IT業界の勢いが加速するなか、プログラマーの需要も増えてきています。ただ、プログラマーとシステムエンジニアの違いを正確に理解していない人も多いでしょう。また、単に就職するだけでなくキャリアアップまで意識して働かなくてはいけません。この記事では、プログラマーとシステムエンジニアの違いや、プログラマーのキャリアアップについて解説します。
まず、プログラマーとはシステム開発における「プログラミング業務」を担当する仕事です。プログラマーにはあらかじめ要件定義された設計書が渡され、その内容に則して作業を行っていきます。ただ、決して「言われた通りのことをやる」仕事ではなく、システムを正常に動かすためのコードを走らせていくには高度な技術と知識が要求されます。バグが発生しないよう、正確にプログラミングを行うだけでなく、テストにも全力を注ぎます。責任感と集中力がなければ務まらない仕事と言えるでしょう。
一方、システムエンジニアはシステム開発における上流工程を担当しています。依頼主と打ち合わせを重ね、要件を定義していくのはシステムエンジニアの領域です。要望を具体的に掘り下げ、使いやすさなどを考慮しながらシステムを基本設計していきます。プログラマーに渡される設計書とは、システムエンジニアが作成するケースが一般的です。さらに、複数のプログラムをどのように組み合わせていくかを把握して、進捗を確かめるための試験項目も考えなくてはいけません。 プログラマーもシステムエンジニアも開発の現場では欠かせないポジションです。ただし、業務領域の広さにおいては、システムエンジニアのほうが広く、多くの能力が求められます。プログラマーは主に現場での作業が中心となるものの、システムエンジニアはさまざまな人間と関わって制作を管理しなければいけません。依頼主やシステム開発以外の部署にまで顔を出し、それぞれの意見を調整していきます。プログラマーとして経験を重ねた結果、システムエンジニアに転向するというケースも多いようです。厚生労働省発表の『平成30年賃金構造基本統計調査』によるとシステムエンジニアの平均年収給与額(※きまって支給する現金×12か月+年間賞与その他特別給与額)は551万円でした。全体的に、システムエンジニアは平均的な社会人よりもやや高い給料を受け取っています。理由として、システムエンジニアが専門性の高い仕事で希少価値を持っていることと、大きな責任を背負って働いている点が挙げられるでしょう。また、システムエンジニアはスキルさえあれば若手でも重用される傾向にあります。20代前半で月収が60万円を超えるなどのケースも珍しくありません。
ただし、近年は恵まれた労働環境の会社が多くなっているものの、一部、残業や休日出勤が多い企業もまだまだあるようです。そのためシステムエンジニアを目指すのであれば、労働条件をしっかりチェックしてから就職先を選びましょう。 一方、プログラマーの平均年収は418万円程度です。全職種平均がおよそ460万円であることを考えると、やや低い数字です。もちろん、勤続年数が長かったり、会社の規模が大きかったりすると高収入を得ているプログラマーも出てきます。それでも、プログラマーよりもシステムエンジニアのほうが給与面では好条件であるケースが多いです。システムエンジニアは、より能動的でシステム開発全体を見渡す仕事であるため、労働条件も高く設定されています。 ただ、未経験者がいきなりシステムエンジニアになるというよりも、まずはプログラマーとしてキャリアを始める人が多く、その過程でシステム開発や要件定義などの基礎を学び、スキルもコミュニケーション能力も認められたところでシステムエンジニアへとキャリアアップするのが一般的と言えます。男女別平均年収 | |||
システムエンジニア | |||
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男性 570万円 | 女性 462万円 | ||
プログラマー | |||
男性 429万円 | 女性 378万円 |
「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)をもとに作成
システムエンジニアでは男性の平均年収が570万円ほどです。一方、女性が462万円と100万円以上も差がついています。ただ、男性の平均勤続年数12年であるのに対し、女性の場合は平均勤続年数が6年となっています。システムエンジニアは経験が重視される職業なので、一般的には勤続年数と年収が比例します。そのため、長期にわたってひとつの企業に勤務する傾向のある男性の平均年収が高くなっているようです。
