ここ数年で働き方は大きく変わり、「在宅勤務ができる会社で働きたい」「在宅勤務の求人をどう探せばいい?」と考える20代社会人・
第二新卒・
既卒の方が増えています。
一方で、求人票に「テレワーク可」と書かれていても、必ずしも“自宅で働ける”とは限りません。テレワークの種類(在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務)を知らないまま応募すると、入社後のミスマッチにつながることもあります。
そこで本記事では、在宅勤務とテレワークの違いを整理し、在宅勤務のメリット・デメリット、在宅勤務の実施状況の見方、在宅勤務で集中できないときの対策、そして完全在宅勤務の求人の探し方まで、採用現場で重視されやすい確認ポイントとあわせて解説します。
在宅勤務とテレワークの違い(在宅勤務とテレワークの違い)を解説
在宅勤務とテレワークは、どちらも会社に属しながら社外で働くスタイルを指します。言い方を変えると、社外勤務の一種です。
違いは「働く場所」の範囲にあります。在宅勤務は原則として自宅が勤務場所になりますが、テレワークは自宅以外の場所で働くケースも含みます。リモートワークと在宅勤務の違いを調べている方は、まずここを押さえると整理しやすいでしょう。
社外勤務の総称がテレワークであり、テレワークの種類を分けると在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3つが代表的です。求人票の「テレワーク可」はこのいずれかを指している場合があるため、応募前に労働形態を確かめることが大切です(「テレワーク可」求人の注意点)。
採用担当者は「入社後に働き方の認識ズレが起きないか」を重視する傾向があります。面談や選考の場では、勤務場所・出社頻度・利用可能な場所(自宅/サテライト等)を具体的に確認しておくと安心です。
在宅勤務とモバイルワークの違い
モバイルワークとは、場所や時間に縛られずに働けるスタイルを指します。自宅に限定される在宅勤務とは異なり、外出先も含めて柔軟に働ける点が特徴です。
カフェ・図書館・自宅・サテライトオフィスなど、さまざまな場所で勤務できるため注目されています。ただし、場所によってはセキュリティや通信品質の制約があり、できる作業が限られることもあります。
どちらかというとモバイルワークは、移動時間や空き時間を活用する目的で導入されるケースが多い働き方です。自分の職種・業務で成立するかを、求人情報や面談で具体的に確認しましょう。
在宅勤務とサテライトオフィス勤務の違い
サテライトオフィス勤務とは、自宅ではなく、都市・地方・郊外などに設けられた小規模なオフィスで働くスタイルです。自宅が勤務場所になる在宅勤務とは働く場所が異なります。
本社・支社・支店と比べると、必要な設備に絞ったオフィスであることが一般的です。通勤の負担を減らしつつ、オフィス環境で集中して働ける点がメリットになりやすいでしょう。
営業先や取引先との移動が多い場合、あるいは長距離通勤の社員が多い場合に取り入れられる傾向があります。求人票では「サテライト利用可」「指定拠点への出社あり」などの記載がないか確認しておくと、認識違いを防げます。
テレワーク相談可の求人はこちら
在宅勤務のメリット・デメリット(在宅勤務のメリット・デメリット)を紹介
在宅勤務は慣れれば快適だといわれる一方で、合う・合わないが分かれやすい働き方でもあります。特に20代は業務の習熟やコミュニケーションの取り方で悩みやすく、事前にポイントを押さえることが大切です。
在宅勤務が良いか、それ以外の勤務形態にするか迷っている方は、メリットとデメリットを整理し、「自分の業務で何が起きそうか」を具体的に想像してみましょう。
在宅勤務のメリット
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- 通勤時間が短くなってプライベートの時間を確保しやすい
- 在宅勤務の大きなメリットは、通勤にかかっていた時間を削減できる点です。移動が減ることで、睡眠・学習・資格勉強などに時間を回しやすくなります。
また、生活のリズムを整えやすくなり、仕事と私生活の両立を目指しやすい点も魅力です。応募先を選ぶ際は「出社頻度」「コアタイムの有無」なども合わせて確認すると、生活設計がしやすくなります。
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- 育児・介護に柔軟に対応できる
- 在宅勤務であれば、育児や介護など家庭事情がある場合でも、働き方の選択肢が広がります。採用現場でも、事情そのものより「業務の進め方をどう工夫できるか」を見られることが多いため、働ける時間帯や連絡手段の希望は整理しておきましょう。
