「捺印」と「押印」とはどう違う?印鑑にまつわる類語の違いと使い方を解説

作成日:2021.03.11 更新日:2026.04.07

ビジネスの現場では、印鑑を使わない「はんこレス」化が進んでいる企業も増えています。特に2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降、電子契約やデジタル署名の導入が加速しました。

とはいえ、日本国内では依然として捺印や押印が必要な場面も多く、社会人として印鑑に関する基本的な知識は欠かせません。特に契約書や申請書類など、法的効力やビジネスマナーが問われる場面では、捺印と押印の違いを理解しておくことが重要です。

この記事では、捺印と押印の違いや使い分け方について、採用担当者の視点も交えながら詳しく解説します。
 

捺印と押印はなにが違うの?署名と記名の違いについても解説

捺印と押印は、どちらも印鑑を押す行為ですが、法的効力や本人確認の観点から明確な違いがあります。特に契約書などの重要書類では、使い分けを誤るとトラブルにつながる可能性もあるため、正しい理解が求められます。

ビジネスの現場では混同されがちですが、社会人としては捺印と押印の違いを把握し、適切に使い分けることが信頼につながります。ここでは、それぞれの定義と背景について詳しく解説します。

捺印とは

捺印は「署名捺印」の略で、本人が直筆で署名したうえで印鑑を押す行為を指します。署名は本人の手書きによるものであり、筆跡によって本人性が証明されます。
たとえば、署名活動やクレジットカードのサインなどが署名の具体例です。筆跡鑑定によって本人確認が可能なため、法的にも高い証拠能力を持ちます。

契約書などの重要書類では、署名捺印が一般的に採用されており、実印が使われるケースもあります。特に印鑑証明書が必要な取引では、署名捺印が信頼性の高い方法とされています。

押印とは

押印は「記名押印」の略で、名前を記載したうえで印鑑を押す行為です。記名は本人の手書きでなくてもよく、パソコンで印字したものやゴム印でも構いません。

記名押印は、見積書・請求書・領収書などの実務書類や、社内の申請書・稟議書などで広く使われています。本人以外が代理で記名しても成立するため、効率的な運用が可能です。
ただし、署名捺印に比べると法的効力はやや劣るため、重要な契約書類では使い分けに注意が必要です。

相手方に「捺印」を依頼するときはどう書けばいい?例文を紹介!

ビジネスでは、契約書や申請書などで相手に捺印をお願いする場面が多くあります。依頼文の書き方は、相手との関係性や状況に応じて使い分けることが大切です。
社内の気心が知れた相手には、「こちらの欄にご捺印お願いします」「有給休暇申請のため、署名捺印をお願いします」など、簡潔な表現で問題ありません。
契約書や稟議書では「ご確認のうえ、捺印をお願い致します」と記載し、「お忙しいところ恐縮ですが」「お手数をおかけしますが」などの前置きを加えると丁寧です。
取引先や顧客に依頼する場合は、より丁寧な敬語表現が求められます。
「書類をご確認いただき、1枚目と2枚目にご署名ご捺印のうえ、ご返送くださいますようお願い申し上げます」
「お忙しいところ恐縮ですが、契約書をご一読いただき、問題がなければご捺印お願い申し上げます」
などが適切です。

印鑑にまつわる類語「調印」「割印」「捨印」はどんなもの?

捺印・押印以外にも、印鑑に関連する言葉として「調印」「割印」「捨印」などがあります。それぞれの意味と使い方を確認しておきましょう。

調印とは

調印は、国際条約や自治体間の協定など、大規模な契約で使われる言葉です。企業のM&Aや市町村合併などでも調印式が行われ、トップ同士が署名・捺印を行います。

割印とは

割印は、複数の書類が関連していることを証明するために、書類にまたがって印鑑を押す方法です。契約書の原本と写し、契約書と覚書などに使われます。
印影が一致することで、改ざん防止や関連性の証明になります。使用する印鑑は署名捺印と同じでなくても構いません。

捨印とは

捨印は、書類の余白にあらかじめ押しておく印鑑で、訂正印としての役割を持ちます。口座振替や委任状などで使われ、訂正が必要な場合に備えて押されます。
訂正箇所が出た際に効力を持つため、契約者が複数いる場合は人数分の捨印が必要です。契約内容の根幹に関わる訂正には注意が必要で、リスクを理解したうえで使用しましょう。

ほかにもある知っておきたい印鑑の押し方

契約書が複数ページにわたる場合、ページ間の連続性を示す「契印」が使われます。製本テープにまたがって押すことで、改ざん防止になります。
また、収入印紙と書面にまたがって押す「消印」は、印紙が使用済みであることを示すものです。認印やシャチハタでも構いませんが、消えない筆記具を使う必要があります。

捺印と押印の違いを知り、正しく使えるようにしましょう!

捺印と押印は、どちらも印鑑を押す行為ですが、署名の有無や法的効力に違いがあります。捺印は本人の直筆署名とともに行うため、証拠能力が高く、重要な契約書類に適しています。

一方、押印は記名とともに行うもので、効率的な運用が可能ですが、法的効力はやや劣ります。ビジネスパーソンとして、両者の違いを理解し、状況に応じて正しく使い分けることが信頼につながります。

採用担当者や法務部門の視点でも、書類の真正性を担保するために捺印・押印の使い分けは重要です。正しい知識を身につけ、実務に活かしていきましょう。

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記事についてのFAQ

Q. 捺印と押印の違いは何ですか?A. 捺印は「署名捺印」の略で、本人が直筆で署名したうえで印鑑を押す方法です。一方、押印は「記名押印」の略で、印字された名前やゴム印などに印鑑を押す方法です。法的効力は捺印の方が高いとされています。
Q. 契約書には捺印と押印のどちらが必要ですか?A. 契約書などの重要書類では、署名捺印(捺印)が一般的です。本人の意思と筆跡が確認できるため、法的効力が高く、信頼性も高まります。企業によっては記名押印でも受理される場合がありますが、重要な契約では捺印が推奨されます。
Q. 押印でも法的効力はありますか?A. 記名押印にも一定の法的効力はありますが、署名捺印に比べると証拠能力は劣ります。特に本人の筆跡が残らないため、真正性の証明が難しくなる場合があります。重要度に応じて使い分けましょう。
Q. 電子契約では捺印や押印は不要ですか?A. 電子契約では、電子署名や認証システムを用いることで、紙の契約書における捺印・押印の代替が可能です。ただし、企業や契約内容によっては紙の書類が求められる場合もあるため、事前に確認が必要です。
Q. 書類に割印や捨印が必要な場面はありますか?A. はい。割印は複数の書類が関連していることを証明するために使われ、捨印は訂正が必要な場合に備えて余白に押しておく印鑑です。契約書や委任状などで使用されることが多く、企業の運用ルールに従って対応しましょう。
Q. 実印と認印の違いは何ですか?A. 実印は市区町村に登録された印鑑で、印鑑証明書とともに提出することで本人性を証明できます。認印は登録されていない印鑑で、日常的な書類や社内文書などに使われます。契約の重要度に応じて使い分けが必要です。
Q. 第二新卒でも捺印や押印のルールを知っておくべきですか?A. はい。社会人として契約書や申請書に関わる機会は多く、捺印・押印の違いや使い方を理解しておくことは重要です。特に採用書類や入社手続きなどで正しい対応が求められるため、早めに知識を身につけておきましょう。

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