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ビジネストピックのキーワード「シナジー」の意味・用法や具体的事例を解説

「シナジー」はビジネス分野のさまざまなシーンで使用される機会が多く、ビジネスマンであれば正確に理解しておくべき用語の一つです。

この記事では、シナジーの意味や対義語・類義語のほか、現在の用法に定着した背景とビジネスシーンでの使い方を解説。さらに、シナジー効果の分類やシナジー効果によって業績アップなどにつなげた企業事例を紹介していきます。

シナジーの意味とその由来とは?

シナジーとは、英語の「synergy」から来ており、個人や組織が互いに作用し合い、単体で活動する以上の効果を生み出すこと、すなわち相乗効果を意味する言葉です。

シナジーは和製英語というわけではなく、英語での意味や用法をそのままカタカナ表記で用いるカタカナ英語に当てはまります。元々は、生理学や生物学分野の専門用語として主に使われていた背景があり、各部位の筋肉が共同して機能することを示す「筋シナジー」などの用法が知られています。

ビジネスシーンにおけるシナジー

一方、ビジネスの分野で、このシナジーという概念を最初に用いたのは、「経営戦略の父」とも呼ばれる米国の経営学者イゴール・アンゾフです。彼は自ら提唱した経営戦略のフレームワーク「成長マトリクス」において、シナジー効果を追求する重要性を解きました。

この理論は当時、経営戦略における画期的なアイディアと話題になり、20世紀後半よりシナジーは経営学用語としても広く使用されるようになりました。

特にビジネスにおいては、企業の業務提携やM&Aを通じて、「1+1=2」以上の効果が生まれることをシナジーと呼んでいます。

シナジーの対義語・類義語

シナジーの対義語として位置付けられるのが「アナジー(anergy)」という言葉です。通常、企業同士が連携して望み通りの成果が出れば「シナジー効果」と表現しますが、現実には全ての企業間の連携や合併が成功につながるとは限りません。

双方が想定していた成果を下回った場合、かえってデメリットや企業価値の低下が目立った場合は、それらを「アナジー効果」と呼びます。また、シナジーの対義語は「負のシナジー」という言葉で表すこともできます。

次に、シナジーの類義語の候補としては、アライアンス(alliance)、相乗効果、共鳴、化学反応といった表現が挙げられます。ただし、アライアンスはビジネスで頻繁に用いられる言葉ですが、「連携」という意味合いが強く、シナジーほどプラスの作用を語義に含むわけではありません。

一方、相乗効果、共鳴や化学反応は、2つ以上の要素が合わさり、何らかのプラスの作用が引き出される様子を強く表しています。ただし、いずれもビジネス限定の用語ではなく、科学技術やスポーツ分野などあらゆるシーンで使用されているのが特徴です。

逆に、「シナジー」をビジネスもしくは生理学分野以外であまりに多用すると、多少違和感が生じる可能性があります。

シナジーはビジネスシーンではどのように使う?例文や対話例などを紹介

ビジネスシーンにおけるシナジーは、先述したように業務提携やM&Aに関わる場面で使われるケースが非常に多いです。ここでは、シナジーのビジネスシーンでの使い方を、例文や対話例を通して紹介していきます。

シナジーを用いた例文

  • ● A社は、確かなシナジー効果を見込んでB社の買収を株主総会にて正式決議しました。

  • ● 多角化戦略の立案においては、さまざまなシナジー効果の発現に焦点を当てるべきです。

  • ● M&Aの主要な目的は、単なる企業規模の拡大のみならず、事業シナジーを創出し中長期的な競争力を高める点にあります。

  • ● 互いの長所を活かし弱点を補い合うことで、シナジーの効いた提携を実現したい双方の思惑が合致したようです。

  • ● 今回C社が、D社との業務提携の延長を断念したのは、ここ2年での事業展開が想定したほどのシナジー創出につながらなかったからです。
こうした例文のとおり、ビジネスの場面では「シナジー効果」としてシナジーを用いるケースが最も目立ちます。また、例文で紹介した「シナジー創出」という表現以外にも、「シナジーを狙う」「シナジーを追求する」「シナジーを積み上げる」といった使い方もよく見られます。

シナジーを用いた対話例

  • A:「競合のE社がF社の買収を決めたニュース見ました?」

  • B:「ついさっき見ましたよ。事業面で複数のシナジーを狙っているようですが、両社の企業風土の違いを考慮すると順風満帆とは思えないですよ。」

  • A:「確かに。合併ニュースはその時は大きく注目されますが、数年後、実はうまくいっていないという例もありますからね。」

  • B:「いずれにしろ、E社の出方もあるので、我々も来年度以降の事業計画に穴がないか再検討しましょう。」
ここでは、ある企業がM&Aを行うニュースが流れたと想定し、その競合社で働く社員同士の対話を再現しました。合併に限らず、部分的な業務提携なども増えつつあるビジネス環境においては、「シナジー」を会話中に使用するシーンもますます目立ってくるでしょう。

