退職後、次の仕事が決まるまでの間は、条件を満たすと 雇用保険の「基本手当」(一般に「失業手当」「失業保険」と呼ばれることも) を受給できます。受給には ハローワークで受給資格の確認が必要です。 本記事では、基本手当の仕組み・受給条件・金額の考え方・手続きの流れ、受給の注意点を解説します。 この記事では、失業保険についての説明や必要な受給資格について詳しく解説していきます。また、もらえる金額の計算方法や退職から受給までの流れについても解説していきます。
基本手当(いわゆる失業保険/失業手当)とは、離職後、働く意思と能力があり、求職活動を行っている人 が、再就職までの生活を支えるために受給できる手当です。 会社都合だけでなく、自己都合退職でも雇用保険の加入期間などの条件を満たせば受給できる場合があります。 雇用保険制度とは、企業で働く労働者の雇用の安定や促進を目的に作られた制度のことをいいます。失業してしまうと次の仕事が見つかるまでの間は、収入が途絶えてしまうため、生活が安定しなくなります。 そうすると、次の就職先をスムーズに見つけることができなかったり、一刻も早く生活費を稼ぐためにアルバイトなどに妥協したりなど、社会全体の雇用が安定しません。
この保険制度は、失業者の生活を安定させ、転職を支援するとともに、企業で働く労働者の雇用を安定させる目的があるのです。しかし、次の仕事が見つかるまで、いつまでも受給できるわけではありません。 また、失業保険を受けられる期間やもらえる金額は、失業理由や前職の年収によっても変わるため、事前に確認しておきましょう。失業手当を受けるには注意点があります。受給の内容と注意点をしっかり理解して、自分にとってよりよい選択をしましょう。
支給される金額は、今までの給料の全額をもらえるわけではありませんが、そのうちの何割かを受け取ることが可能です。 手当が支給される期間は、退職理由によってさまざまですが、一般被保険者の場合、条件を満たしていれば原則90日間受け取ることができます。失業すると収入がゼロになってしまうため、ある程度の貯金がなければ生活していくことが困難になってしまうでしょう。 失業手当を受給することで、生活を安定させながら転職活動を行うことができます。
また、貯金がある場合でも、仕事を見つけるまでの間は生活費を支払うことになるため、貯金額が減っていくばかりで不安になるケースもあるでしょう。早く仕事を見つけないと、生活費がなくなってしまうというプレッシャーを抱えながら転職活動を行うのは、精神的に大きな負担がかかります。 失業手当を受けることで、一定額の収入がある状態で転職活動ができるため、精神的負担を軽減できます。 ・転職先をじっくり選ぶことができる収入ゼロの状態で転職活動をすると、焦りから転職先を妥協してしまう可能性があります。一定額の収入がある状態で転職活動をすることで、希望通りの転職先を見つけられる可能性が高まります。お金をもらえる期間は人によって異なりますが、受給期間中に転職先が決まることもあるでしょう。
この制度は、転職先が早く決まった場合でも、再就職手当がもらえるといったメリットもあります。 参考記事:再就職手当ってどうやってもらうの?申請から受給までの流れこの制度を受けると、仕事を失っても一定期間の生活費を手に入れることができますが、デメリットもあるため、受給する前にはしっかり確認しておくことが大切です。
・失業手当を受ける間は、雇用保険の加入期間が通算されない 失業手当の受給に使った雇用保険の加入(被保険者)期間は、原則として次回の受給資格の算定にそのまま通算(使い回し)されません。 失業手当は加入期間が長いほど所定給付日数が増えるケースがあるため、次に離職したときも見据えて判断しましょう。 ・手当をもらいながらじっくり転職先を選んでいると職歴に空白期間ができる 職歴に空白期間があると、企業によっては転職活動にマイナスになるケースもあるので注意が必要です。 何カ月間も仕事をしていない状態が続くと、働くことが嫌になってしまうケースもあるので注意しましょう。自分では大丈夫だと思っていても、働かなくてもお金をもらえることで、転職活動を先延ばしにしてしまう可能性があります。 転職活動を先延ばしにすると、空白期間が長くなり、転職に不利になっていきます。最悪の場合は、支給期間が過ぎても転職先を見つけることができずに、生活ができなくなってしまう可能性もあるということを理解しておきましょう。失業保険は、失業したからといって全ての人が受けられるわけではありません。 手当をもらうためには、ハローワークに受給資格があると判断してもらう必要があります。そのためには、いくつかクリアしなければならない条件があるのです。