産休や育休の取りづらさから職場復帰を諦めてしまったり、介護で両立ができないからと離職してしまったりするケースは少なくありません。
総務省統計局が行った平成29年就業構造基本調査によると、育児中の男性の有業率が98.9%だったのに対し、女性の有業率は64.2%でした。
育児中でも働く女性は年々増えていますが、男性と比べて出産後の職場復帰が難しいことが分かります。
また、同調査により、介護をしている男性の有業率は65.3%、女性の有業率は49.3%という結果が報告されています。
介護をしなくてはならないケースでは、男女ともに離職せざるを得ない状況に追い込まれているのです。
在宅勤務であれば、子どもや親の様子をうかがいながら仕事に就けるため、柔軟に対応しやすいでしょう。無理なく働くためにも、制度の有無だけでなく「運用ルール(緊急時の連絡、業務の引き継ぎ)」も確認しておくと安心です。
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- 対人ストレスが少なくなる
- オフィス勤務では、上司・同僚・部下とのコミュニケーションが日常的に発生します。対面のやり取りが負担になっている場合、在宅勤務によりストレスが軽減されることがあります。
一方で、完全にコミュニケーションが不要になるわけではありません。チャットやオンライン会議でのやり取りが中心になるため、連絡の頻度や報告の粒度を工夫すると、働きやすさが上がります。
在宅勤務のデメリット
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- コミュニケーション不足に陥る
- 在宅勤務の場合、オフィス勤務よりも雑談や相談が起きにくく、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。特に20代や第二新卒は、ちょっとした確認が遅れると学習機会が減りやすい点に注意が必要です。
同じ部署やチームで働く人が全員在宅勤務であれば、やり取りの前提が揃っているため、連絡手段も整備されやすいでしょう。
しかし、部署・チーム内で在宅勤務の人が少ない場合は、自分から発信しないと意志疎通が難しくなる可能性があります。定例の1on1、朝会、チャットでの進捗共有など、関係を保つ仕組みがあるかを確認すると安心です。
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- 自宅での作業だと気持ちの切り替えが難しい
- 在宅勤務では自宅で作業をするため、休憩と仕事の切り替えが課題になりやすいです。切り替えがうまくいかないと、だらだら作業してしまったり、逆に集中できない状態が続いたりします。
気持ちの切り替えが難しいと、作業が終わらず長時間労働の原因になることもあります。開始・終了の時間を決める、タスクを小さく区切る、休憩のルールを作るなど、自己管理の工夫が大切です。
仕事をするデスク周りには私的な物を置かず、集中できる環境を用意しましょう。自宅が難しい場合は、サテライト利用や出社日設定など、働き方の選択肢も検討すると改善しやすいです。
在宅勤務を採用している企業は増えているってホント?
2020年4月の緊急事態宣言の発令以降、民間企業のテレワーク導入は急速に進みましたが、2022年以降は減少傾向が続いています。
総務省の
令和7年版通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業の割合は47.3%でした。
この調査は令和6年8月末時点の世帯・企業における情報通信サービスの利用状況を対象に実施されたものです。
従業員数が多い企業ほど、在宅勤務を制度として整備・運用している傾向が、最新の調査でも確認できます。
厚生労働省「令和7年度 テレワークの労務管理等に関する総合実態調査【概要版】」では、企業規模が大きくなるほど在宅勤務の導入・実施率が高まり、特に大企業では「制度として認めている」割合が高いことが示されています。
また、単に「在宅勤務制度があるか」だけでなく、それが就業規則や付帯規定に明記された正式な制度なのか、上司の裁量や慣行ベースなのか、さらにどの職種・業務が対象なのかまで見極めることが大切です。
この点については、厚生労働省のテレワークガイドラインでも、導入時に対象業務・対象者の範囲、利用頻度、費用負担などをあらかじめ明確にしておく重要性が示されています。
1000人以上の従業員がいる企業では、同概要版によると、67.1%が「就業規則や付帯規定等に明記し、会社の制度として認めている」と回答し、8.0%が「制度はないが、上司の裁量や習慣として実施する従業員がいる」と回答しました。
つまり、合計75.1%の企業で在宅勤務が導入・実施されており、大企業ほど在宅勤務を“制度として整える”傾向が強いことが分かります。
在宅勤務を導入している企業の運用実態とは?
