「自負しております」はどのような意味?使うシーンや正しい使い方を紹介

作成日:2023.06.29 更新日:2024.04.19

「自負しております」という言葉は、就活や転職活動などでもしばしば使われます。言葉の意味や正しい使い方を理解できているでしょうか。 間違った使い方をしていると相手に違和感を覚えさせてしまうため、正しい使い方を知っておくことが必要です。今回は、「自負しております」という言葉の意味や正しい使い方、よく使われるシーンを例文と共に紹介します。

「自負しております」の意味合いとは

「自負しております」は、自分には、ある面において才能や知識、仕事の能力や功績が優れている点があると感じており、自信を持っていることを相手に対して伝えるために使われます。 「自負しております」と表現することで、自分には、ある面の必要な才能や能力があるので、安心してお任せください、と自己アピールのニュアンスを相手に伝えることが可能です。 時として、自分はその道のプロとして自覚していることを言い表す意味で使われることもあります。「自負しております」という言葉は、「自負」という言葉に敬語表現の「しております」が付いた言葉です。 「自負」とは、「自分の才能や知識・仕事上での功績などに自信を持っており、誇りに感じていることやその心」を意味します。 「自負しております」の「しております」は「する」「おる」「ます」の3つがつながった言葉です。「おる」は「いる」の謙譲語、「ます」は丁寧語の語尾に使われます。 「しております」とは「しています」を、より丁寧に言い表す言葉です。そして、「しています」よりも謙虚さを強調した言い回しになります。 「しています」は、「する」という状態が現在進行形で続いている状態を表します。「自負しております」とは、自負している状態が継続している状態を表現した言葉です。
 

「自負」はポジティブな意味で使われる言葉

「自負」という言葉には、一見するとネガティブに感じられる「負」という文字が使われていますが、ネガティブな意味合いでは使いません。 「負」という字は、人が貝を背負っている形です。貝は昔、貨幣として使われていたことから、貨幣の価値によって何かを得ようとしていたという意味があります。 そこから転じて、「負」という字は後ろ盾にする、頼みにする、頼む、荷物などを載せる、背負うなどの意味で使われる言葉です。負ける、というネガティブな意味合いよりも、むしろポジティブな意味で使われることが多い言葉といえます。 このことから、「自負」とは自分の才能を後ろ盾にするほど自信を持っている」という状態を言い表す言葉です。他の人に負けないくらい自分の才能に自信がある、と感じている場合に使います。

「自負しております」の正しい使い方を押さえよう

「自負しております」は、特定のポイントにおいて、他の人に負けないと自分が感じていることをアピールできる言葉です。 「自負しております」という言葉は謙遜のニュアンスを持つ言葉なので、「私はこの件に関して自信があります」と言うよりも柔らかい印象で自分をアピールできます。また、自信があることをおごっている印象にもなりづらく、便利な言葉です。 「自負しております」以外に「自負」という言葉を使った言い回しとして、「自負がある」「自負する」「自負の念を抱く」「自負を持つ」「自負するところ」「自負心」などがあります。「自負心」は「自負する気持ち」という意味の言葉で、「自負しております」とほぼ同じような意味で使われます。
  • 相手の評価は関係なく自分に自信があるときに使える言葉
    「自負しております」は、自分が自信を持っていることについて使われる言葉ですので、客観的な評価だけを受けていて自分ではそのように感じていない場合には使いません。 一例として、周囲からは真面目な人だと評価されていても、自分は真面目だと思っていない場合は使えないことになります。客観的な評価が必ずしも自分が思っていることと同一とは限りません。 逆にいえば、周囲の評価がどうであれ自分が自信を持っていることであれば「自負しております」と使うことが可能です。
  • ネガティブな意味で使う言葉ではない
    先に述べたように、「自負しております」はポジティブな意味で使う言葉なので、ネガティブな意味で使うことはありません。また、責任を負うという意味でも使わないことを押さえておきましょう。 たとえば、「自分に落ち度があったことを自負しています」という使い方は、「自分に落ち度があったことを誇りに思っています」と言い換えられるので、間違った使い方です。 自分が責任を負うべきであることを知っている、自分に落ち度があったと自覚している、という場合には、「自負」という言葉を使わず、「自認」や「自覚」という言葉を使いましょう。 「自認」は、ある状態が事実だと自分で認めることを意味します。また、「自覚」は、自分の状態・地位・任務・価値などをはっきりと分かっている状態です。
  • 使い方に注意が必要な場合がある
    「自負しております」という言葉は、時と場合によっては過剰な謙譲語として受け取られることがあるため注意が必要です。使う相手によっては「自負しています」と言い直したほうが印象は良くなることがあるでしょう。 「自分で言うのも恐縮ですが」などの言葉を先に言うと、より謙虚な印象が相手に伝わります。謙遜しているとはいえ自己アピールの言葉であるため、「自負しております」と何度も使いすぎると傲慢な印象を与えてしまう可能性があります。 あまり多用しすぎないようにすることもポイントです。特に、目上の人に使う場合は上から目線で傲慢な印象を与えてしまいがちなので注意しましょう。また、あくまで自分目線でのアピールポイントなので、自分が思っているほど優れているとは限らない場合があります。

