コミュニケーションの減少は、生産性やチームワークの低下を招く可能性を高めます。 そこで求められるのが、オンラインでのコミュニケーション力です。例えばWeb会議の場合、対面と比較すると相手の反応やその場の空気が感じ取りにくいという心配があります。 そのため、自分の意見を述べる際には、気持ちを込めて明瞭に伝えるスキルが求められるのです。 反対に、相手の意見を聞き取る際には、相手の真意を確認するために、相手から言葉を引き出すことのできる会話力も求められます。さらに、チャットやメールで業務連絡や報告を行う機会も増えるため、分かりやすく論理的な文章を書くスキルも、コミュニケーション力としては欠かせません。
  • 自主性・自発性
    かつての日本企業では、就業時間で仕事に対する評価を行う面がありました。長時間働いている=頑張っているとされていたのです。 さらに、上司の指示通り正確に業務を進める受け身な人材が求められていました。 しかし、第3のニューノーマル時代に突入し、テレワークになったことで、労働時間の正確な把握は難しくなりました。そのため、成果主義へとシフトチェンジをしている企業が数多くあります。 成果主義になることで、一人ひとりが自分から進んでアイディアを出したり、業務改善を提案したりといった自主性・自発性が求められるようになります。 自分から情報をキャッチしたり、自己研鑽に励み成長につなげようとする姿勢も評価の対象となるでしょう。では、自分の自主性や自発性を高めるには、どうすればよいのでしょうか。 まずは、自分に自信を持つことです。自信が持てれば、積極的に行動に移すことができるようになります。 小さなことでもよいので、成功体験を重ね、ポジティブな気持ちを高めていきましょう。自分の強みを自己分析し、自分をほめるところからスタートです。 また、常に物事を率先して理解し、指示を待たず動こうとする意識が大切です。深く考えるよりも、まずはやってみることで、新たな疑問や課題が見えてくることもあります。反対に、新たな糸口やアイディアが生まれることもあるでしょう。 さらに、柔軟性を高めることも自主性や自発性の向上につながります。予想外の事態に見舞われた際、悩んで対応に時間がかかってしまうということは避けたいものです。 テレワークであれば、その場ですぐに上司や同僚に相談することが難しい場合もあります。そのため、どんな状況になろうとも、柔軟に対応できる力が自主性や自発性を支えるのです。
  • デジタル端末やツールを使いこなす力
    デジタル端末やツールは日々進化しており、ニューノーマル時代を生きるビジネスパーソンには欠かせないアイテムといえます。 日々の業務でスムーズに使いこなせるよう、端末やツールの使い方を習得しておく必要があるのです。 その際、公共の場で無料Wi-Fiを使用することによる情報漏洩や不正アクセスなどセキュリティに関するリスクと対処法も知っておくことが大切です。

デジタル化による変化が多いニューノーマル時代を楽しもう!

第3のニューノーマル時代に突入し、デジタル化がスピーディーに進みました。その結果、働き方や業務内容など、さまざまな変化が訪れたのではないでしょうか。 変化に対応するのは労力がいることかもしれません。 しかし、新たな常識を受け入れることで、これまでよりもより効率的に働いたり、一人ひとりの力を最大限に発揮できたりするのです。 変化するからこそ面白い、というスタンスで、ニューノーマル時代を楽しみましょう。

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