在宅勤務を導入している企業でも、その運用は一様ではありません。
令和7年度調査の概要版を見ると、テレワーク導入企業の今後の意向として、48.7%が「今後も現状と同程度に利用を維持したい」と回答し、18.4%が「自然災害や感染症の流行など、緊急時の臨時的な運用に限って認めたい」、8.6%が「今後は利用を拡大したい」と答えています。
制度があっても、常時フルリモートとは限らず、利用頻度や対象部署には企業差があるとみるのが実態に近いでしょう。
そのため、求人を見る際は「在宅勤務可」という表現だけで判断せず、週に何日まで利用できるのか、対象部署・対象業務はどこか、出社が必要になるタイミングはいつかまで確認するのがおすすめです。
厚生労働省のガイドラインでも、テレワークの対象業務は一律ではなく、仕事内容の見直しによって実施可能性が変わるため、対象業務を明確にしておくことが重要だと説明されています。
在宅勤務が可能な業界は?
業種別にみると、情報通信業で在宅勤務の導入・実施が特に進んでいます。
厚生労働省の令和7年度調査【概要版】では、情報通信業197社のうち、60.0%が「会社の制度として認めている」、23.3%が「制度はないが、上司の裁量や習慣として実施する従業員がいる」と回答しており、合計83.3%が在宅勤務を導入・実施していました。
一方で、宿泊業・飲食サービス業や医療・福祉など、業務の性質上、在宅勤務が広がりにくい業種もあります。
テレワークガイドラインでも、業種・職種によってテレワークの難しさはあるものの、個別の業務内容によっては実施可能な場合があるとされており、「業界」だけでなく「担当業務」がデジタル中心かどうかを見ることが重要だと考えられます。
PCやクラウドを使った作業が中心の職種は、在宅勤務との相性が比較的よい傾向があります。
転職活動では、「PCで完結しやすい業務か」「紙・対面・現場対応がどの程度必要か」を基準にすると、在宅勤務のしやすさを判断しやすくなります。
在宅勤務手当はもらえる?
在宅勤務では、通信費や光熱費、機器の準備費用などが発生することがあります。
実際、厚生労働省「令和7年度 テレワークの労務管理等に関する総合実態調査 報告書」でも、企業の「会社からの費用負担・貸与状況」が確認項目として設けられており、制度の有無だけでなく、実際にどこまで会社が負担しているかを把握できる構成になっています。
費用負担の考え方については、厚生労働省/テレワーク総合ポータルのQ&Aで、テレワークによって労働者に過度な負担が生じることは望ましくないとされており、情報通信機器、通信回線費用、水道光熱費などを会社と個人のどちらがどのように負担するか、あらかじめ労使で十分に話し合い、ルール化しておくことが望ましいと案内されています。
同Q&Aでは、通信費を一定額会社負担とする例や、水道光熱費をテレワーク勤務手当に含めて支払うケースも紹介されています。
また、厚生労働省「確かめよう労働条件Q&A」でも、パソコンや通信回線、水道光熱費などについては、企業ごとのルールを就業規則等で定めておくことが望ましいとされています。
そのため、求人票や面談では、在宅勤務手当の有無だけでなく、PCや周辺機器の貸与、通信費の補助、光熱費の扱い、固定支給か実費精算かまで確認しておくと安心です。
なお、制度面を確認したい場合は、厚生労働省のテレワークモデル就業規則も参考になります。
ここでは、テレワーク勤務を導入する際に、通信費などの負担に関する規定を就業規則に定める必要があることが示されています。
在宅勤務の環境を整えて集中力を高める(在宅勤務の環境を整える)
厚生労働省では、自宅でテレワークを行う際に作業環境を整備するよう推奨しています。体調や精神面への影響を考えて、安全衛生規則と同じレベルの作業環境にするよう促しているのです。
作業部屋は、設備が占める容積を除いて10立方メートル以上の空間を確保し、机上の照度を300ルクス以上にするのが望ましいとされています。
