離職票とは?退職証明書との違いや発行手続きについて

作成日:2020.01.29 更新日:2024.04.19

退職後に失業手当を受ける場合、離職票が必要です。しかし、この離職票は退職前に会社から受け取っておくことはできません。そのため、離職票のことをよく知らないと、いつまでに届くのか不安に感じてしまうでしょう。最悪の場合には離職票を発行してもらう手続きを忘れていることもあるのです。

この記事では、離職票とは何か、どのような手続きや記入が必要なのか解説します。

失業手当をもらいたい人に必須の離職票とは?

離職票とは失業手当をもらうために必要となる書類です。 退職が決まると、会社がハローワークに手続きを行い、完了後に退職者へ送付します。退職後に転職先を探す場合には、必ずもらっておくべき書類といえるでしょう。逆にいえば、すでに転職が決まっている場合は必要ありません。

POINT!

  • ● 離職票の種類は2つです。目的や使い方が違うので、違いを知っておきましょう。
雇用保険被保険者離職票-1

雇用保険被保険者離職票-1(※以降、離職票-1と表記)は被保険者(退職者)が雇用保険の資格を失ったことを通知する書類です。性別などの個人情報に加え、雇用保険被保険者番号・資格取得年月日・離職年月日・事業所の情報・喪失理由などが記載されています。

離職票-1で特に重要なのは喪失理由、つまり「事業主都合による離職」か「それ以外の離職(自己都合等)」のどちらかということです。これによって、失業手当の額や給付期間が変わるので、間違いないか確認しておきましょう。 なお、この書類と「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」は一体になっており、ここに失業手当のお金を振り込んでもらう金融機関を記述します。
雇用保険被保険者離職票-2

雇用保険被保険者離職票-2(※以降、離職票-2と表記)は離職前の賃金支払い状況と雇用保険の加入期間などが記述された書類です。 失業手当を受け取るには12カ月以上雇用保険に加入しているのが条件です。また、支給額は離職前の賃金に基づいて決まるため、このような書類が必要なのです。

離職票と退職証明書はどう違う?

離職票を「会社を辞めたことを証明するもの」と考えたときに混同しやすいのが、退職証明書です。しかし、退職証明書は全く別の書類であり、目的・用途と発行元が違います。

退職証明書の目的・用途

退職証明書は転職先の企業が、採用する人の経歴や退職の事実(在籍の事実)を確認するために使います。退職証明書は労働基準法22条において認められている証明書類の一種です。ただし、退職証明書の発行は義務ではなく、退職者が要求しない限り、会社は発行しなくてもよいとされています。

退職証明書が必要になる具体的なケースは、転職先の会社から退職証明書を提出してほしいと言われた場合です。通常、履歴書や面接で伝えた内容に間違いないか確認するために提出を求められます。退職証明書が必要になることが予想されるなら、退職前に会社に発行を頼んでおきましょう。 また、退職後2年以内なら、退職者が退職証明書を要求したら発行しなければならないことになっています。2年を越えると、退職証明書がもらえないこともあるので注意が必要です。

発行元が異なる

離職票の発行元はハローワーク、退職証明書の発行元は会社です。 書類に関する問い合わせや再発行の手続きは、基本的に発行元に対して行います。2つの書類における発行元の違いを知っておきましょう。

離職票発行手続きの流れを知っておこう

離職票の発行手続きについては、退職者側で特に難しいことはありません。会社の担当者が発行の手続きを正しく行っていれば、特に問題は起こらないでしょう。

しかし、「発行が遅れた」「発行されていなかった」というトラブルに遭う人もなかにはいます。このような事態にならないため、または対処するために、発行手続きの流れを知っておきましょう。
  • 会社に発行を依頼

    まず、会社に離職票の発行を依頼します。「転職先が決まっている」「退職後に働くつもりがない」などの退職者もいるため、頼まないと発行してもらえない可能性があるからです。退職届を出しただけでは手続きに入っていない可能性があるので注意しましょう。社内の担当者などに離職票をもらいたい意思をしっかり伝えておきます。

  • 会社がハローワークに「離職証明書」を送付する

    退職者から発行を要求された会社は、ハローワークに「離職証明書」を提出します。離職証明書は正式名称を「雇用保険被保険者離職証明書」といい、従業員を雇用保険から脱退させるための書類です。会社側の手続きなので退職者が何かする必要はありませんが、心配な場合は、手続きが完了したか確認しておきましょう。

  • ハローワークで発行され会社に送付

    離職証明書を受け取ったハローワークは不備がないか確認します。この段階で、退職者が提出した退職届などを資料として、離職理由などが客観的にみて正しいかなどを審査するのです。問題がなければ、ハローワークは離職票を発行して会社に送ります。

  • 会社から受け取る

    退職者のほうにも記入すべき欄があります。会社は受け取った離職票に必要事項を記入した後、退職者に送付します。それを受け取った退職者は内容を確認して、個人番号や離職内容など(後述)を記入しましょう。内容に問題がなければハローワークに提出します。離職票が受理されると、失業手当が給付されます。

離職票には何を書けばいいの?