「自負しております」が話し言葉として使われるとき

「自負しております」はビジネスシーンで話し言葉や書き言葉としてよく使われる言葉です。丁寧で堅めな印象の言葉なので、プライベートなシーンで使われることはあまりありません。 「自分に自信を持っている」ということを意味する言葉なので、自分以外の人に対して自分の長所や自信を持っている点をアピールしたいときに使うと効果的です。 「自分」を主語とする場合だけでなく、営業の場などで「自社」を主語として顧客に自社の魅力を伝えたい場合にも使えます。話し言葉として使う場合を、社内の人に向けて、社外の人に向けて使う場合とに分けて紹介します。

社内の人に向けて自分をアピールしたい場合

プロジェクトに応募したい場合などに、自分は何の能力に長けていると感じているのか、どの分野が優れているからプロジェクトに貢献できると感じているのかを伝えられます。 「私はコツコツと努力する姿勢にかけては誰にも負けないと自負しております」といった使い方ができます。プロジェクトに向けて自分のやる気を具体的に相手にアピールする言葉として効果的です。

顧客に対して自社の製品やサービスをアピールしたい場合

顧客や広く世間に対して、自社の製品やサービスはどのような点が優れているのかをスマートにアピールできる言葉です。自社をよく知る人にはもちろん、あまり知らない人にも効果的にアピールできます。 「当社は業界をけん引してきた立場であると自負しております」「当社は地球環境に配慮した製品を世に送り出していると自負しております」などの使い方ができます。 顧客を目の前にして営業する場合のほか、チラシ広告やメールなどの文面にも使える言葉です。なお、企業を主語として使う場合は、やや押しの強い印象があります。

自己PRの際の「自負しております」という言葉の上手な使い方

「自負しております」という言葉は、就活や転職活動の際の自己PRにも使える便利な言葉です。面接はもちろん、履歴書の文面としても使えます。就活や転職活動の際は、いかに自分の魅力を上手に面接官に伝えられるかがポイントです。 就活や転職活動の際に「自負しております」という言葉を使うことで、傲慢で押し通しているという印象を面接官に与えず、やわらかく謙虚な印象を与えつつしっかりと自分をアピールすることができます。 就活や転職活動の際の自己PRとして使える例文として以下のようなものがあります。
「私は大学生のときに海外に留学した経験がありますので、御社の海外事業部門に貢献できると自負 しております」 「私はこの分野に関しては、高い業務遂行能力を有していることを自負しております」 「私は学生時代の部活動で部長を務めていた経験がありますので、高いコミュニケーション能力のあ る人間だと自負しております」 「前職で身に付けたスキルを御社で生かし、高いパフォーマンスをお見せすることができると自負し ております」
これらの言い回しを使うことで、自分が企業に入社した場合にどの局面で貢献できるかを面接官に対してアピールすることができます。
  • 「自負しております」の言い換え

    ◯自任する 自任とは、自分が優秀であると自覚しており、適任であると考えていることを意味します。 ◯プライド 誇り、という意味で、自分の自信を裏打ちするもののことです。 ◯自信がある ストレートな言い方ですが、自己アピールに使える言葉です。プライドを持っていると同時に責任を持つという気持ちが感じられます。 ◯矜持(きょうじ)がある 自分の能力や知識、功績に対して誇りをもっている、という意味を表す言葉です。 ◯確信している 固く信じて疑わないことを意味します。強い信念を持ち合わせており、疑いの余地がないという意味です。

自分が自負できるものを見つけてしっかりとアピールしよう

就活や転職活動では、自分がどのような人間かを知らない面接官に自分の魅力をしっかりとアピールすることが大切です。 ただし、面接官も人間なので、上から目線で物言いをしていると感じられてしまってはマイナスイメージになります。「自負しております」は謙譲語としての意味を持ちながら、相手に対してしっかりと自分をアピールできる便利な言葉です。 他者からの評価のあるなしに関わらず、自分が自信を持っていることを伝えられます。ただし、時として自分の評価と他者の評価が一致しない場合があることは否めません。 そのため、「自負しております」と面接官に伝えたことは相手からもそのように評価してもらえるよう、努力を続ける必要があります。そうすることで、自他共に認める評価が得られることになるでしょう。 就職や転職活動を行うに際して、どのような小さいことでも構わないので、まずは自分が他の人に誇れるような何かを身に付けることから始めていきましょう。やがて、それは社会人として生きていくうえでの自信につながってくるに違いありません。

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