シナジー効果の種類と企業活動での具体的事例

シナジーはビジネスの多用な場面で使われていますが、何を対象に効果をもたらすかで事業シナジー、財務シナジー、組織シナジーの3つに分類されます。

  • 事業シナジー
    事業シナジーとは、事業推進を後押ししてくれるシナジー効果のことです。

    複数の事業者が合同することで、コスト削減、スケールメリット、人材確保、技術力向上といった事業に関わるメリットが期待できます。コスト削減では、重複した部門の見直しやカット、双方の物流の統一化、投資の重複分野の削減などを通して、業務効率はそのままに費用を抑えることが可能です。

    スケールメリットでは、生産ロットが増えることで1商品当たりの費用が抑えられ、品質などを落とさずに純利益を増やせる恩恵がもたらされます。

    人材確保については、複数の事業者が合わされば、その分人材の母集団も増加し、より適材適所な人員配置が実現します。さらに、技術力向上では、かつてはライバル同士でもあった企業が独自に培っていた技術力を共有することで、更なる技術レベルの向上や人材育成につなげることもできます。
  • 財務シナジー
    財務シナジーとは、企業の財務や税金面に生じるメリット、シナジー効果のことです。

    まず、複数の事業者が共同する場合、双方の剰余金を合算すればより有効な活用法が選択肢として広がります。事業者単体では実現できない大規模な投資に割り当てることもできますし、優秀な人材の獲得費用やさらなる買収費用に回すことも可能です。

    また、M&Aを行った場合には、買収した企業側に繰越欠損金が生じているケースがあります。そうした債務を自社に計上すれば、利益を圧縮して課税対象額を少なくする効果が生まれます。こうした節税効果も財務シナジーがもたらしてくれるメリットの一つです。
  • 組織シナジー
    組織シナジーとは、複数の組織や個々人が協力し合い、1つの組織として機能することでもたらされるポジティブな効果です。

    これまでは別組織に属していた社員が連携し切磋琢磨することで生まれる、個々のレベルアップやモチベーションの上昇、新たなアイディアの創出機会など、こうした協力・共同作業による恩恵がゆくゆくは業務全体の効率性改善や組織の生産性向上にもつながっていきます。


さらに、実際の企業活動の場面でどのようなシナジー効果が生み出されているか、業務提携、M&A、多角化戦略の3通りの事例から紹介していきます。

業務提携によるシナジー効果の企業事例

業務提携を通じてシナジー効果を獲得したケースとして紹介するのは、2018年のトヨタ自動車とスズキ間の資本提携です。

両社は長期的な提携関係を前提として、相互に株式取得を行いました。自動運転技術などグローバルな開発競争が業界の枠を超えて激化する状況を踏まえ、双方の強みを活かしながら持続的成長を実現したい両社の思惑が一致したと見られます。

具体的には、トヨタの業界をリードする電動化技術とスズキ特有の小型車技術を掛け合わせ、より競争力のある製品開発を進めるメリットが挙げられます。さらに、部品の共通化による生産コストの削減や、スズキのインドでの圧倒的な市場シェアの活用といったシナジー効果が考えられます。

M&Aによるシナジー効果の企業事例

生鮮食品宅配サービス事業大手のオイシックス・ラ・大地株式会社は、2018年に同業の「らでぃっしゅぼーや」の全株式を取得することで吸収合併に成功しました。

これにより同社は「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」という主要3ブランドを手中にし、有機野菜宅配ビジネス最大手としての地位を確立したことになります。

合併から約1年後の決算では、売上高・当期純利益ともに前年を大きく上回る伸長を示し、その後もM&Aへの積極的な姿勢で業務拡大路線を突き進んでいます。

ただし、全体の会員数が大幅に伸びる一方、従来の3ブランドの拠点や運営方法を維持したため、異なる物流システム間の調整などで課題にも直面したようです。

多角化戦略によるシナジー効果の企業事例

2018年2月、コンビニエンスストア大手のファミリーマートは、24時間利用可能なフィットネスジムを既存のファミリーマート店舗に併設させてオープンしました。

通常のコンビニ利用客はもちろん、運動前後のジム利用客からは、水分補給や栄養摂取を目的とした需要が高確率で見込めることから、結果的に全体での売上増加につなげています。

また、ファミリーマート店舗に、フィットネスジム併設という健康志向のイメージが浸透することで、さらなるブランドイメージの向上も期待されています。

同年3月には、コインランドリー事業を、やはり既存のファミリーマート店舗に併設する形でスタートし話題になりました。洗濯中の買い物やイートインスペースでの食事などを通して、ランドリー利用者による需要の上乗せを狙っています。

一般的に雨天時はコンビニ利用客が減少する傾向にありますが、雨天時こそ利用客が増えるコインランドリーを併設することで、天候に左右されない安定した集客効果が見込めるでしょう。

              

旬のビジネストピックを読み解く上でシナジーは外せないキーワード

実際の企業事例を見てもわかるように、ビジネス・経済分野の主要ニュースで扱われるような話題の多くが、少なからず「シナジー」に関わっていると実感できたのではないでしょうか。

シナジーの言葉の意味や使い方を正しく理解することは、一見複雑なビジネスの理論やノウハウを習得していく上でも大切な第一歩となるはずです。

では

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