一身上の都合とは?本来の意味と正しい使い方を押さえよう

作成日:2019.12.27 更新日:2024.04.19

ビジネスシーンや日常生活において聞かれる「一身上の都合」という言葉があります。この言葉について、意味をよく知らないまま何となく使っている人も多いかもしれません。一身上の都合という言葉は、基本的にはビジネスシーンで幅広く使えますが、注意しなければならない点もあります。

そこで、一身上の都合の本来の意味を紹介した後、履歴書や退職理由などにおいて使う際の注意点について解説します。

「一身上の都合」の本来の意味とは?

「一身上の都合」とは、自分の身の上に起こった個人的な都合や問題、家庭内での事情のことです。具体的には、転職、結婚・出産、引越し、病気・ケガなど幅広い意味で使われ、家族の病気やその介護といった場合に使うこともできます。ビジネスの場面だけでなく日常生活においても使用でき、個人的な理由をあまり詳細に述べたくない場合に使える便利な言葉といえるでしょう。

一身上の都合の類義語には「自己都合」「私事」などが挙げられますが、履歴書や退職届などビジネスシーンで使う文書においては一身上の都合を用いるのが一般的です。こうした文書で自己都合や私事などの言葉を使ってはいけないわけではありませんが、ビジネスマナーとして普及している一身上の都合を用いたほうが無難です。

履歴書で使っていいのはどのような場合?

POINT!

  • ● 「一身上の都合」が使えるのは自己都合退職の場合

一身上の都合は、転職の際の履歴書に使うこともできます。もっとも、どんな場合でも使えるわけではありません。前職を辞めた理由が「自己都合」によるものか「会社都合」によるものかによって、一身上の都合が使えるかどうか違ってきます。

・自己都合による退職→結婚や引越し、自分が希望した転職など退職理由が労働者側にある場合を指します。 ・会社都合による退職→企業の業績不振や倒産などの理由によって従業員を解雇することや、早期退職者を募り、従業員がそれに応募して退職するなど企業側の都合で退職することです。 以上をふまえて、どちらの場合に一身上の都合が使えるかみると、一身上の都合とはあくまで個人的な事情を指す言葉なので、自分の意思で退職する自己都合退職の場合に使えることになります。会社都合退職は個人的な事情ではなく会社の事情によるものなので、一身上の都合は使えません。そして、会社都合退職の場合でも理由を詳細に書く必要はなく、「会社都合による退職」と記載すればよいのです。

POINT!

  • ● 自己都合退職と会社都合退職は明確にしておこう

「退職してしまえば理由が自己都合か会社都合かはどうでもよい」というわけではありません。退職理由が自己都合と会社都合とでは、失業給付金の受給開始日や給付期間が変わってきます。

自己都合退職の場合は、原則として3カ月間の給付制限期間が設けられているため、会社都合退職の場合よりも受給開始日が遅いです。よって、もし退職理由が少しでも会社にあるにもかかわらず自己都合による退職にされている場合には、会社に掛け合ってみるか、ハローワークで異議申し立てをすることで調整するとよいでしょう。いずれにせよ、自分の退職の理由が自己都合か会社都合かは明確にする必要があります。

退職届でも使うことが可能

一身上の都合は、退職届に使うことも可能です。会社を辞める理由が個人的な事情によるものである場合は、一身上の都合とだけ書けばよいでしょう。そうすることで、たとえマイナスな理由で辞めるとしても、円満に送り出してもらえることでしょう。