失業手当をもらうためには、正しい内容を記入することが必要です。 ここでは、離職票に何をどのように書けばよいのか、具体的に解説します。

離職票-1には個人番号を記入

離職票-1には、個人番号を記入します。 個人番号とはマイナンバーのことで、平成28年度から記入欄ができました。注意が必要なのは、ハローワークに来所した際に記載することです。窓口に来る前に記入しないようにしましょう。氏名や被保険者番号はすでに記入されているので、他に退職者が書く内容は付属した「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」の部分だけです。振込先の金融機関や口座番号などとともに、金融機関による確認印が必要になるので用意しておきましょう。 ただし、ハローワークに通帳を持っていく場合は必要ありません。

離職票-2には離職理由を記入

離職票-2では離職理由を記入します。 「離職者記入欄」という項目があるので、該当する退職理由を選んで丸を付けましょう。通常、この退職理由と会社側が記入した退職理由は同じはずです。退職理由について会社と認識の違いがあれば、ハローワークに伝えましょう。内容に問題がなければ、署名と捺印をして提出します。

その他記載内容チェック

記入項目の多くは、会社・ハローワークがすでに記入しています。内容に間違いがないか、一通りチェックしておきましょう。 特に離職年月日と賃金額は重要です。これによって、失業手当の期間や給付額が変わってくるので、間違いがないかよく確認しておきましょう。賃金額を確かめるためには、給与明細と照合するなど手間がかかりますが、念のためしっかり確認しておくことが大切です。

離職票に関してよくある質問と回答を紹介

ここでは、よくある疑問と回答を紹介します。

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退職後いつごろまでにもらえるの?
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通常、退職後、2~3週間以内に届きます。 会社側はハローワークに対して、退職日の翌日から10日以内までに、発行手続きをしなければなりません。仮に10日目にこの手続きを行ったとしたら、ハローワークが発行して会社に送付して届くまで、数日はかかるでしょう。それから、会社が退職者に送付して届くまでには、さらに数日かかります。そのため、離職後10日目に手続きをしたとしても2週間程度、おそければ3週間程度が目安になります。

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2週間たっても届かない場合?
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退職日翌日から10日目で発行の手続きを会社がしたとしても、遅くとも3週間で届くはずです。通常はもっと早く手続きをするため、2週間以上経つと、要注意といえます。2週間以上経過しても届かない場合、会社に問い合わせても失礼にはなりません。会社に連絡すれば、少なくとも会社側が手続きを完了しているかどうかは確かめられます。

離職票が届かない理由で最も多いのは、会社側が手続きをしていないことです。この場合は、離職票が必要だと会社に伝えていないことが原因の場合や、連絡ミスで伝わっていなかった場合が考えられます。 また、単に担当者が忘れてしまっている場合もあるでしょう。いずれにしても、もう一度発行してほしいことを伝えれば、手続きをしてもらえます。ただ、発行まで時間がかかるため、失業手当の開始日が遅れてしまうのは仕方ありません。会社側の責任の場合は、ハローワークに相談してみてもよいでしょう。 また、ハローワークの業務が滞り、離職票が届かないことがあります。毎年3月と9月は離職者が多いため繁忙期です。大幅に遅れることはないはずですが、通常より発行が遅れることも考えられます。 最後の原因は、会社側が意図的に発行手続きをしていない場合です。まれなケースですが、嫌がらせのひとつとして発行手続きをしない会社もあるようです。しかし、こうした行為は明らかな法律違反です。このような場合は、会社側に連絡しても解決できないことが多いため、まずハローワークに相談しましょう。
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再発行はできる?
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再発行は可能です。 すぐに離職票が必要な場合は、退職した会社を管轄しているハローワークに行きましょう。最短で即日発行が可能です。 その他のハローワークで再発行をしてもらう場合には、通常1週間程度かかります。また、郵送での再発行の申請も可能です。ハローワークのWEBページから申請書のダウンロードとプリントアウトができるので、必要事項を記入して送りましょう。専用のツールと電子証明書を持っている人は、電子申請も可能です。

退職した会社に対して再発行を依頼することも可能です。会社に再発行の手続きをしてもらい、自宅に離職票を送ってもらえます。 ただし、会社に対してハローワークに提出する離職証明書の保管が義務付けられている期間は4年です。それを過ぎると再発行できないこともあります。この場合は、ハローワークで発行してもらいましょう。ただ、再発行は会社の迷惑になりますし、退職後は連絡しにくいものなので、ハローワークで再発行手続きをするのが一般的といえます。

退職後に不安にならないように離職票の手続きをしっかりしておこう

退職後に失業手当をもらうために必要な書類が離職票です。失業手当の開始日から支給してもらえるよう、しっかりと手続きを進めていきましょう。個人番号(マイナンバー)など自分で記入しなければならない情報もあるため、書き方についても知っておきましょう。退職後に離職票について疑問があれば、ハローワークに行けば相談に乗ってもらえます。

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