これは、自己都合退職の場合と倒産やリストラといった会社都合の場合では異なってきます。自己都合退職の場合は、以前勤めていた会社の雇用保険に加入していた期間が、失業日までの2年間で12カ月以上あることが条件です。 雇用保険の加入期間は、離職日からさかのぼって「1カ月ごと」に区切り、その月に「賃金支払の基礎となった日数が11日以上」または「賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上」ある月を1カ月として数えます。
自己都合退職の場合、失業手当(基本手当)は「待期(7日間)」に加えて「給付制限期間」が設けられます。基本手当は、原則4週間(28日)ごとの「失業認定」を受けたうえで、認定された分が支給されます。振込は、認定日からおおむね1週間後が目安です。たとえば、受給期間が90日の場合は、28日分を3回、残り6日分を1回もらうことができるということです。
計算例: 6カ月分の給与総額から180日を割った金額が4000円の場合 基本手当日額は4,000円 × 80%=3,200円
基本手当日額が3,200円で受給期間が90日の場合の総受給額 3,200円 × 90日=288,000円 28日間の受給額は、3,200円×28日=89,600円失業保険を受給するには、定められた手続きを行わなければなりません。ここからは、受給するまでの流れと各段階で必要になるものを解説していきます。
失業をしたら、まず離職票をもらうようにしましょう。 離職票は基本的に退職したあとから、会社に頼んで郵送してもらいます。会社によっては離職票の発行に時間がかかるケースがあるため、退職したらなるべく早く連絡して郵送してもらうようにしましょう。
離職票をもらったらハローワークに出向き、受給資格の決定を行います。 このときに必要になるのが、「離職票(1・2)」のほか、個人番号(マイナンバー)確認書類、本人確認書類、写真(縦3cm×横2.5cm)2枚、本人名義の口座情報(通帳またはキャッシュカード)などです。 手続きの要否や細かな持ち物は窓口で案内があるため、念のため印鑑も持参しておくと安心です。 ハローワークで条件を満たしていると判断されれば、受給資格が決定されます。その際には、初回説明会の日程と会場を教えてもらうことができます。
基本手当は、受給資格決定日(ハローワークで求職の申込みをした日)から、失業の状態にあった日が通算して7日間に達するまでは支給されません。この期間を「待期」といいます。 なお、待期期間中でも求人検索や応募などの求職活動は行えますが、アルバイト等で就労した日があると、その日は待期に算入されず、待期満了が遅れる場合があります。 また、正当な理由がない自己都合退職等に該当する場合は、待期満了後に給付制限が設けられることがあります。
初回説明会は、各地域で指定された会場で行われます。 受給資格の決定を行った際に渡されたしおりや用紙に記載された持ち物を持って参加しましょう。 初回説明会では、雇用保険受給についての詳しい説明が行われます。
初回説明会に参加したあとは、ハローワークで実際に転職活動を行いましょう。手続き後に渡される 受給資格者証や各種書類 を持参し、案内に沿って求職活動を進めます。 転職活動は、28日間に最低でも2回以上(最初の認定日の認定対象期間中は1回)行うことが条件です。
給付を受けるためには、28日間に2回以上転職活動を行うだけでなく、認定日に失業中であることを申請する必要があります。 認定日は、原則4週間ごとに行われますが、指定時間もあるのでしっかり確認しておきましょう。
認定日から1週間程度で28日分または残りの日数分の受給額が指定口座に振り込まれます。
失業保険は、次の仕事が見つかるまでの間に、給料の何割かを受け取ることができるため、失業者にとってはありがたい制度です。 しかし、給付を受けるためには、定められた条件を満たしていなければならなかったり、失業手当の受給に使用した被保険者期間(雇用保険加入期間)は、次の受給資格を判断する際に使い回せない(通算できない)などの制度上の注意点もあります。失業保険を受けるべきかどうかをしっかり判断し、自分にとってベストな選択をしましょう。
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