会社を辞める理由は人それぞれの事情があるものです。たとえば、人間関係が悪かった、ハラスメントを受けた、やりたい仕事ができなかったなど、会社にとって否定的な理由で辞める場合もあるでしょう。しかし、そのようなマイナスな退職理由を正直に書いてしまうと、退職者本人のイメージを悪くしてしまう可能性があります。 いくら辞める会社だからといって、自分のイメージを悪くするような理由をあえて伝える必要はありません。また、会社にとって否定的な理由を書いてしまうと、職場の雰囲気を壊してしまう可能性もあります。自分が辞めてからもその会社で働く人に配慮することも大切です。 したがって、否定的な理由を書くのは控えて、一身上の都合とだけ記すようにしましょう。なお、従業員が退職の際に、会社に対して退職理由を詳細に述べる義務はありません。もし、会社側から詳細な理由を聞かれても、否定的に答えるのではなく、「ステップアップのため」など前向きな理由を伝えられるようにしましょう。 また、自分の体調であったり家族の事情であったりなど、プライベートな理由であることをそれとなく示すのも手です。プライベートな問題は会社側としても踏み込みにくいため、それ以上しつこく聞かれる可能性は低いでしょう。アルバイトを辞めて転職活動をするという人の場合も、一身上の都合を理由に退職することができます。基本的に、アルバイトの場合は勤務先に退職届を提出する必要はありません。もっとも、アルバイト先によっては退職届の提出を求めるところもあります。その場合も、退職理由に一身上の都合とだけ伝えれば大丈夫です。

内定辞退時にも「一身上の都合」を使ってよいか

転職活動の際、複数の企業から内定をもらったりすると、内定を辞退する必要が出てきます。そのような場合も、理由は一身上の都合でも原則問題ありません。内定を辞退したい企業に対し、内定をもらったことへのお礼とともに、一身上の都合により辞退したい旨を電話などで伝えましょう。内定辞退の理由を詳しく伝える必要はありません。 内定辞退の際、理由よりもむしろ、企業から内定が来ているにもかかわらず連絡せずに放置してしまうことです。時間があいてしまうと採用担当者に対してとても失礼なので、なるべく早めに誠意をもって辞退の連絡をするようにしましょう。転職エージェント経由の場合は担当キャリアアドバイザーにお願いしてもよいでしょう。

面接で前職の退職理由を聞かれたら?

転職活動において企業の面接を受ける場合、前職の退職理由は必ずといっていいほど聞かれるでしょう。その際、一身上の都合と答えても問題はないのですが、それだけでは不十分です。なぜなら採用担当者は理由そのものを知りたいというよりも、「長く働ける人物かどうか」を審査しているためです。「きっとまた同じように辞めてしまうかもしれない」という印象を持たれないよう注意しましょう。 退職理由が前職の会社に対する不満が大きかったとしても、そのまま正直に答えるのではなく「前職で培ったスキルをさらに大きな企業で活かしたいため」など、ポジティブな理由につなげることができれば大丈夫です。詳細な理由を聞かれたら前向きに答えられるように準備しておきましょう。

事前にしっかり面接対策をするのがポイント

転職活動を成功させるためには、履歴書・職務経歴書の書き方や面接での受け答え方法など、押さえておかなければならないポイントがたくさんあります。それらの重要なポイントを押さえられないと、転職活動は上手くいきません。

しかし、20代の場合、まだ社会人経験が浅くビジネスマナーに関する知識や経験が浅いケースもあります。そこで、マイナビジョブ20’s では、20代の転職を専門にサポートしてきたキャリアアドバイザーが押さえるべきポイントをしっかりと伝えていきます。 転職の面接対策は、一人だけでやっていても、どのような点を改善すべきかなかなか見えてこないものです。その点、マイナビジョブ20’sであれば、知識と経験が豊富な専任のキャリアアドバイザーが志望企業に合った面接対策を行い、効果的な自己PR法を伝えます。本番で気を付けるべきポイントを伝え、また、希望者は模擬面接にもチャレンジできます。模擬面接実施後は、その結果を本人にフィードバックし、アドバイスをするので、面接本番に向けて万全の準備で臨むことができるでしょう。

「一身上の都合」の使い方を押さえて転職活動に臨もう

一身上の都合は、ビジネスや日常を問わず幅広く使える便利な言葉です。もっとも、転職の場合などは自己都合退職でしか使えないなど注意すべき点もあります。転職活動においては、どんな場面でどのように使えばよいのかしっかりと押さえておきましょう。また、面接の際には一身上の都合の理由を聞かれた場合を想定して、あらかじめ答えを考えておく必要があります。不安であれば、専門のカウンセラーに相談してみるとよいでしょう。

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