狭くて暗い部屋で作業をしているとストレスが溜まるだけでなく、肩こりや頭痛、目の疲れを引き起こす原因となります。集中できない状態が続くとパフォーマンス低下にもつながるため、できる範囲で改善しましょう。
また、ディスプレイに関しても照度500ルクス以下にし、輝度やコントラストを調整して目に負荷がかかり過ぎないようにしましょう。
椅子やデスクは自分に合ったものを選ぶ
在宅勤務の際は、作業中に座る椅子もしっかりとしたものを選ぶのが大切です。肘掛け・背もたれつきで、背が十分に当てられるものを選んでください。
安定して楽に移動でき、かつ座面の高さ・傾きを調整できる椅子だと、体への負担を減らしやすくおすすめです。長時間座る前提だからこそ、疲れにくさは集中力にも影響します。
また、在宅勤務で使うデスクは、パソコン・モニターなど必要なものを配置できる広さにすると、作業スペースに困りにくくなります。机上が散らかると切り替えもしにくいため、片付けやすさも意識しましょう。
パソコン・モニターを別々に設けると、画面の開閉が減り、作業効率を上げる一因になります。高さは体型に合ったもの、もしくは調整できるものを選び、正しい姿勢をキープできるようにすることが大事です。
あると便利な在宅勤務グッズ
在宅勤務では、ビデオ通話で会議をする企業が増えています。オンライン会議が多い職場では、音声品質が評価にも影響するため、最低限の準備はしておくと安心です。
会社からWebカメラつきのパソコンは支給されても、マイクつきのイヤホンは用意してもらえない可能性があるので、事前に準備しておくと便利です。あわせて在宅勤務のネットワーク環境も見直し、通信が不安定にならないようにしておきましょう。
さらに、アロマディフューザー・加湿器・空気清浄機などがあると、部屋の空気や匂いが気になりにくくなります。環境ストレスが減ると、在宅勤務で集中できない状態の予防にもつながります。
また、在宅勤務中は近隣の音が気になることもあります。空気清浄機のような家電を起動させて無音状態を避けると、物音に敏感になりにくくなるでしょう。
無音状態ではちょっとした物音が気になってしまうので、同室内で雑音を発生させると、外から聞こえる音で集中力が切れにくくなります。
在宅勤務求人(完全在宅勤務求人)の探し方と応募前の確認
在宅勤務の体制を導入している企業に勤めたい場合は、求人情報の勤務場所の項目に「在宅勤務歓迎」などと明記されているものを中心に検討しましょう。在宅勤務の求人を探すときは、条件の読み違いを防ぐことが重要です。
在宅勤務の制度を採用している企業では、完全在宅勤務の求人や週2日在宅勤務など、求人情報に条件が提示されることが多いです。ただし「テレワーク可」とだけ書かれている場合、サテライトやモバイルを含むこともあるため、「テレワーク可」求人の注意点として確認が欠かせません。
応募に関しては、在宅勤務ができる環境が整っていることを前提としている傾向があります。採用担当者は「自己管理できるか」「オンラインで滞りなく業務が進むか」を見ているため、準備状況を言語化できると安心感につながります。
事前に、デスク・椅子・モニター・ネットワーク環境は用意しておくと安心です。必要に応じて、Web会議の頻度やセキュリティルール(VPNなど)も確認しておきましょう。
在宅勤務の求人に応募してみよう(20代向けの進め方)
自然災害が多く、少子高齢化社会の日本では、人材不足を補う選択肢として在宅勤務を取り入れる企業は増えていくでしょう。働き方の多様化に伴い、在宅勤務を選べる求人も広がっています。
在宅勤務の求人はエンジニア職が多い状態ですが、他の職種でも導入が進むケースがあります。まずは「業務がオンラインで完結しやすいか」「成果が可視化しやすいか」を基準に、求人を比較すると選びやすいです。
在宅勤務の企業を検討している人は、在宅勤務のメリット・デメリットを踏まえたうえで、勤務条件(出社頻度・評価制度・コミュニケーションの仕組み)まで確認して応募を検討してみてはいかがでしょうか。