メタ認知とは?その概要と4つの要素、高め方を徹底解説!

作成日:2023.12.28 更新日:2024.04.19

ビジネスにおいて必要とされるスキルにはさまざまなものがありますが、メタ認知能力もそのひとつです。とはいうものの、メタ認知能力とは一体何を意味するのか今ひとつよく分からない、という人もいるでしょう。
そこでこの記事では、そもそもメタ認知とは何か、メタ認知能力が高い人や低い人はどのような人か、どのようにしてメタ認知能力を高めればよいのか、詳しく解説します。

そもそもメタ認知とは?

メタ認知は、元々心理学の世界で用いられていた言葉でした。メタ認知におけるメタとは、「高次の」「超越的な」という意味です。

たとえば、メタフィクションという言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。メタフィクションとは、そもそもフィクションである物語のなかで「これは物語である」と描写されている物語のことです。 メタフィクション作品は、その作品自体が物語に対して客観的であるわけです。 このメタという概念を最初に定義したのは、ジョン・H・フラベルというアメリカの心理学者だといわれています。

フラベルは1976年、自身の研究においてメタ記憶について定義しました。 その後、同じくアメリカの心理学者であるA・L・ブラウンがメタ理解やメタ注意などについて研究を始めたことにより、メタ概念の総称であるメタ認知、という言葉が広まっていったのです。

なお、心理学における認知とは、事物や事象について知ること、あるいはその過程です。たとえば、知覚や記憶、思考などを意味します。 つまり、メタ認知とは、自分の認知についてメタ(高次的、超越的)であることです。このメタ認知という言葉はその後教育の分野に取り入れられ、やがてビジネスの世界でも使われるようになりました。

ビジネスにおけるメタ認知は、一般的にはセルフモニタリングとセルフコントロールを上手くできる能力を指します。

メタ認知における4つの要素と2つのタイプ

メタ認知によって自分自身の価値観を深掘りし、客観的に見るためには、4つの要素に注目することが必要だといわれています。

4つの要素とは、意見、経験、感情、価値観です。具体的には以下の通りです。

・意見:自分の好きなものや嫌いなもの
・経験:そのような意見を持つにいたった背景のこと
・感情:その経験をしたときの気持ち
・価値観:自分の意見や経験、感情によって育まれた、他人とは一致しない自分自身の価値観

自分自身の価値観の背後に意見や経験、感情があることを理解できれば、それを客観視できるようになるでしょう。このように、自分の認知について理解し、客観視することをメタ認知的知識と呼びます。知識に関する知識です。先述したように、自分の短所や長所に関する自己分析のような、認知的な傾向や特性についての知識を意味します。また、そうした自分の短所や長所を踏まえたうえでどのような課題が生じるのか、といった性質が認知活動に及ぼす影響についての知識です。

メタ認知的知識のさらに先にあるのが、メタ認知的技能です。メタ認知的活動とも呼ばれます。たとえば、先程行ったセルフモニタリングであれば自分の長所や短所についてメタ認知的によく把握したうえで、現在の自分自身の状況を確認したり、何らかの対策を講じたりする必要があるでしょう。その能力をメタ認知的技能やメタ認知的活動と呼びます。

このメタ認知的技能は、メタ認知的モニタリングメタ認知的コントロールの2つに分けられます。メタ認知的モニタリングとは、認知活動についての気づきや感覚、予想、点検、評価といった活動です。メタ認知的コントロールは、モニタリングした認知活動について目標設定や計画の策定、修正を行うことを意味します。

メタ認知能力が高いのはどのような人?

メタ認知能力が高い人は、以下の特徴を持っています。
  • ◯自分の思考や感情を客観的に把握できる

    メタ認知能力が高い人の特徴としてまず挙げられるのは、自分の思考や感情を客観的に把握できることです。そのため、自分の思考や感情に振り回されることなく、冷静な判断や行動ができます。


    たとえば、誰かと意見が食い違ったりケンカになってしまったりしても、なぜ相手がそのように考えるのか、相手はどのように感じたのかを客観的な視点から分析し、考えることができるため、自分の意見や感情に固執することがありません。

    ◯自分の強みや弱みを理解している

    メタ認知能力が高い人は、自分の強みや弱みを理解しています。そのため、どうすれば自分の能力を最大限に発揮できるのかを考え、行動できるでしょう。

    具体的な目標を立てられるため、仕事に対するモチベーションも高くなります。現状を適切に把握することは、成長意欲を高めることにつながるためです。

    ◯他者の思考や感情を理解できる

    メタ認知能力が高い人は、多面的にものを考えることができます。そのため、他者の思考や感情についてもよく理解できることが特徴です。

    このことは、他者と円滑にコミュニケーションをとることにつながるでしょう。その協調性の高さから、リーダー的な立場にも向いています。

    ◯柔軟性が高い

    メタ認知能力が高い人は、常に自分に必要なものは何かを把握する能力があるのも特徴です。たとえば、計画通りに物事が進まないときや新しい情報や考え方に適応しなければならないとき、状況に大きな変化が訪れたときなどでも柔軟に対応できるでしょう。

    また、全体の状況を把握できるため、同じ失敗を繰り返さず改善へとつなげられます。

メタ認知能力が低いのはどのような人?