同じ特徴はプログラマーの年収にもあてはまります。男性が平均勤続年数9年で平均年収429万円であるのに対し、女性は平均勤続年数6年で378万円ほどです。こちらは、両者に50万円以上の差が生まれています。男性は勤続年数を重ねていくうちに役職がつき、給料が増えるケースが少なくありません。一方、女性は結婚や出産などを機会に退職する人も一定数います。そのため、統計をとるとどうしても勤続年数の長い男性のほうが、平均年収を上回ってしまうのです。ただし、もちろん女性でも、優秀なハイクラス層がいるのもシステムエンジニアやプログラマーの特徴です。 システムエンジニアやプログラマーの年収を考える際、ポイントは性別以上に「中長期的な視点」だと言えるでしょう。システム開発の分野では、比較的人員の多いプログラマーからキャリアを開始し、人数の少ないシステムエンジニアを目指さなくてはいけません。トップから信頼を得てキャリアアップするには、根気強く日々の仕事で結果を出していく覚悟が必要です。プログラマーになったなら、焦らずにじっくり実力を身につけていきましょう。そうやって年数を重ねれば、システムエンジニアとして大きなプロジェクトを任されるチャンスも巡ってきます。企業規模別平均賃金 | ||
10~99人 | ||
---|---|---|
システムエンジニア 490万円 | プログラマー 375万円 | |
100~999人 | ||
システムエンジニア 532万円 | プログラマー 419万円 | |
1000人以上 | ||
システムエンジニア 609万円 | プログラマー 518万円 |
「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)をもとに作成
給料は、一般的に中小企業よりも大企業のほうが高くなる傾向にあります。絶対的な案件数や利益が多いだけでなく、企業の安定性が高いのも理由と言えるでしょう。そして、システム開発の世界も例外ではありません。システムエンジニアやプログラマーの給料は、従業員数にほとんど比例しているようです。
たとえば、10~99人程度の企業規模ではシステムエンジニアの平均年収が490万円、プログラマーが375万円ほどです。これが100~999人の規模に変わると、システムエンジニアが532万円でプログラマーが419万円ほどです。そして、1000人以上の大企業ともなれば、システムエンジニアの平均年収は609万円となります。プログラマーは518万円であり、就職先によって100万円以上の差がついてしまうのです。 この差の背景として、クライアントの種類が挙げられるでしょう。官公庁や大企業のように潤沢な予算があるクライアントは、システム開発業者に実績やスキルを求めます。コスト削減だけを重視しようという発想が薄いので、自然と受注案件の利益額も大きくなります。また、大企業や官公庁は大規模案件が多いだけでなく、長期的な受注も見込めるでしょう。その結果、従業員に還元される額の割合も高くなります。 もちろん、大企業で働こうと思えば、相応のスキルと経験を求められます。ライバルの志望者も殺到するので狭き門となるでしょう。そこで、最初は中小企業に就職し、経験を積むのもひとつの方法です。むしろ、従業員数の少ない企業のほうが、キャリアが浅くても責任感のあるプロジェクトに参加できるケースすら生まれます。そうやって成長を遂げたあとで大企業に転職してみましょう。アピールできる経歴があると転職活動をスムーズに進められます。より労働条件の良い会社へ転職して年収をアップさせることも一つの選択肢かもしれません。プログラマーが年収を高める方法はいくつか考えられます。
システムエンジニアにキャリアチェンジしたり、フリーランスになったりと、プログラマーが年収を上げるための方法はさまざまです。なかでも、転職は最もスムーズに労働条件を改善できる手段だと言えるでしょう。そのためには、ほかの企業が欲しがるほどのノウハウや経験を身につけなくてはいけません。コツコツと成長し続けることが、プログラマーのキャリアを後押しするのです。
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