一方、メタ認知能力が低い人の特徴は以下のとおりです。
  • ◯周囲と上手くコミュニケーションが取れない

    メタ認知能力とは、自分自身の認識や思考過程をモニタリングし、コントロールする能力です。この能力が低いということは、自分自身の思考や感情、行為が他人にどのような影響を及ぼすのか、ということに対する理解が不足している、ということでもあります。

    そのため、周囲から自分勝手だとか空気が読めない、と思われてしまう可能性があります。状況の変化に適応することも難しくなるでしょう。 また、メタ認知能力には自分自身の行動とその結果について考える能力も含まれます。反省することが苦手な結果、周囲と上手くコミュニケーションが取れなくなることもあるでしょう。

    ◯計画を立てられない

    メタ認知能力は、思考や認知プロセスを理解、分析、制御する能力のことです。そのため、メタ認知能力が低いと計画を立てるのが苦手になってしまう可能性があります。


    なぜなら、そのような人は自分自身の認知と行動のパターンを理解するのが難しいからです。自分自身の認知と行動のパターンを理解できなければ、自分に合った最善の計画を立てることも難しくなるでしょう。 また、メタ認知能力には自分の目標を設定し、それに対する戦略を考える能力も含まれています。この能力が低いと、明確な目標を設定することが難しくなってしまいます。

どのようにしてメタ認知能力を高めればいいの?

それでは、一体どのようにしてメタ認知能力を高めればよいのでしょうか。メタ認知能力を高めるための具体的な方法にはさまざまなものがあります。以下、そのうちのいくつかの方法を詳しく解説します。
  • 自分の思考や感情を記録する
    まず挙げられるのは、自分の思考や感情を記録することです。フリーライティングとも呼ばれます。考えたことや感じたこと、行動したこと、そのときの状況などを具体的に書いてみましょう。 自分自身の思考や感情を記録することで、客観的に把握できるようになります。読む相手のことを意識しながらSNSなどで自分の意見を発信するのもひとつの方法です。また、記録を続けることで、自分の思考や感情のパターンや傾向が見えてきます。 その結果、自分の思考や感情に振り回されないようにするための対策も、立てられるようになるでしょう。
  • セルフモニタリングとコントロール
    セルフモニタリングとは、自分の強みや弱みを分析することです。自己評価シートなどを使ってセルフモニタリングを行うことで、自分の能力を最大限に発揮できるような方法で物事に取り組めるようになるでしょう。 また、他人からのフィードバックも有効です。第三者の意見を参考にすることで、自分の強みや弱みをより客観的に把握できるようになります。 セルフモニタリングを行ったら、それをコントロールする訓練を行いましょう。
    そのために重要なのは、目標を明確にすることです。 そうして必要なステップを洗い出しましょう。それぞれのステップに期限を設定することも大切です。具体的な計画を立てて実行するだけでなく、必要に応じて修正を加えるようにもしましょう。
  • 他人の思考や感情を理解する練習をする
    他人の思考や感情を理解する練習をすることで、他者と円滑にコミュニケーションをとるためのスキルを身につけられます。そのためにまず重要なのは、他者の視点に立って物事を考えることです。 他人の表情や仕草から、その人の感情を読み取ってみましょう。
    自分とは違う考え方や立場の人と積極的に接するように心がけるのもおすすめです。 そうすることで、ものの見方や考え方が決してひとつだけではないことが分かります。メタ認知能力を高めて客観的になるには、自分の考え方は偏っているのかもしれない、と気づくことが大切です。
  • 瞑想する
    瞑想にはメタ認知能力を高める効果があるといわれています。なぜなら、瞑想は心の状態や思考パターンに対する認識を高めることを目指しているからです。 これは、まさにメタ認知の本質的な要素と一致します。瞑想にもさまざまなものがありますが、特にGoogleなどの有名企業が導入していることで知られるマインドフルネス瞑想がおすすめです。
    マインドフルネス瞑想は、現在の体験に集中し、自分自身の感情や思考を客観的に観察することを強調しています。この瞑想によって自己認識が向上すれば、自分自身が自己の思考や感情に対してどのように反応するかをよりよく理解できるようになるでしょう。
    また、瞑想をすると扁桃体が小さくなる、というデータもあります。扁桃体は、怒りを感じたときや高いストレス状態にあるときに活性化する、といわれている脳の部位です。メタ認知能力もまた、そのような状態では低下するといわれています。 そのため、瞑想によって期待できる効果のひとつでもあるストレスの軽減も、メタ認知能力の向上に役立つでしょう。

    まとめ

    今回はメタ認知についてご紹介しました。メタ認知能力が高い人は客観的に自分自身のことを把握でき、その上柔軟性も高いなど転職市場でも評価されやすい人材と言えます。今回はメタ認知能力の高め方も紹介していますので、ぜひ参考にして、転職活動に活かしてください。

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